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10章72
L'an mil neuf cens nonante neuf sept mois
Du ciel viendra vn grand Roy d'effrayeur
Resusciter le grand Roy d'Angolmois.
(1)Avant apres Mars regner par (2)bon heur.
1999年 7の月
天から到来する恐怖の大王が
アンゴルモアの大王を蘇らせる
火星の前後 幸運によって支配する
(1568年 ブノア・リゴー版 , 訳 ビリーバー・たこまる)
(1) この部分を訳し直した。以前の訳は火星を主語にして,「前後、火星は・・・」としていた。
(2) 幸福,幸運 の意味。インチキ解釈者がいうように「平和の名のもとに」などとは訳せない
この詩篇には諸説ありますが僕は大筋ではイオネスク説を支持している。巷の破局的な解釈は五島勉氏や世紀末=終末思想の影響のせいなのです。平均的なフランス人が読めば「まあ、よくわかんないけど、幸福というんだからそう悪いことじゃなかろう」 といった程度の感想しか持たないらしい。(竹下節子 著「さよなら ノストラダムス 」p178)
恐怖の大王を公害や隕石やミサイルや火山の爆発(!)などと解釈する方もいますが、そのように物や事件を“王”のように擬人化した例は他にはない。話題の土星探査機カッシーニ、GPSリセット説は8の月だからノストラダムスの予言していることではないでしょう。 ミサイルや空爆という説もありますがそれだったら「空からの火」のように書くはず。
「恐怖の大王」、恐怖にあらず: イオネスクはいう、彼は7ヵ月あまり過ぎた8月11日の皆既日食の時、フランスで生まれる 恐怖の大王は敵にとって恐怖の大王なのだと。予言者の時代の7月は現代の7月14日〜8月13日にあたります。(ユリウス暦とグレゴリオ暦の違い)
彼が日食と判断する根拠はもうひとつの詩篇(5章41)です。
昼の闇と影から生まれ
至高の善良さと支配で
古い壷からその血筋を新しく生み出し
青銅の世紀に替わって黄金の世紀を復活させる。
1行の昼の闇と影が皆既日食にほかならない。予言者がホロスコープで8月の日食を計算できた筈はないだろうけど幻視したと(確証バイアスで)考える。このときちょうど,興味深いことにグランドクロスになっています。しかし、占星術でグランドクロスを「恐怖の大王」と呼ぶというのは僕は聞いたことがない。
彼は※天から来るというのを神が送ってくれたという意味に解釈しています。 2行を反キリスト、悪魔的な独裁者の出現と解釈する方々もいますがフランス在住の竹下さんも 「空」は地獄などと違って神の領域だと見なされていた。空の王というのは神だし,「空から落ちてくる」というなら堕天使(ルシフェル)ということもあるが「来る」というのは、普通、雲に乗って如来がやってくる仏教の来迎図みたいに、天使や聖人といったイメージが強い。といっているのだ!。
五島氏の空から降ってくるだろうというのは全くの誤訳で、Viendra は venir (来る,生じる)の単純未来系 ですので“降ってくる”などという意味はない。
今年その偉大な人物が生まれるだけで、実際に王位に就くのはもっと後のことでしょう。それはヒトラーの誕生を予言した [と多くのビリーバーが強引に解釈している] 詩篇(3章35)を見れば明らか。
ヨーロッパの西のもっとも奥深くから
貧しい連中から一人の若い子供が生まれるだろう
その言葉によって大いなる群れを惑わすだろう
彼の名声は東洋の王国にさらに増大するだろう
ヒトラーがオーストリアで生まれたのは1889年ですが,大いなる群れを惑わしたナチスの党首になったのは 1921年ですし,首相になったのは1933年です。(この詩篇の詳しい説明は20世紀前半編をみてください。)
それゆえに、予言が成就するには数十年、時間が必要でしょう。
イオネスクは恐怖の大王をアングモア地方にまで侵入したアッチラを撃退した メロヴィウスのような未来の指導者と解釈している
彼はアンゴルモアの大王はその王朝を開始し、アングモア地方を征服した初代フランス王クロヴィス一世のごとき偉大な指導者の記憶が蘇ることと解釈している。さらに彼は蒙古系(モンゴリア)の王のことを二重に暗示していると解釈している。なぜならかつて5世紀頃フン族のアッチラがアングモア地方に侵入したし、Angolmois = Mongolois,(Mongolias) のアナグラムと考えることも可能だからだそうでです。もっともこのアナグラムに対し、一部では疑問視する声もあるのを付け加えておく。
しかしヨーロッパと中国との戦争っていうのはビリーバーの僕でさえ、ちょっと信じられない気がするゾ。もしそんなことになったら日本はかなりヤバイ。
僕としてはノストラダムスと同時代に、文芸を復興させ、神聖ローマ帝国のカール5世と戦ったアングモーア(アンゴルモア)を領地とするアングレーム伯、のちの フランソワ一世(1494〜1547)の記憶を蘇らせるのが 恐怖の大王だと信じたい。
火星は1999年7の月には支配宮の蠍座に宿っています。つまり幸福に宿っている そして9月2日まであります。 興味深いことにノストラダミアンのレオニーは7の月 sept moisを 9月 septembre のことと解釈しています。イオネスクは更に、恐怖の大王が 大統領(王)に就任する前後が軍事衝突になると解釈しています。
イオネスク自身がまとめた説明:(「ノストラダムス メッセージ U」p143)
1999年のその7月のちに。すなわち8月11日の皆既日食の日に天子として一人の偉大な王が誕生し、のちにキリスト教世界の敵どもを震撼せしめるであろう。
しかして、彼は、かつてのフン族(アングルモア→モンゴリアス)を破ってはつ国(最初の国)しろしめす初代キリスト教国王クロヴィス一世の再来とも仰がれよう。周辺の蛮族を平らげたこの王と同じく、またアジアの夷荻 (いてき)を一掃したその祖父、メロヴィエーのごとく,この未来の王は中国とイスラム圏からの侵略者たちを撃退するであろう。この王の到来の前後が軍事衝突の時となるであろう
ここからはアナグラムによる恐怖の大王とアンゴルモアの大王の人名の解釈
(今の段階ではこじつけ+予測 。(^^ゞ )
なぜ、アングモアをアンゴルモアと書いたのでしょうか。先に延べた蒙古系のアナグラムと解釈することも可能ですがさらに、人名が隠されていないかと考えました(こっからはマイ・オリジナル)
2、3行を使ってのアナグラム (使用単語 Vn、d'effrayeur,d'Angolmois.) Du ciel viendra Alfred,Henry, le grand Roy 天から生じる アルフレッド, ヘンリー, その大王
Resusciter Angoumois du grand Roy 蘇らせる 偉大な王のアングモア
[f=h]
「ヘンリー」とは他の詩篇で,シーレンと並び替えられていて彼は世界の指導者になると予言されている。さらに,天 Ciel から生じるとあるので,この単語も使った場合のアナグラム
Du grand viendra le Roy, Alfred Heinrich V,
Resusciter le grand Roy d'Angoumois
[f=h,c=ch,y=i, V・・・ローマ数字のXと解釈する)]
ハインリッヒはドイツ語名。 ハインリッヒのフランス語がアンリです。もしかしたらドイツ生まれかもねえ。もちろん 憶測の域を出ないのだが。ランスとエイクスで油を塗られるとある四行詩があるが関係あるかも。もし,アンリなる人物が大統領に即位するなりしたらブルボン朝の創始者 アンリ4世の次だから「5世」になる。懐疑主義者のランディは誰でも適当な人物をアンリ5世にすることができるといっているけど、正当なフランス人でなければだめ。イオネスクはおそらくブルボン家の末裔だろうといっています
「5世」なる響きは神聖ローマ帝国カール大帝をも思わせる。
未来についてのことだし,当る筈はないんだろうけどさ。しかし当ったらアナグラムの正しさが証明されるということでトンデモながら載せてみました。
懐疑派的解釈:
1999年は1000年ごとの終わりを意識したものであろう。 7の月とは「7」が神秘的だから使ったまでのこと。
天から到来する恐怖の大王は「と学会」の志水氏の言う通りイエス・キリストの歪曲表現であろう。彼は悪人にとってはまさしく恐怖であろう。 (最近では五島勉氏もそのような解釈をしているがそれは予言としての解釈を放棄しているといえよう。)
TV「特命リサーチ200X」では誤った原文(deffrayeur)から「金遣いの荒い王」という訳をし、カール5世のこととしていた。この誤っている原文はラメジャラーの版をもとにした可能性が高い
アンゴルモアの大王はアンリ二世の前の王,アングモア出身のフランソワ一世を指し,千年紀のそれまでの古い時代がいよいよ終わろうとする前、イエス・キリストとともに素晴らしいフランス国王がよみがえるという、敬虔なカトリック教徒で世渡り上手な予言者の願望とカトリーヌ・ド・メディシスへのお世辞を書いた詩篇であろう。
蘇らせるとは黙示録では死者が最後の審判のときよみがえるとされている。
・・・獣もその像も拝まずに、手や額に刻印を受けなかった者たちは生き返ってキリストと共に1000年の間支配した。(黙示録 20章4節)
※ その前後 火星は とはやはり黙示録からのインスピレーションで、最後の審判の前の戦いを書いたものだろう。アーマゲドンのあとキリストの再臨があることになっている。善良なキリスト教徒は新天地(天国)にはいれるわけだから 幸福 (bon heur) である。
この詩篇の懐疑派的解釈は「予言者」(新紀元社)の主張をまとめ直したものです。
※ 同書の訳。
http://members.aol.com/takomaru01/10-72.htm