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(回答先: 最後の反論で論破を目指します。 投稿者 考察者K 日時 2005 年 10 月 13 日 23:21:52)
>まず、あっしらさんの主張は「支配階級は『なんとしてでも、既得権を維持しようと
>するので国家破産は無い』」と言う事だろうと思います。
支配層は、自分たちの不利益になる結果をもたらすことで回避できる方法があるのならそれを実行するし、既に実行もしていると説明しています。
「国家破産」は、支配層に、政治的権威の失墜という非経済的な不利益はともかく、銀行の破綻やそれを通じての多額預金者のペイオフ、さらには企業や証券投資家たちの損失といった数々の不利益をもたらすが故に回避されます。
(「国家破産」が支配層に利益をもたらすのなら、表立ってはやらないでしょうが巧妙に破産を仕組む可能があります)
金融資産も少ない低中所得者は、財政危機を楯に公的負担(税や社会保険料)の増加を押し付けられるより、不可避でも必然でもなくても「国家破産」してもらって政府債務をご破算にしてもらったほうがいいとも言えます。
(円建て債務のうちにいったんチャラにしたほうが国際的な差配を受けずに済むからいい)
>しかし、どんなマジックもタネが無ければ成立しません。例えば「郵政公社があり、
>干上がった池でも大量の資金を有していれば、水が流れ出る」と人々に思わせる。と
>いうトリックが成立し、350兆円の元金で1000兆円を超える借金すらも作れたのです。
「350兆円の元金で1000兆円を超える借金すらも作れた」という説明は、一概に否定するわけではありませんが、その仕組みを説明したほうがいいと思いますよ。
郵政資金は91年の135兆円から05年の340兆円と15年ほどで200兆円近くも増加しましたから、郵政資金が90年代・00年代の財政出動や財政赤字補填を大きく支えたことは事実です。
(90年代は郵政資金は大蔵省が運用していましたから、年平均14兆円ずつ増える郵政資金に利息を付けるためとにかく運用しなければならなかった(笑)。それは建前ですが、GDPと税収が落ち込むなかで景気対策に使えるお金が毎年14兆円も苦労することも目立つこともなく手に入ったわけです)
>が、そのタネを手放したからには「もう、そのトリックは通用しない」のです。
>Kが問題視するには「これ以上はサラ金すらもお金を貸してくれない人」がどんなト
>リックを使えば「更に借金を増やせるのか?」です。
国家の運営機関である政府と個人や企業を同じように考えるのは錯誤です。
それを財政問題を解消するために使うべきだとは思っていませんが、中央銀行よりも根源的な“通貨発行権限”を持つ政府は、必要な通貨は自分で発行すればいいのですから、借金をする必要なんかないのです。
(中央銀行は国家から通貨発行権を付与されている存在ですし、政府も硬貨は発行し続けています。コストが高い硬貨は発行利益が少ないからメリットが薄い)
これからも(外需が落ち込みGDPが落ち込めんだとき)、政府は、貸してくれる(貸せる)人がいなければ、必要最低限の財政赤字を補填するため、必要な通貨を中央銀行(日銀)に供給してもらうはずです。
また、郵政資金を手離したからといって、政府がそこから借金できないというわけではありません。
郵政を持ち続けても、貯金・保険料残高が減少している状況では郵政資金をあてにした財政運営はできません。
340兆円のほとんどは既に普通国債・財投国債・地方債・預託金として使われていますから、新たな借り入れに利用できるのは「新規貯金−払い戻し=純増分」だけで、今後しばらくはそれがゼロだと見込まれています。
そのような見通しであれば、郵貯が「郵便貯金銀行」になったほうが中央銀行との取り引きに制約がなくなり、財政運営の資金供給源として活用できると言えます。
(銀行が行っているように、保有公債を日銀に売却して新規公債の購入資金を調達することもできますし、金融市場を通じての資金調達もできます)
郵政公社の金融部門として維持するよりも民営化された普通の銀行になったほうが、財政運営面での“郵政資金”の活用度が高まるというのが実状なのです。
(民営化される「郵便貯金銀行」の役員は、利害衝突を避けるため民間金融会社からの登用はありませんから、旧大蔵省(財務省・金融庁)もしくは日銀の出身者が占めるはずです)
さらに言えば、民間金融機関が国債保有残高を積み増していることからわかるように、経常収支の黒字もあって増え続けている“余剰通貨”は国債で運用するしかないというのが日本経済の現状です。
(銀行は保有している国債を日銀に売却してもなお国債の保有を増やしています)
国債で運用するより貸し出しで運用したほうがいいという経済状況になれば、デフレが解消に向かい税収も増加するので、赤字国債の発行額は減少します。
そして、30兆円を超える日銀当座預金を使ってもなお貸し出しと国債消化のための資金が不足すれば、銀行が保有している国債を買い入れて供給することになります。
(国債利回りより低い金利で借りれるお金なら、銀行も利益を得るために国債を購入します)
政府紙幣の発行という“荒っぽい”手法を採らなくても、日銀とタイアップして対処すれば「国債サイクル」は維持できるのです。
>「破産したくて破産する人はいません、もうこれ以上は借金を増やせないから破産す
>るのです」
このような考えをしているから現実が見えないのです。
良心的な人はそうだと言えるでしょうが、これまでの債務をチャラにしたり雇用条件を有利にするためなどで、破産したくて破産する人もいるのです。
日本ではまだ破産=悪という意識が根強いようですが、徐々に米国と同じように破産は出直しの一方法となっていくはずです。
>「通貨発行権を有する国は破綻しない」という意見は「相当な事がなければ正しい」
>でしょう。しかし、限界はあります。『日本国の破産を決定するのは、必ずしも日本
>の支配階級ではなく、周りの国の目と言う場合もある』とKは思います。少なくとも、
>日本の円発行量が多すぎると「判断する人が一定ラインを超えればハイパーインフレ
>の危機はある」と思います。ただし、ここは物不足にならなければ「どんなに通貨過
>剰になってもインフレは来ない」という見方もある事は知っています。しかし、Kは
>「経済は人間心理だ」とも考えています。購買能力の限界はあるにしても一定数以上
>の人が「特定の製品の買いに集中」すれば「部分的インフレ」は成立します。
少し前にやり取りした内容(テーマ)なので繰り返しません。
周りの国の目ではなく、債務デフォルトが唯一の「国家破産」の指標です。
周りの国の目が指標なら、膨大な経常収支赤字と財政赤字を同時に続けている米国こそが「国家破産」の第一候補者と言えます。そのような米国は、ドルの大幅な減価以外に債務を完済する方法がありません。
ハイパーインフレは、円の発行量そのものが引き金になるわけではなく、財やサービス全般に対する需要金額が供給量の増加率をはるかに上回る率で増大することで起こるものです。
90年代中盤に起きたロシアのハイパーインフレにしても、歳入難で公務員や軍人の給与を支払うことができないために紙幣を発行してしのいだことが発端であり、それで生じたインフレに対応して公務員や軍人の給与を引き上げるためにさらに紙幣を発行するというかたちでハイパーインフレが続いたのです。
どんなに日銀券があろうとも、それが財やサービスの購入に向けられない限りインフレになることはありません。また、どんなにインフレになろうとも、実需に回る日銀券がさらに増え続けないのならインフレは収束します。
(おカネが不足している人が多数いれば、インフレが昂進しているときにおカネを増やさない政府は打倒対象になるので、後者は政治的に選択しづらい政策です)
「「特定の製品の買いに集中」すれば「部分的インフレ」は成立します」という馬鹿げた論理を持ち出さないほうがいいですよ。
インフレは財やサービス全般の価格変動を意味する概念です。
現在も石油製品の価格が上がっていますが、それをもって「部分的インフレ」とは言いませんし、可処分所得全体が増加していないのですから、石油製品の価格上昇分は他の商品の需要減(デフレ要因)につながっていきます。
>国家破産の主張は「増税の利敵行為だ」という意見は理解します。しかし、可能性が
>あるなら「対策を整えるべきでしょう」
>例えば「火事になる可能性は低い」にしても「火災保険に入ったほうが良い」という
>忠告をした人を詐欺師呼ばわりするのは正しいのでしょうか?
ひとの説明を曲げて書いたことはともかく、忠告した人(あなた)を詐欺師呼ばわりしてはいません。
ひとの説明を読み取って考えようともしないまま「国家破産」を煽る人を“政治的犯罪者”呼ばわりしたのです。
漫然としていればその可能性があるから、政府債務を積み上げた責任の一翼を担う財務省を中心とした国家行政機構は対策を実行しています。
庶民は、それを確認さえすれば政府債務残高や財政赤字補填におたおたする必要はなく、財政問題を抜きに経済政策・税制・年金制度・歳出内容などをあれこれ言えばいいのです。
庶民が「国家破産」といった不要の忠告をしたり不安を表に出せば、それをもっけの幸いとばかりに、公的負担の増加を迫ってくるだけです。
私自身は既に書いているように「均衡財政」を重んじる立場です。
財務省官僚は私に輪をかけた均衡財政派ですから、歳入増加を仕掛けてきます。
>最後に、庶民・労働者が目を覚まさなければ「現在の国家破産への確率は少しずつで
>も高まっていくでしょう」
>仮に結果的に「国家破産は起こらなかった」にしても、少しでも早く「小泉路線を終
>わらせるためには」一人でも多くの人が「小泉・自公路線は間違っている。このまま
>では国家破産もある」と考えるようになることが良いはずです。
小泉政権は、亀井静香氏などと違って、低中所得者中心に痛みを求めながら赤字財政を減少させようという立場なのですよ。
(赤字国債発行30兆円という公約を破って35兆円もの赤字国債を発行してきたのは、それでGDPの落ち込みを緩和したほうが財政にもプラスと財務省が判断したからです)
>金持ちは「既得権益を維持しようとして国家破産を避けようとはする」でしょう。し
>かし、いざとなれば「日本を見捨てて外国に逃げる」でしょうし、政治家は「増税か
>徳政令を行い、庶民にツケを回そうとする」でしょう。
金持ちが外国に逃げることを怯える必要はないし、徳政令も悪くはありません。
ツケは、とっくに庶民に回っていますよ。
ツケが回ってきても仕方がないと思う人が多いのは、「財政危機」だからね・・・ではないのですか?
>仮に「国家破産は理論的にない」にしても、「国家破産の心配を庶民に与えるような
>政治をした責任追及をする事」が正しい方向だと思います。
政府は、「財政危機」とは言っても、「国家破産」については可能性すら公言していません。
政府は、民間の勝手な「国家破産」騒動をバカなことを言っていると横目でみながら、「チャンス、チャンス、それなら、税金や社会保険料の追加負担も受け容れてもらえるだろう」と微笑んでいるのです。
しなくていい心配をして「痛みの伴う構造改革」を受け容れてもらえる「国家破産」扇動は、、否定しないで利用の対象なのです。
(「国家破産」を否定するためには手の内を明かさなければならないので、どのみち説得度の高い否定はしないでしょうが..。この間に手の内は実態として見えています)
“あんたの勝手な妄想でしょ”と切り捨てられる「国家破産の心配を庶民に与えるような政治をした責任追及をする事」ではなく、積み上げた政府債務や毎年の歳入不足のツケを庶民に回して困窮や不安に陥れている政府・与党の責任を問題にするほうが“正しい方向”だと思いますよ。
そのためには、「国家破産」は虚妄だと理解するひつようがあります。そうでなければ、国家が破綻してもいいのか!と恫喝されて腰砕けになる人も少なからず出てきますからね(笑)。