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(回答先: 愚民党さんさあ送る。丸山健二「まだ見ぬ書き手へ」 投稿者 竹中半兵衛 日時 2005 年 11 月 29 日 09:21:08)
竹中さん。おはようございます。
いい本紹介してもらって、おらうれしがんべ。
4作目から応募しろと、丸山健二は指導しているっぺ。
なるほどと納得したっぺ。
「まだ見ぬ書き手へ」図書館か本屋さんにあればいいんですけんど。
仕事場を山小屋風に建設したんけ。さすがは、竹中さんだんべ。
お祝いの酒でももって、その山小屋風仕事場で
祝杯を飲ませてもらったら、最高だんべ。
まんずおらは12月31日の締め切りめざして、がんばりますけん。
全部書きあがったら、一文字一文字を読み直し、文章のおかしいところや
誤字などを直していかねばならんけん、その作業がたいへんですだ。
どうもおら暖かいヒューマニズムが欠落した人間ですけん
読者というお客様の心を揺さぶる物語はまだ書けんですたい。
竹中さんは熱いヒューマニズムもっている人だけん、竹中さんが小説を書いたら、
読者の心を感動で揺さぶることは間違いないと思っておりますけん。
やっぱ小説を書けるのは竹中さんだんべ。
とにかくおらは長編を3作、書いて、応募しながら、修行すっぺ。
4作目から勝負かけますだ。
3年後か5年後に入選すれば最高だんべ。
しかしまんず応募の年月が20年くらいの人が、小説応募の世界には
ごろごろいるけん。競争が激しいがんべ。
おらアンダーグランド演劇とか暗黒舞踏とか集団創作の経験があるけん
これを捨て、徹底した孤独のなかでオリジナリティをつくらんばならんけん
これが一番たいへんですだ。
「孤立無援から小説は誕生する」と指導する丸山健二の言葉には
納得ですだ。
竹中さん。ありがとうございました。
文学を愛しその現状を憂える筆者が、真に自立した新しい書き手の出現を望んでおくる、力強い文学への手引き。
【目次】
1 私の待ち望むまだ見ぬ書き手/2 書きながら書き方を身につける/3 プロの書き手としてデビューするには/4 筆一本で生きてゆくこととは/5 文学の大海原ですれ違う日まで
「文学私論」(丸山健二の「まだ見ぬ書き手へ」から
文学私論
小谷 康幸
http://www18.big.or.jp/~novels/works99/reviews/literate.htm
以下は、作家を志す者への、丸山流20箇条である。
1,作家を志すものは、「まず書き始めること」。一作目は、半年から一年かけてもいいので、百枚前後の小説にトライすること。そして、一日に2、3時間は必ず書くこと。それも8時間熟睡したら、さらに2時間後から始めるのが望ましい。ただし、最終段階に入った場合は、ひたすら小説に没頭し、5時間でも十時間でも書くこと。集中力と持続力、それに徹底性、書き上げてみせるぞとの強い意志こそが重要なポイントである。
2,細部は後回しとし、書き始めたら、絶対に後ろを振り向かぬこと。
自己嫌悪に陥ったり、細部にこだわるあまり、全体を見失うからだ。
3,会話は少なく、短く、できれば会話に一切頼らぬこと
説明的すぎる文章は極力さけ、完成したら、最低七回は「書き直し」
(推敲)すること。
4,この段階では他人の小説を読んではならない。自信喪失か自惚れの、
どちらかに陥るからだ。
5,一作目は「引き出しにしまい」ただちに2作目にかかること。
6,ノートを何冊も用意し、自分自身の「閃き」をはじめ、広告、看板、
チラシ、案内板、雑誌、テレビやラジオから流れてくることば、同僚の会話
酔っぱらいの罵倒等々、世間に氾濫するありとあらゆる言い回しや、見た夢
などについて、その都度書き取っておき、時間的余裕があればそれらの言葉や言い回しを自分の表現で書いてみること。
7,人間はなぜ生まれ、あるいはどう死ぬべきかといった普遍的テーマに挑戦し続けること。
8,この段階では、今書いている小説について、友人、妻、恋人、両親、兄弟に見せたり話したりしてはいけない。せっかく高まったエネルギー、創作意欲が漏れ出すからだ。
9,友人を遠ざけ、職場の同僚とも一線を画し、自分を孤立無援状態に置くこと。芸術を扱うとは、要するに魂の問題に触れることゆえ、幸福や安定に近づくほど、人はそれから離れるからだ。真に救済の文学を目指すのであれば、孤独に立ち向かい、孤独をねじ伏せ、孤独を超越せよ。自分以外の力を当てにするな。不安、怒り、孤独感、哀しみの突き抜けた彼方に、文学の手つかずの鉱脈が横たわり、、未踏の山々が聳えているからだ。自閉的ではなく前向きの「個」、前向きの「弧」たれ。
10,三作まで書いたら、その中の自信作を新人賞に応募すべし。ただし、その結果を待つことなく少し眺めの四作目に、ただちに取りかかること。
しかし、結果はどうであれもし選ばれなかったらがっかりする事はない。
あなたが目標とすべき書き手はあなた自身であると考えること。
11,担当編集者を過信すべきではない。芸術に関する興味や関心などは皆無なサラリーマン的編集者が圧倒的だからだ。
12,本物の書き手は、勤め人とは正反対の生き方をしなければならない。
安定ではなく、不安定、、秩序ではなく混乱、集団ではなく個人、協調ではなく独行、妥協ではなく反抗、つまり反社会的存在であること。その立場に立ってこそ普通では目に見えぬものが見え、葛藤生じ、書くに値する、読ませるに値する火花が飛ぶからだ。
13,老いて収入が減り、入院するカネもなく、墓を作る金もない時は、清く野垂れ死にすること。借金をするくらいならアルバイトをすべし。
14,妻を働かせてはならない。また、妻が「あなたの生活についていけない」と言うのであれば、離婚すべし。作家とは仕事と呼べるようなものではなく、異常な仕事だからである。
15,締め切りは編集者ではなく自分で決めること。締め切りに追われて
書くのではなく、納得のいくものが書けたら読んでもらうという意味だ。
16,文学を誰よりも軽蔑しながら、誰よりも創作に没頭する心の在り方
こそが、書き手の基本姿勢であり、小説に集中し、没頭していること自体、
奇行の最たるものゆえ、それ以上のくだらぬ真似をする必要はない。
17,精神力、体力の自己管理には留意せよ。酒は絶ち、仕事の前後に食事をし、それも日に二度が望ましい。カロリーが高く消化の良いものを。
18,権力と権威に近づくな。
19,できることなら、「連載」ではなく「書き下ろし」が望ましい。
20,最後は手書きかワープロかの話だが、丸山は「手書き」を薦めている。
「文学私論」(丸山健二の「まだ見ぬ書き手へ」から
文学私論
小谷 康幸
http://www18.big.or.jp/~novels/works99/reviews/literate.htm