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スティーヴィー・ワンダー、いまだ現役のミュージシャンであることを見事に証明してみせた傑作Time To Love
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投稿者 TORA 日時 2005 年 11 月 06 日 14:28:09: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
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スティーヴィー・ワンダー、いまだ現役のミュージシャンで
あることを見事に証明してみせた傑作Time To Love

2005年11月6日

ミュージック・ステーションより


◆A TIME 2 LOVE (2005)(試聴できます)

◆「タイム・トウ・ラブ」 スティービー・ワンダー

スティーヴィー・ワンダー、’95年「Conversation Peace カンバセーション・ピース」以来、10年7ヶ月ぶりとなるオリジナル・アルバム「A Time 2 Love タイム・トゥ・ラブ」は、“リヴィング・レジェンド”と呼ばれる彼が、いまだ現役のミュージシャンであることを見事に証明してみせた傑作となりました。

豪華多彩なゲストをフィーチャーし、「ありとあらゆる“愛”を想定して創られた」というこのアルバムは、まさに時空を越え、さらにあらゆる音楽ジャンルの枠をも超えた新たなマスターピースとして、タイムレスに、時代が過ぎても多くの人々に聴き継がれていくようにおもいます。

 このアルバムのタイトルはそのまま、彼が現代に生きる私達に向けたメッセージそのもの・・・・。

 −今こそ、愛が必要な時代(Time To Love)だ−

 そんなスティーヴィーからのメッセージが、今、最高の音楽に乗せて、私達のもとに届きました。

 「スティーヴィーが新作リリースに向け、レコーディング中・・・・」

 そんなニュースが初めて公式HPに紹介されたのは、2001年のことでした。
 このとき、スティーヴィーはアルバムのコンセプト、内容等について一切詳しいことは語らず、「今、僕はアルバムをレコーディングしているから、ただ、待っていてほしい。リリースされれば、すべてが分かるのだから・・・・」と語るのみでした。

 そして、2003年になって、ようやく新作のリリースが具体化し始めます。しかし、タイトル等は未定のまま、いつものようにアルバムリリースは延期に延期を重ねていきます。

 そして’03年から’04年にかけて、スティーヴィーは7年ぶりに日本を訪れ、各地でライブを行いました。そのとき披露してくれた4曲の新曲を聴いた私は、

 −次のアルバムは、きっと素晴らしいものになるに違いない−

 と確信したのでした。

 しかし、新作のリリースは、更に延期を重ねていきます。

 そして、ようやくアルバムタイトルが明らかになり、リリースが現実味を帯びてきた2004年の夏・・・・・・アメリカのTVショウでも新曲を披露したスティーヴィーは、インタヴューでもアルバムリリースを約束し、ようやく日の目を見るであろう新作を、私は今か今かと首を長くして、楽しみに待っていたのでした。

 ところが、’04年6月、スティーヴィーが敬愛するレイ・チャールズが死去、さらに追い討ちをかけるように、その翌月、元妻であり、生涯の音楽パートナーでもあったシリータ・ライトが癌で亡くなってしまうという悲劇が彼を襲うのです。

 このとき、リリース間際までいっていたはずのニューアルバムは、そのリリース自体が白紙に戻ってしまいました。

 それ以降、アルバムの情報が一切流れなくなり、もう、“お蔵入り”になってしまうのではないか・・・・・そんな声まで出始めたのでした。

 しかし、そんな悲しみを乗り越えて、スティーヴィーは帰ってきてくれました。

 2005年始め、モータウンに新しい社長(シルヴィア・ローン)が就任したことがきっかけとなって、スティーヴィーの周辺がにわかに動き出します。

 また、5月上旬頃にはスティーヴィーに新しい子どもが誕生するということが明らかになりました。ベイビーの誕生が、新たに新作リリースのモチベーションとなったのでしょうか・・・・新譜の発売もベイビーの誕生とあわせて設定されることとなりました。

 そして、2005年の春、モータウンの公式HPにもようやくリリース・デイが“5月3日”と発表されます。最初のシングル「So What The Fuss」も店頭に並び、新作アルバムのリリースは、最早秒読み状態となりました。

ところが・・・・・・・、

 ところが、それでもリリースされないのがスティーヴィーのアルバムです。

 当初5月3日リリースが予定されていた新作は、それから更に延期を重ねていきます。

5月13日には、スティーヴィーと妻カイ・ミラさんとの間に、めでたく新しいベイビーが誕生。この日はスティーヴィーの55回目の誕生日で、親子で同じ誕生日となりました。

 ベイビーは無事誕生・・・・、しかし、スティーヴィーの新作はなかなか誕生してくれない・・・・。

 その後、また密かに待ち続ける日々が続くことになってしまうのです。

 2005年9月には、「新作のレコーディング作業がすべて終わった」という情報が流れましたが、完成してからもなお、スティーヴィーは発売になかなかOKを出さず、さらに一曲一曲、一音一音にこだわり、アルバムをより素晴らしい作品にするために、最後の最後までスタジオで手を加えていたということです。

 そして同年9月中旬、遂にアルバムのマスター・テープが無事モータウンに手渡されました。これで、スティーヴィーの新作リリースが現実のものとなり、ようやく、その“音”が、私達の耳に届くこととなったわけです。

 このプロジェクトのために、数多くの曲をレコーディングしたであろうスティーヴィー・・・・・・
 
 収録曲数について、彼は以前、“16曲+ボーナストラック2曲の全18曲入りになる”と発表していました。しかし、1枚のCDに18曲収録することは物理的に難しかったらしく、最終的に収録曲数は、15曲に絞られました。

 「この10年間で、最も心地よく感じられる、素晴らしい曲を見つけることができたんだ。」
 
 そう、スティーヴィーが語るように、ここに収められた15曲は、いずれも実に心地よく聴く者の心に響いてきます。10年という歳月をかけて創り上げたこのアルバムは、どの曲においても素晴らしいほどの完成度を誇っています。

 先行シングル(12)「So What The Fuss」をはじめとして、(5)「Please Don’t Hurt My Baby」、(9)「Tell Your Heart I Love You」などは、’70年代のあの頃のスティーヴィーを髣髴とさせずにはおきません。
 ジャズの薫りを漂わせる(3)「Moon Blue」や(6)「How Will I Know」、(10)「True Love」などは個人的には“涙モノ”、そして(6)と(14)「Positivity」で実現した愛娘アイシャとの親娘デュエットでは、昔からスティーヴィーを聴いてきた方にとっては実に感慨深いものがあるのでは・・・・・。
 また、(4)「From The Bottom Of My Heart」、(13)「Can’t Imagine Love Without You」は、新たなスティーヴィー・クラシックになること間違いなしだし、(11)「Shelter In The Rain」は、スティーヴィー史上最も感動的なバラードです。
 優しさに満ち溢れた(2)「Sweetest Somebody I Know」、美しい旋律を伴うロマンティックな(8)「Passionate Raindrops」なども聴く者のツボをしっかりと捉えた素晴らしい名曲です。
 さらに、強烈なメッセージを盛り込んだ(1)「If Your Love Cannot Be Moved」やアルバムのコンセプトを象徴するタイトルトラック(15)「A Time To Love」などのメッセージソングは、今まで以上に深く、最高の完成度を誇っていて、時代を超える、いや、時代を経るごとにますます時宜を得た名曲になることでしょう。

 さらに、オープニング・ナンバーからファイナルトラックまで、スティーヴィーが配置した曲の並びには彼なりの主張が込められているようで、ひとつのコンセプトをモチーフにしながら大きな流れを形作っています。
 そして、すべての曲がラストのタイトルトラックに繋がっていく・・・・・77分43秒−この壮大なスケールの大作を、最初から最後まで、一気に聴かせてくれます。

 それでいて、このアルバム全体に漂うリラックスした感じ・・・・・・・実に心地いい。何度も何度も、繰り返し繰り返し聴き返したくなります。


 10年の歳月を経て、スティーヴィーが放つ渾身の一作・・・・・・。

 今、生きてこの作品を聴けることに・・・・・、しかもこの作品を“新作”として楽しめることに、ただただ、感謝せずにはおれません。


S・ワンダーを間近で聴けて感激のタモリ


(私のコメント)
金曜日にたまたまテレビを見ていていたら、テレビ朝日のミュージックステーションにスティーヴィー・ワンダーが出ていました。時々この番組にマライヤ・キャリーなどの超大物歌手が出たりしますが、大抵が口パクのプロモーションなのですが、スティーヴィー・ワンダーは生演奏の生歌唱で四曲もメドレーで歌ってくれた。

スティーヴィー・ワンダーは実力と実績でナンバーワンのアメリカの国宝級ミュージシャンなのですが、こうして生でテレビで見られることは奇跡なのです。私がS・ワンダーを初めて見たのはエド・サリバンショーでハーモニカを手にした少年が歌っていたのですが、当時はリトル・スティーヴィー・ワンダーと言っていた。

デビューした当時は黒人のモータウンサウンドでしたが、ジャズやポップスなどのクロスオーバーしたサウンドは時代を超越した作品である。今でもテレビのコマーシャルなどに使われたりして、美しいメロディーは多くの曲がスタンダードナンバーになっていることからも、彼の音楽的な才能は現代のショパンとも言えるほどだ。

今のテレビの音楽番組と言うと、お笑いバラエティー化してトンネルズやダウンタウンに乗っ取られてしまいましたが、それだけお笑いのパワーに音楽が負けていて、歌手の質も曲も内容が低下して、リズムだけのヒップホップや飛んだり跳ねたりしているだけのジャニーズ系のお粗末な歌ばかりだ。しかも世代も限られた人しか聞かないから音楽番組は視聴率が取れなくなった。

80年代のアイドルブームも結局は、今でも現役でいるのは松田聖子であり中森明菜であるように、本物のアイドルしか残れなかったように、洋楽もビートルズやローリングストーンズのように本物しか残らない。アメリカのポップスサウンドもすっかり低調になっていますが、マドンナやS・ワンダーが全盛事ほどではないですが活躍している。

音楽も世代文化が分かれてしまって、ファンとともに歌手も運命を共にしてしまう事が多くなり、世代を超えたあらゆる年代の人から支持される音楽がなくなってしまった。若い時はCD買ったりコンサートに行ったり一日中ヘッドホンで音楽を聴いていた人が歳をとるとCDも買わずコンサートにも行かなくなる。

株式日記の読者もスティーヴィー・ワンダーって誰?というような人が多いだろう。知ってはいてもレコードやCDを持っている人は数えるほどだろう。私のように洋楽を何十年も聴きなれていると一時的な流行で終わるミュージシャンと、いつまでも愛されるミュージシャンが分かるようになる。それは本当に音楽を愛しているかどうかが分かれ目だ。

ミュージック・ステーションで最初に歌ったFrom The Bottom of My HeartはS・ワンダーらしい美しいバラードですが、昔のスタンダードな歌そのものでフランク・シナトラやビング・クロスビーが歌ってもおかしくはない。アドリブも入れて歌っていましたが、生放送だからできることですが、今では生の歌番組はMステだけになってしまった。

生放送となると製作の手間も大変で、テレビ局も手抜きだらけの番組が多くなり、歌手も手抜きの歌手が多くなり、本物がすっかりなくなってしまった。もっとも本物とそうでないものとを見分けるファンも少なくなり、ジャニーズ系のタレントにワーワーキャーキャー騒いでいる女の子たちは純粋の音楽のファンではない。彼女たちにS・ワンダーの歌はどのように聞こえたのだろうか。

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