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(回答先: 矛盾していませんか? 投稿者 考察者K 日時 2005 年 10 月 30 日 11:59:12)
【考察者Kさん】
「【政府の“善悪”性とは無関係です。】
と
【政府が個人の生き方に介入することを認めていけば、その範囲はずるずると拡大することになります。】
は一種の矛盾だろうと思います。この論が成立するには「政府の介入は悪」で「範囲の拡大は悪の拡大」という論証が必要になります。」
ほんとうに思考をまともにしようとしないひとですね。
私は、「政府が個人の生き方に介入することを否定しているのは、政府の“善悪”性とは無関係です」と書いているのですよ。
その立場から、「政府が個人の生き方に介入することを認めていけば、その範囲はずるずると拡大することになります」と危惧を述べているのです。
「政府の介入は悪」と「政府が個人の生き方に介入することは悪」とはまったく次元が異なるものです。(説明しなくても少し考えればわかるでしょ)
統治行為は個人に対する政府の介入そのものであり、それを必要悪だとは思っていても、「政府が個人の生き方に介入すること」と同じ意味での悪だと思っていません。
政府の介入は憲法に規定された範囲内で立法された内容に従うべきもので、「政府が個人の生き方に介入すること」は認められていません。
「親の面倒を見たかどうか」を相続の基準にできるのは財産権を保有している被相続人だけであり、政府がそれを認定するような制度派は違憲なのです。
★ 参考憲法条文
第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
第14条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
第19条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
第24条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
第29条 財産権は、これを侵してはならない。
【考察者Kさん】
「【政府(統治権力機構)は必要悪だと思っています】とも書かれていますが、機関は悪ではないと「理屈では理解しているが」、政府は悪という「主観」はある。という事でなければ「理屈としては分かりますが、何を考えているのだ」と思われます。」
何を寝ぼけたことを言っているのですか?
支配−被支配の関係構造はなくすべきだと思っているが、現実の社会構造はそれができない条件であるとの認識を持っているので“必要悪”だと言っているのです。
【考察者Kさん】
「”善悪”を”正否”に置き換えると「(相続は)政府より個人に任せるのが正しい」となり「政府の判断は個人に劣る(間違いが多い=否定)」という主観を書いていると判断できますが、まあ、ここは「個人主義重視か社会主義重視」でどちらに暮らす個人が「幸福と感じるか?」という見解の違いですから、これ以上の議論は無駄だろうとも思います。」
私が書いた内容を読めば、政府と個人の判断力の優劣を問題にしているのではないことは自明のはずです。
「(相続は)政府より個人に任せるのが正しい」のではなく、「(相続は)財産権者である個人と法の規定に任せられなければならない」ものなのです。
最初のレスで書いているように、個人の財産権(私的所有)を認めないもしくは限定的なものにするとか、個人の価値観に基づく自由な行動を認めないもしくは限定的なものにするといった国家社会の変革を提起することを否定しているわけではありません。
あなたが相続に関して書いていることは現在の国家社会の総体的な制度・法体系と整合性が採れていないから、それをめざすのなら総体的な“改革案”を示すべきだと言っているのです。
(あなたが主張していることは、相続という個別の問題ではなく、上述のように憲法を根底から変更しなければならない内容なのです)
【考察者Kさん】
「Kは「取り入れようと言う姿勢をした方が、”道徳的”な思考をする人が増え、他人を思い遣らない”狡猾な潜在的犯罪者”のような思考をする人が減るという意味で問題提起をしています。
「無駄だよ」「逆効果だよ」というのは簡単ですが”道徳的”という概念を否定するならば議論しても意味はありませんね。現在の方向は正しいという「現状維持に甘んじよう」というのがご意見でしたら、色々と理屈を考える必要はありません。」
宗教や思想などと同様、「道徳普及運動」を否定はしません。
そのような運動に関心がある各人(民間組織)が、それぞれの信じる道徳を普及させ実践させようとする運動に取り組むことになんら問題はありません。
しかし、それを政府が行えば違憲の統治行為です。
【考察者Kさん】
【「定期的に送金していた被相続人名義の家屋などに住む相続人も、送金の事実が証明できれば相続税は原則非課税」で良いとも考えています」って、現行の相続税で課税されるほどの遺産を残す親の生前に送金するってことがどれだけあると思われているのですか?】
どうして、このような意見が書かれるのか非常に理解に苦しみます(詐欺的手法か?読解能力不足か?)。
これは「仮にK案が実施された場合の否同居者(最終的に面倒を見た人ではない人)」の救済案であり、K案では「親の面倒を見ようともしない不埒者」で原則的には相続権のない者です。」
「詐欺的手法か?読解能力不足か?」って、今回も、「仮にK案が実施された場合の否同居者(最終的に面倒を見た人ではない人)」の救済案であり」と書いているでしょ。
相続されるような遺産を残す親に、送金(仕送り)をするようなケースが現実にどれほどあるかと問うているのです。
子どもから仕送りを受けなければならない状況にある親は、その多くが死んでも遺産を残すことはないと言っているのです。
一方、おカネが潤沢にある親は、子どもから仕送りを受けたいと思うどころか、子どもの住宅取得を援助したり孫におカネを費やしたりするパターンが多いのです。
不治の病で入院しても、個室で介護人を雇い、子どもたちには時々見舞いにきて欲しいと思う程度で、子どもに面倒を見させて負担をかけるのはイヤだと思うほうが多いでしょう。
子どもたちはたまに遊びにきてくれるだけでうれしいと思い遺産も相続させたいと考えている親(個人)の財産を、子どもたちが面倒を見なかったことを理由に政府が召し上げるのは筋違いと言えるでしょう。
親子の日常の関係性は、扶養義務の履行を除き、政府が介入できる事柄ではないのです。
政府が個人の生き方を基準に相続権を制限したり課税内容を決定できるようにしたいのなら、財産権や思想・信条の自由などについて憲法を修正する必要があります。
【考察者Kさん】
「現行制度では、なんら親孝行をしていなくても「課税されない」事を問題視しているのです。」
何度か書いていますが、財産権者(親=被相続人)が親孝行をしない子どもに財産を譲り渡したくなければ、そうすることもできるのです。
(生前に寄託して死ぬまではそこから生活に必要なおカネを受け取り、死んだら、残りはそこのものになるなど)
【考察者Kさん】
「【「ここを混同する事が「現在社会の問題点のひとつ」」って、何と何を混同し、どういう問題があるというのですか?】
という事ですが、小規模の企業では「店の売上をレジから直接持ち去って、経営者が使込む」ような混同があり、あっしらさんの「K案では中小企業などが倒産する可能性が高い」という主旨の主張は「このような、企業財産と私財の混同が現実としてあるから、という意識に根ざしている」という「間違っているかもしれませんが、Kの判断により書かれた【混同】です。」
個人商店主が「店の売上をレジから直接持ち去って、経営者が使込む」ことは、寸借であれば、店の仕入れ代金を経営者の財布から出すことと同じで何ら問題はありません。
個人事業主の場合は、現金管理や帳簿処理をきちんとするかどうかの問題です。
不正・不法な“使い込み”は、個人商店に限ったことではなく、上場大企業のみならず銀行でだって発生していることです。
【考察者Kさん】
「企業会計と私財の混同経理は「収支決算を不透明にし、税制面、職員給与面」などに色々な問題があり、実際には大きな黒字がある企業でも「経営者がパチンコに負けて、職員給与は不払い。税務署には使途不明金と調査される」というようなレアケース(なのかな?)も聞いています。
このような「企業の資産は経営者の個人財産」という意識が「現在社会の問題点のひとつ」との考えは間違っているのでしょうか?」
脱税や放漫経営は、財産権とは無関係ですし、「企業の資産は経営者の個人財産」という意識だからこそ、それを増やすために経営努力をし法人税も支払う零細中小企業もあります。
逆に、上場企業の役員や上級従業員は、“企業の資産が誰のものか不明瞭”という意識だから、なあなあで使ってしまうということもあります。
上場企業の上層にはけっこう役所の上級職員に近い意識がはびこっています。
書かれた内容は税務申告と税務調査の問題であり、「企業の資産は経営者の個人財産」という意識が「現在社会の問題点のひとつ」とまでは言えないでしょう。
(せいぜい、「企業の資産は経営者の個人財産」という意識がおかしなかたちで出た問題点というものです)
【考察者Kさん】
「【フラット税制であれば物品税(消費税ではない)に絞り込んだ課税がいいと考えています。】
あたりは、Kも前に主張しています。贅沢度合いによって決定される累進性のある物品税制には一つの方向と考えています。ただ、かなり複雑怪奇にならざるおえないでしょうから「販売する場所で対応可能か?納められた税金が適切に経理され納税されるかは問題」だろうと思っています。場合によっては「複雑怪奇な累進性が個人規模の商店などを廃業に追い込む可能性もゼロ」とは言えません。商店は「単純なカテゴリー販売(場合によってはレジによるカテゴリー化)に
走るかもしれません」
おそらくですが、相続税制を変更してプライマリーバランスの均衡をはかるほうが【すっきりするでしょう】
品目によって税率異なる物品税は実績がある制度です。
どこまでかという問題は残りますが生活必須品である未加工食材を非課税とすれば、ほとんどの品目が蔵出しベースで課税できますから、相続税を個人の生き方を基準にかけるよりずっとすっきりした徴税が可能です。
【考察者Kさん】
「グローバル経済と言うのは「公平・公正」という「透明で自由」が基礎になっています。簡単に言えば「あらゆる不正の排除」が前提と言う事です。これは”道徳的”であると言う事ですね。
それに【まずお目にかからない】からと言って「それは、間違いとの論証にはなり得ません」」
「グローバル経済と言うのは「公平・公正」という「透明で自由」が基礎になっています」って、グローバル経済は世界規模での経済活動の連関性を意味するもので、「公平・公正」や「透明で自由」は直接には無関係です。
また、「公平・公正」そのものの基準が千差万別なんですよ。
ある人は人頭税のようなフラット税制が「公平・公正」と考え、別の人は税引き後の可処分所得ができるだけ同じになるような累進税制が「公平・公正」と考えるといった具合に...
「透明で自由」って、グローバルに活動している代表であるヘッジファンドは、委託者・運用金額・運用対象・運用実績を公には秘匿できる存在です。
(寄託したメンバーにも運用実績だけを教える程度)
空虚な言葉でもっともらしく説明することで「あらゆる不正の排除」が可能なら、米国でも日本でも不正はあれほど行っていないでしょう。
グローバル経済を楯に米国や日本が貿易自由化を迫ることを“不公平・不公正”で“非道徳的”だと判断する人だって少なくないのです。
【考察者Kさん】
「現在の税制で考察してみても、資産家ひとりの海外流出は「庶民が数百人規模で流出したのと同じです。それだけの税収は減るのです。「日本の経済成長に影響しない」と断言するのは危険でしょう。あくまで、レベル問題です。生活の拠点問題によりあり得ないとは思いますが、仮に「年収3000万円以上の人が全て海外流出すれば、日本経済を左右します」また「プロ野球の人気低迷の一因には一部の選手の海外流出があるとも言われています」
認識が甘い可能性があるでしょう。」
要は、所得に対する累進課税を強化したときにどれだけの高額所得者が出て行くかどうかの問題です。
累進課税の強化で増えた税収と出国したことで減った税収の差し引きがプラスかマイナスかです。
「年収3000万円以上の人が全て海外流出すれば、日本経済を左右します」ということは認めますが、それでも国民の多数が安定的に生活する条件は揺らぎませんから、高額所得者が自分の実力を外国で試してみるのも悪くないでしょう。
金融資産からではなく勤労(給与)で高額を得ている人は、前回も書いたように、同じレベルの所得をよその国で得られる保証はなかなかないので国外に出る人は少ないでしょう。
(オーナー経営者はなおさら、大企業経営者もそのように言えます。それら以外で年収3000万円以上と言えば、医者・弁護士・公認会計士・芸能人・プロスポーツ選手そして金融ディーラーといった職種に属する人たちでしょう。そのなかでどれほどの人がよその国に行って現在と同じ水準の所得を確保できるかと考えると、あまりいないと言えます)
※ 「プロ野球の人気低迷の一因には一部の選手の海外流出があるとも言われています」については、米国に行って実力のレベルを試したい人やもっと稼ぎたいと思う人はどんどん行けばいいと思っていますよ。
【考察者Kさん】
「ここは問題なのですが、累進性のある。所得税でも物品税でも実施すれば「デフレの解消」になるのでしょうか?」
デフレの解消は、何度か書いていますが、利益を上げている優良企業が先行するかたちでの給与増額しかないと思っています。
所得税の累進性強化は、財政再建策として有効ですが、デフレの解消策としてそれほどの効果はありません。(逆に、少々のデフレ要因になります)
デフレの解消につながる所得税政策は、所得税の累進性強化を原資にした課税最低限所得の引き上げや所得控除の増額です。それにより低中所得者の可処分所得が増加することで、高額所得者の可処分所得減少によるデフレ要因を打ち消した上でインフレ要因になります。
(但し、この政策をほんとうに実効あるものにするためには、年金問題で生じている不安感を解消する必要があります)
【考察者Kさん】
「全体としての政府税収を「増やすのか減らすのか」も問題ですが、Kは「政府は企業が利益重視のために富の適正配分ができない部分の補正をする義務がある」と考えます。
その面で活用しなければ「政府は国土防衛と治安維持」にしか役に立たないので、無くても良い(支配者は特に日本人でなくても不満が無ければ良いし、現在アメリカの植民地となんら変わらない)。とも考えられます。」
消費税の「輸出免税」制度を輸出非課税にすることで、1兆円くらいの消費税増収(ただし法人税は4千億円ほど減るので差し引き6千億円)になります。
現状では、所得税の累進性強化よりも、法人税を引き上げる政策のほうが日本経済に与える打撃は大きいでしょう。
個人がよその国に移住してカネを稼ぐのはたいへんですが、既に国際優良企業して実績を持っている企業は日本に本社を置く必要はそれほどありません。
もちろん、日本に本社がなくても法人税の対象になりますが、海外投資利益の流入がなくなったり製造拠点が徐々に外国に移っていくことで、日本経済そのものや税収に大きな影響を及ぼします。
この種の問題は、諸国家が合意してグローバルな規制を掛けない限り、抜本的な対策はありません。(ワールドワイドに最低実効法人税率を設定するなど)