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□【SUNDAYウォッチ】日米同盟・耐震偽装・ポスト小泉・・・ [JANJAN]
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【SUNDAYウォッチ】日米同盟・耐震偽装・ポスト小泉・・・ 2006/05/08
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GWの先週は永田町も経済界もお休み。テレビニュースは「平塚の5遺体発見」をはじめとする「事件もの」が中心だった。「日曜ニュース特集」は日米同盟のような重いテーマをじっくり腰をすえて考える局が目についた。
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■報道2001(フジテレビ)
●東アジアの軍事的脅威
ゲスト:石破茂・元防衛庁長官/小池晃・共産党政策委員長/軍事評論家・岡部いさく/(インタビュー)アーミテージ前米国務副長官
「日米同盟は強化すべし」「新しい教科書支持」・・・番組のカラーがのっけから出た。米軍再編費用への3兆円負担に日本の世論は懐疑・批判的だ。だが番組では冒頭にアーミテージ前米国務副長官の「日米同盟はお金ではなく共通の価値や利益に基づく」との考えを恭しく紹介した。
米国が求める自衛隊の強化“Formidable Defense Forces(強力な自衛隊)”なる新語を、わざわざフリップ(ボード)を用いて強調した。在日米軍の再編も同様にフリップで説明したが、女性司会者が「座間には米軍と自衛隊が仲良く同居します」とまで持ち上げた。
一応体裁を整えるために共産党の小池晃・政策委員長もゲストとして招いているが、多勢に無勢の感があった。
MD(ミサイル・ディフェンス)については小池氏が「ピストルの弾を拳銃で撃ち落すようなもの」と言えば、石破元防衛庁長官が「数10パーセント台の確率で撃ち落せることが実験済み」と反論する。映像ではMDの威力をたっぷりと紹介するのである。
「米国に先制攻撃を仕掛けるような国が世界のどこにあるのか」と小池氏が問えば、「米国は日本を防衛することで危険にさらされている」とのアーミテージ氏のコメントで反撃する。
【電視解剖】
日米同盟へのリップサービスもここまでくると、サービスを通り越して「世論操作」に近くなる。紙やインターネットなどの媒体と違い、テレビの場合電波の割り当てがある。周波数域が限られているいからだ。反対意見(ここでは共産党)を封殺してまでオリジナリティーを出す。公共の電波の意味、価値を改めて考えさせる番組だった。
●後半は少子化問題
各党論客に加え、全国屈指の少子高齢化県、鳥取県の片山善博知事らが議論した。
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番組評価
ゲスト:★★
MC回し:★★
映像と演出:★★
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■関口宏のサンデーモーニング(TBS)
●平塚の5遺体発見
千鶴子容疑者の半生を辿り、近所のインタビューなども交えて長々と扱った。ワイドショー映像の再編集だ。「サンデーモーニング」といえどもGWでネタ薄だなと思っていたら、次のコーナーはさすがに面目を施した。
●日米同盟
【電視解剖】
冒頭に在日米軍施設35カ所を巨大なパネルで示した。2枚目の巨大パネルでは軍用空域を示した。
一目で日本全土が米軍の基地となっていることがわかる。米国の世界戦略の1パーツなのだ。このコーナーのテーマだ。
続いて51年の安保調印から03年のイラク特措法までをズラリと列挙した。半世紀にわたって同盟関係を支えてきた条約と法律だ。
3兆円の負担についてのやりとりはふるっていた。
田中秀征(政治評論家)が「60年安保の時のような反対運動の盛り上がりがない」とコメントすれば、関口宏は「今、野党の存在感がないですからね」。定年前後のお父さん世代は共感するのではないだろうか。
浅井信雄氏(国際政治学者・元読売新聞記者)の正論は光った。「透明にしないと、近隣諸国に(『軍事費を透明にしろ』と)言えない」。中国脅威の根拠となる軍事費膨張を批判するのなら、日米も3兆円の内訳をクリアにする必要がある、というのだ。
●続いて、ラムズフエルド米国防長官講演会で批判と抗議にさらされる。
●この後、大沢親分と張本の「スポーツご意見番」
日米両政府に喝−っ!の声が聞こえてきそうだった。
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番組評価
ゲスト:★★★
MC回し:★★★
映像と演出:★★★★
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■徳光のザ・サンデー(日本テレビ)
●ゴールデンウィークで行楽地も海外旅行も賑わう
●平塚の5遺体発見
●小泉首相外遊
●ブッシュ米大統領のそっくりさん
●在日米軍再編、日本の巨額負担
●きょうの徳光語録
「行楽地も海外も最大の人出。人出は増えているけど子供は減っている」
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番組評価
ゲスト:★
MC回し:★
映像と演出:★
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■日曜討論(NHK)
●米軍再編最終報告
額賀防衛庁長官
7日から再開される国会で新たな焦点となる、在日米軍再編の日本負担について額賀防衛庁長官に聞いた。
(3兆円という巨額負担に)国民の理解は得られるか、との問いに長官は以下のように答えた―
日本の繁栄の軸が日米同盟。海兵隊の移転を早めにスムーズにやるためには負担は止むを得ない。増税は今のところない。
米軍との一体化が進めば、自衛隊の活動範囲を踏み出すのではないか、との問いには「法律の枠組みで行う」と答えた。当然だ。「憲法9条、自衛隊法を改正する。」などと答えられるはずがない。
●後半は医療制度改革法案を討論した
ゲスト:丹羽雄哉(自民)、福島豊(公明)、仙石由人(民主)、小池晃(共産)、阿部知子(社民)
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番組評価
ゲスト:★★
MC回し:★★
映像と演出:★
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■サンデープロジェクト(テレビ朝日)
●耐震偽装
先々週、姉歯元建築士ら8人が逮捕されたが、本命と目されているヒューザー小嶋社長、総研内川所長は未だ身柄を拘束されていない。内川総研所長に田原が迫った。内川所長は弁護士を伴ってインタビューに応じた。
内川所長は「姉歯も小嶋も名前すら知らなかった」と話し、相変わらず事件とは無関係の姿勢を貫いた。
総研の社員20人のうち10人が警視庁による事情聴取を受けたという。どんなことを聴かれたのかを田原が問うた。弁護士が答えた。「核心について聴かれた人はいない」。田原「別件ですね」。
この後、田原は立て続けに追及材料を繰り出した。
サンホテル奈良の事業管理者が「内川所長」になっている。それを示した木村建設の書類を田原は突きつけた。「内川さんの署名もありますよ」。事業管理者だと建築基準法の法的責任が問われる。これは内川所長にとって修羅場だ。
「書類は偽造です」と内川氏。耐震偽装の核心にいる同所長が「偽装」だといい逃れた。お笑い番組に使いたい位、気の利いたギャグだった。
【電視解剖】
次にサンホテル奈良のオープニング・セレモニー。姉歯もヒューザーも木村建設も偽装を知った後で行われたセレモニーだ。しかも10日も前倒しされた。セレモニーの2日後に、ホテル側は総研に代金を払っている。このタイム・ラインを突きつけられると内川所長は「顔は写さないで下さい。声だけ録って下さい」と注文をつけた。
テレビの威力を知って顔を出したがるのが政治家なら、テレビの威力を知り顔を隠したがるのが「悪人」か。
「写さないで下さい」と言われてホントに写さなかったら、そんなカメラマンは明日から業界を去らなくてはならない。『サンプロ』のスタッフは3台も4台もカメラを持ち込んでいて、内川氏の気色ばむ顔をしっかり撮った。オンエア後、弁護士から抗議が来ることは必定だ。
●ポスト小泉
〜応援団が激論〜
ゲスト:世耕弘成議員(森派・安倍支持)、山本拓議員(森派・福田支持)、中谷元議員(谷垣支持)、岩屋毅議員(麻生支持)
焦点のひとつ「靖国参拝」について、先ず田原が水を向けた。世耕氏が「安倍さんは行く」。中谷議員と山本議員は「谷垣さん、福田さんは行かない」。岩屋議員(麻生支持)は、明確な回答を避けた。
大宏池会(谷垣・麻生)が津島派と組んで福田さんを推す、というシナリオがある。人気ナンバーワンの安倍さんといえども破れる。
鍵を握るのが谷垣さん、麻生さんの動向だ。谷垣支持の中谷議員、麻生支持の岩屋議員を田原がしきりと挑発した。
『サンプロ』ならではの面白さだが、中谷、岩屋両議員とも大人しいキャラなので「黙秘」を通した。煮え切らなさが残ったコーナーだった。残念。
●共謀罪、米軍再編
〜各党論客徹底討論〜
ゲスト:逢沢一郎(自民)、高木陽介(公明)、枝野幸男(民主)、小池晃(共産)、辻元清美(社民)
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番組評価
ゲスト:★★★★★
MC回し:★★★★
映像と演出:★★★★
(竹谷昇)