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Re:自然を破壊したものはなにか?(ワヤクチャさんへのレスです)
http://www.asyura2.com/0510/idletalk16/msg/277.html
投稿者 heart 日時 2005 年 12 月 04 日 00:52:19: QS3iy8SiOaheU
 

「自然を破壊したものは何か?」
http://www.asyura2.com/0510/idletalk16/msg/237.html
投稿者 ワヤクチャ 日時 2005 年 11 月 30 日 23:18:43
へのレスです。(が、私としては他の方からのコメントも大歓迎です。)

ワヤクチャさん、レスが遅くなって申し訳ありませんでした。
ワヤクチャさんの投稿が下の方に行ってしまって見つけにくくなったと思うので、ここに投稿します。


>自然を破壊したものは利潤追求型経済だと私は思っております。
>従って、利潤を追求しない経済システムを作る必要があります。

ここでワヤクチャさんが、利潤という言葉を、利益と同義で使われたのか(私は読んですぐはこちらの意味と取っていました)、経済学でいうところの利潤、つまり、収入(売り上げ)から費用を引いて残るもの、という意味で使われたのかはわかりませんが、いずれにしろ、同感です。

(利潤は、株主への配当、投資などに当てられるものですよね?
利潤の定義を調べようと本を調べましたが、手持ちの本には、収入マイナス生産費、という程度のことしか書かれていませんでした。利潤の経済学的定義、ご存知でしたらお教えください。)

株式会社は、株主に利潤を配当しなければ成り立たない存在ですから(経営学的には株主への利潤配当が株式会社の目的?)、利潤を追求する経済主体ということができますね。

私は、現代の株式会社が持つ問題点の一つに、株式会社の追求する利潤が、実際の仕事をする大多数の従業員に帰属するものでなく、少数かつ金持ちである経営者及び、当該企業の行う業務内容に必ずしも興味を持たない株式保有者(ワヤクチャさんのおっしゃるところの「錬金術」的保有者)に振り分けられるものである、ということがあると思います。

株式保有者と従業員が一致しないことの問題点を克服する株式会社のあり方としては、ESOP(=Employee Stock Ownership Plan; 従業員株式所有計画)というものがあるようです。
まだ序文を読んだだけですが、本山美彦著「ESOP〜株価資本主義の克服〜」(シュプリンガー・フェアラーク東京、2003)によると、ESOPとは、「単なる従業員の持株会ではなく、従業員組合が基金を作り、その基金に企業が自社株を譲渡するか、従業員組合が自己資金や金融機関からの借入金で自社株を買い、発行株の過半数を従業員組合が保有することを目指す制度」です。
また、「基金で保有されている株式の所有権は従業員にあるが、従業員は在職中には株式を処分できず、退職時まで保有し続けなければならない。企業側は基金に株式を譲渡することによって、税務上の恩恵を受ける。従業員組合は大株主として企業の役員会に代表を送り込み、経営に参画することができる。ESOPによって、企業は、安定株主と従業員の企業への愛情を確保できる。」ということです。
この制度は実際にアメリカの一万社以上の企業で採用されていて、「採用していない企業よりも職場環境、労働生産性面で優れているという調査が数多く出されている」そうです。本山さんは、その原因を、ESOPが従業員の「やる気」を引き出すからだと見ています。

このESOP(従業員株式保有計画)という制度は、株価の上昇を追求するものであるという意味で、利潤追求型経済から出るものではないかもしれませんが、利潤の中身が、少数の「勝者」、また、錬金術師に帰属するものではなく、当該企業の従業員という、国民の大多数に還元される、という点において、大いに魅力のある制度ではないかと思います。

ワヤクチャさんは、「株式会社に代わる組織として協同組合を展望して」おられるということですが、協同組合は、ESOPと違い、真の意味で利潤追求型経済からの転換をはかるものと思います。しかし、いかんせん私はごく最近に協同組合が現代社会において持ちうる価値を知ったばかりなので、協同組合というのがどういう仕組みで、何を目的としているのか、わかっておりません。「協同組合についてはココでは多くを語って」おられないということですが、阿修羅でも大いに語っていただければと思います。


>では、利潤を追求するのは何故なのでしょうか?
>それは支配欲です。
>金を多く得る事は他者に対する支配を強める事になります。
>労働者の生殺与奪の権を金持ちは持つのです。

ワヤクチャさんは、利潤を追求する理由は、金を持つことによって他者を支配することができるからである、というお考えのようですね。
支配が究極目的ということですよね?カネを多く持てば支配が可能になり、支配力を持つとカネがますます増える、カネが増えると支配力がさらに強まる、こんなところでしょうか。しかし、私は、カネと支配のどちらが究極目的なのかわかりません。いずれにしろ人間が際限のない「欲」を持っているということが利潤追求に人を駆り立てていると思います。


>人間の欲望は作られているのです。
>誘導されているのです。
>商品を売る為に。
>生産主導型経済が人間を洗脳しているのです。
>毎日毎日テレビで。
>つまり、消費者主導型経済に転換する事によって欲望は沈静化します。
>洗脳が無くなるワケですから。
>商品を売らんが為の文化は衰退し、人間の本来の生物的欲求を満たす最低限の経済へと>転換します。

欲望が、ワヤクチャさんのおっしゃるように沈静化できるものであることを願います。

人間の欲望が、作り出されている面もある、ということは私も認識していました。
一見今の生活よりよさそうに見えるものに人々は惹かれます。
このため、資本主義経済から無縁で慎ましやかに暮らしてきた人々も、「先進」文明を見せられると、それに惹かれ、慎ましやかな生活から引きずり出されてしまいます。
「援助」、「開発」の名のもとに、世界中がグローバル化に巻き込まれていっています。
そして、いったん巻き込まれたが最後、今のIMF・WTO体制においては、そこから「足を洗う」ことははっきりいって許されていないし、不可能です(例えば貿易自由化に逆行することはWTO違反として認められません)。
こういった現実とも、我々は戦っていかないといけないと思います。
「市民社会」の力がWTOやアメリカに打ち勝たなければなりません。


>今の経済は物を作ってそれを無理やり買わせる経済です。
>環境にいいワケありません。
>そこで必要最低限の物を消費する経済に転換しなくてはなりません。
>それが「環境に配慮した」消費者が主導する経済です。
>これまで経済は生産者主導だったのです。
>これを消費者主導にする事が革命です。

そうですね、巷でよく言われる単なる「消費者」主導の経済でなく、「『環境に配慮した』消費者が主導する経済」なら、大賛成です。


>物の移動は最低限に抑える必要があります。
>従ってなるべく近くで生産したものを消費する経済に転換しなければなりません。
>大工場で作りできたものを遠くに運ぶのではなく小規模な工場を各地に作りそこから物>を供給するべきです。
>コンビニにパン工場を併設するなどのイメージが典型かと思います。
>大規模店舗に遠くから買い物に行くのではなく駐車場付きの小規模店舗を沢山作ってい>くイメージです。

コンビニを利用しようとのお考えでしょうか?
少なくともパンに関しては、私の近所でもパン屋の奥でパンを実際に作っているようですが、なにもコンビニという、パンに縁もゆかりもない単なるアルバイトが店員をやっているお店にパン工場を併設する必要はないと思います。

私は、住宅地から近いところに、パン屋、市場(イチバ)、スーパー、衣料品店があり、また工場もその近くにある、といった配置が望ましいと思います。
コンビニは、近所にあるという意味ではよいです。
郵便局も近所にあるのがいいですね。
日本各地に、小規模な町が塊で散在している、といったイメージです。
買い物や通勤・通学においては、車が必要でないくらいの小さな規模の町づくりが必要だと思います。
このくらいの小規模だと、地域コミュニティというものも再生されるのではないかと思います。
そうした上で、ワヤクチャさんのおっしゃるように、「車は水素内燃機関や燃料電池車に切り替えてい」き、「全ての屋根に太陽光発電を設置し至るところで充電できるようにす」れば、かなり理想的な社会になってくるかと思います。


私の「問題は、どんな経済(というより社会といった方が適切かな)ならよいかです。」に対する「今の経済で何がよけいかを考えていけばいい」とのアドバイス、ありがとうございます。そのようにしたいと思います。


私が環境と経済の両立、といったことを言ったのに対して、
>自然の中に経済を埋め込み直すべきです。
>自然と経済を分離して発想するからおかしくなるのです。
>自然の中で生かされている経済という把握が必要です。
>空気・水・光・養分によって経済は生かされているのです。
>経済そのものが一種の生き物と考える必要があります。
>生き物を内部に含むものは生き物なのです。
全くそのとおりですね。自然と経済を分離して考えていたのが間違いでした。


>人とネットで対話をする
これまでインターネットは私にとって見るものでしかありませんでした。
阿修羅でハンドルネームを取得してから、投稿することで少しずつ「参加」してきてはいましたが。
今後は阿修羅等を通して対話していきたいと思います。
単に見ているよりも、得るところが多そうと感じています。
自分の頭の中で単なる感覚で止まってしまっていたものが、書くこと、対話することで、より形のあるものにできそうだと思います。
このレスを書くにあたっても、いろいろ疑問が生じてきて、私としては珍しく自発的にいろいろ調べたりしました。
疑問がなくなるまで調べていたらいつまでたってもレスできそうになかったのでいったん打ち切ってこのレスを書いているという次第です。


>問題が何故生じているのかの原因を追求する思考が必要です。問題だけを見ていても進>展はありません。
私がこれまでぼんやりしたユートピアを描く以上のことができずにいた原因はここにあったのだと思いました。ご指摘、ありがとうございました。
「自分が思う所の社会・経済のしくみを書いていく」、「今の社会の問題をあげていく」、といったこととともに、心がけていきたいと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。

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