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(回答先: 熱力学的立場から 投稿者 レモンT 日時 2005 年 12 月 05 日 20:03:19)
レモンTさんへ
レス、ありがとうございます。
ワヤクチャさんもレスされたように、江戸時代に利潤追求がよい結果をもたらしたのは偶然ではないかと思います。したがって、利潤追求は悪ではない、とは私は言い切れないと思います。しかし、もちろん、江戸時代の循環のあり方自体は、現代でも参考に値すると思います。
それから、柴刈ですが、当時は恐らく刈りすぎたのでしょうが、現在は、人間が（燃料革命により）柴刈をしなくなったことがかえって山の荒廃を招いていると思います。たぶん、人間が手入れをしなくても、野生動物たちが自然な形で生息していれば（つまり人間に脅かされることなく）、山は適度に日光も当たってよい森林になるのだと思うのですが、野生動物が少なくなった今日においては、人間が間伐・下草刈などをしなければ山は荒れ放題になってしまいます（牛を放牧して下草を食べさせ糞をさせ、人間は間伐作業をする、という「分業」的あり方もあるようですが）。そのような状況では、いくら森林が青々としていても、森林は国土保全機能を果たしてくれません。過疎地で地震が起こった時に、木が生えていても土砂崩れで家が埋まってしまうのは、森林の荒廃によるものでもあるのです。
循環に関連して、今年2〜3月のNHK人間講座のテキスト「『共生経済』が始まる〜競争原理を超えて〜」（講師：内橋克人）で紹介されていた葛巻町の事例について、紹介しておきます：
葛巻町（東北有数の酪農の町）では、風力発電、太陽光発電、バイオガス、ペレットストーブなどを使った、エネルギーへの取り組みが行われています（http://www.town.kuzumaki.iwate.jp/w/map.pdfの図参）。
電力だけのエネルギー自給率では約280％、を達成しているということです。
全体のエネルギー自給率では78％で、風力発電機を増設すれば100％の自給達成はすぐに可能ということですが、町はそうせずに、「畜糞バイオマスと木質バイオマスを活用して生み出す新エネルギーの供給量をそれぞれ10％ずつアップしよう」、「家庭で太陽光発電を利用したり、ペレットストーブを使うなどして6％の省エネをはかる」、という、「多様なエネルギーの供給増とエネルギー消費の節約の両立」によって自給率100％を実現しようとの考えだ、ということです。
内橋氏は、このやり方を、「やろうと思えば、すぐにでも風力によって100％自給はできるけれども、あえて一つのエネルギー源に頼らず、その他の再生可能エネルギーの割合をできるかぎり高め、『エネルギーミックス』のモデルに育てていく・・・まさに『共生経済』の理念を示すもの」、「現在のグローバリズム、たとえば作れるのに作らせない、買わせる、という仕組みに真っ向から挑戦している。まさに『対抗経済』の思潮と実践を示す例といえる」と評価しています。
葛巻町のこうした取り組みは、新エネルギー宣言という、内橋さん曰く「『ゼロエミッション』へのアプローチ」を示したものに則ったものとなっています→
http://www.town.kuzumaki.iwate.jp/w/sengen.htm
レモンTさん、今後ともよろしくお願いいたします。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。