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http://www.ashisuto.co.jp/corporate/totten/column/1181131_629.html
From : ビル・トッテン
Subject : プロパガンダにさらされる日々
Number : OW713
Date : 2006年01月23日
昨年ある通信社の記事に、米国の国防総省が4億ドルの費用を投じ海外のメディアに親米メッセージを流させる、いわゆる「心理作戦」を、米国政府がその出所だと思われないように行う「心理作戦」に出たと米「USA・Today」紙が報じたことが掲載されていた。
(ビル・トッテン)
プロパガンダにさらされる日々
米国防総省のこのプログラムは、米国以外の国がテロリスト側ではなく米国を支援するよう仕向けるためであり、日本のような同盟国だけでなく多くの国で行われるという。また偽りの記事を出して親米に仕向けるというようなものではないと軍部高官は述べたというが、どんな言い方をしてもこれこそ米国が得意とするプロパガンダである。
以前も書いたが、プロパガンダとは一般大衆を目標とした宣伝手法の一つで、主に政治的な目的を達成するためのものである。
自分の主張を正当化し、都合のよい事象を強調して悪い事実を隠すために行われるもので、隠さなければならないことが数多ある米国政府は今回の作戦以外にもメディアを利用してこれまでにも精を出してきたことは言うまでもない。
例えば、インターネットを活用している人なら、2001年9月11日の同時多発テロがテレビや大新聞の報道通り、「ハイジャックされた4機の旅客機のうち2機が貿易センタービルに突っ込み、ジェット燃料による爆発的火災によってツインタワーが両棟ともに崩壊し(激突シーンも“偶然に”撮影された)、また一機は米国防総省に激突、もう一機はキャンプ・デービッドかホワイトハウスへ向かおうとしていた様子だが、乗客による抵抗で阻止されピッツバーグ郊外で墜落した」というストーリーが真実ではないことを知っている。
では真実は何だったのかといえば、私には解明することはできないが、問題は真実が解明されることなく、米国のメディアが追求や報道をすることもないという事実である。
だからこそ一般大衆が自分で判断し積極的に情報発信をしていくしかないのだと思っている。もちろん大新聞の報道を信じ、インターネットこそ匿名のうそや欺まんの世界だという人々もたくさんいる。
自分と異なる考え方を持つ人と不毛な議論をするつもりはないので、そういう方々はこれからも大新聞やテレビの報道を信じていけばよいだろう。
しかし9月11日以降、世界が向かっている方向を冷静に分析することは一つのヒントになる。つまり米軍がアフガニスタンに攻撃を開始し、それがきっかけでイラク戦争へと進んでいったという事実だ。
米国はイラクをテロ支援国で悪の枢軸と呼んだ。そしてテロとの戦いを国家戦略に打ち立て、“防衛”のために先制攻撃が必要として大量破壊兵器を隠し持っているという“疑惑”を理由にイラク攻撃を開始した。
これらは9月11日の犯人がテロリストであればこそ実行できた筋書きだ。
米国の国防総省が4億ドルもの費用を使って海外のメディアに親米メッセージを流させる「心理作戦」を遂行するのは、草の根グループや私のような個人がインターネットによる横のつながりを利用して情報を流布していることに対する対抗策ではないだろう。
日米政府はまだ一般大衆のつながりも個人の発信力も強力だとは思ってはいない。むしろプロパガンダの効果を知っているがゆえに、親米イメージを植え付けるための広告宣伝費に投資したのだろう。
実際、今でも米国民はイラクは大量破壊兵器を持っていたのだから攻撃されても仕方なく、イラク人は米軍が民主主義をプレゼントしてくれることを喜んでいると信じている人が少なくない。
工業国に暮らすわれわれは、日々プロパガンダにさらされている。
もっとやせないといけない、もっと大きな車に買い換え、大きな家に住まないといけない、競争に先んじて勝ち組にならないといけない、これらもすべてプロパガンダである。
そしてたとえそれは手に入れたところで幸せになれない。無限の成長が基本である競争社会にゴールはないからだ。
日本という国が近隣諸国から攻撃されたら守ってくれるのは米国だけだとか、米国の牛肉が輸入されないと困るとか、インフルエンザの症状を一日程度縮める効果しかない薬が手に入らないことはたいへんだといったプロパガンダを日々目にしていれば、ますます米国なしには生きていけないと人々は思い込むようになっていく。
そして豊かで自由な国で、飢餓の代わりに肥満やうつ病に悩む人々がまん延する。これがわれわれが誇る文明とは、あまりにも皮肉である。