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□【SUNDAYウォッチ】竹島、女子中学生殺人ほか|JANJAN
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【SUNDAYウォッチ】竹島、女子中学生殺人ほか 2006/04/24
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先週は「竹島問題」「女子中学生殺人事件」「耐震偽装、事情聴取」などとりどりの事件がテレビニュースを飾った。このうち「耐震偽装」は実は大事件ではなくなる可能性が出てきた。「日曜ニュース特集」の中には、そんな見解を示す番組もあった。
■報道2001(フジテレビ)
●小泉政権5年間の功罪
ゲスト:与野党政調会長
中川秀直(自民)/井上義久(公明)/松本剛明(民主)/小池晃(共産)
放送当日はおりしも衆院千葉7区補選の投票日だった。小泉政権最後の国政レベル選挙である。「政権5年間の功罪」というのは有権者の大きな関心事だ。タイムリーといえばタイムリーだった。だが番組内容は各党のホームページで述べているような公式見解の羅列だった。
・先ず、景気―
景気がよくなっていると実感するかを聞いたフジテレビ世論調査に74.6%がノーと答えた。中川氏(自民)は、年内には、実感できるようになる、と自信を示した。小池氏は、徹底的なリストラの結果、大企業だけが業績を回復しただけ、と反論した。
松本氏(民主)は、小泉政権5年間で(年金保険料など)負担だけが増えた、と指摘した。小池氏が「負担は増えたが恩恵はない」
・行政改革
井上氏(公明)は、道路公団民営化は小泉政権だからできた、と自讃した。野党は口を揃えて、高速道路は結局全部作るではないか、と否定した。「天下り、随意契約など無駄使いは温存されている」と。
中川氏(自民)が切り返す。「公務員削減に野党は切り込めますか?」
ここを突かれると労働組合を抱えている民主党はグーの音も出ない。
泥仕合のような討論番組だったが、皮肉な言い方をすれば千葉7区の有権者には、誰に投票するかを決める参考情報くらいにはなっただろうか。いや逆に政党不信を助長しただけだったかもしれない。
●後半は―
町村信孝(前外相)、中西輝正(京都大学教授)、山口二郎(北海道大学教授)が教育基本法などを語り合った。
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番組評価
ゲスト:★★
MC回し:★★
映像と演出:★
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■関口宏のサンデーモーニング(TBS)
●トップは岐阜県の女子中学生殺人事件
VTRは2分位で決してセンセーショナルには扱わなかった。ゲスト・コメンテーターに元少年鑑別所教務官のジャーナリストを呼んだのはさすがだった。
元教務官は「大人がもっと目配りするべき」「(報道では加害少年は)『普通の子だった』と言っているが、普通の子供は人殺しなんかしない」と苦言を呈した。
●竹島問題
問題を映像でうまくまとめた。映像構成は―
・竹島は全部で東京ドーム5個分の広さしかない。
・日韓両国の主張の拠り所を古文書で紹介
・GHQによる戦後処理
・李承晩ライン制定のいきさつ
・韓国の教科書
・島根県が去年制定した「竹島の日」
・反日暴動に発展
・今に至る
レギュラー評論家陣は「国際機関の裁定に任せるしかない」「領土問題はナショナリスズムが結びつく」「靖国で刺激している」などとコメントした。映像は説得力があったが、評論家諸氏のコメントは「耳タコ」なくらい出回っている言葉だった。
この後
●耐震偽装
●米中首脳会談
●大沢&張本のスポーツご意見番
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番組評価
ゲスト:★★★★
MC回し:★★★
映像と演出:★★★
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■徳光のザ・サンデー(日本テレビ)
●トップは岐阜県の女子中学生殺人事件
VTRは5分近く。「二人の間に何があったのか」とのナレーション。
スタジオに降りるや、徳さんは「今日は強いジャイアンツ、まけない負けないジャイアンツで終始したかったのですが、(世間は)そうはいきませんでした」と切り出したのだ。筆者も予感していたとはいえ、このオープニング・コメントには驚いた。
何度も指摘しているが、徳さんの頭の中はジャイアンツというか、世の中がジャイアンツなのだ。普通の番組だったら、MC(メインキャスター)が少女殺しとジャイアンツを同列に扱ったりしたら、視聴者から苦情が殺到する。
しかし徳さんの番組はいつもこの調子だ。苦情はほとんどこないのだ。視聴者層はやはり熱狂的なジャイアンツファンなのだろう。これも報道番組なのだろうか。筆者もいつもと同じ評価コメントだ。JANJAN読者の皆様には申し訳なく思う。徳さんと日テレには芸域を広げて頂くことを願う次第だ。
この後、
●耐震偽装
●新庄引退宣言
●元木&江川のスポーツ
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番組評価
ゲスト:
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■日曜討論(NHK)
●日韓関係
ゲスト:森本敏(拓殖大学教授)、岡本行夫(元首相補佐官)
竹島領有をめぐる両国のにらみあいは、韓国側による海上保安庁調査船の拿捕の可能性もあるところまで緊張が高まっていたが、衝突という最悪の事態は回避された。日韓の韓国が6月の国際会議で新地名の提案を行わない、一方で日本は測量をしないということで日韓が合意した。
安全保障の実務に携わっていたエキスパート2人が顔を合わせた。竹島は歴史的にも国際法上も日本の領土なのだから、「国際司法裁判所に提訴するということを(日本政府は)言い続けるべきだ」と岡本元首相補佐官。
森本教授は「国際司法裁判所(ICJ)の過去の判例を見ると実行支配している方(今回のケースでは韓国)が強い」と見る。
領土問題はナショナリズムに火がつきこじれる。日韓関係は「大きな枠組み」で捉える必要があるということで森本・岡本両氏の見解は一致した。それは―
フランスとドイツは(第2次世界大戦後)なかなか和解できなかった。加害者のドイツ、被害者のフランスという抜きがたい立場があった。だが、欧州石炭共同体はEC、そして現在のEUになっていった。何が両国の国益なのかを大きな枠組みに立って考えれば、領土問題も解決できる、と言うのだ。
●後半はイラン核開発問題について議論した。ゲストは、岡本・森本両氏に日本エネルギー経済研究所センター長の田中浩一郎氏が加わった。
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■サンデープロジェクト(テレビ朝日)
●耐震偽装問題
ゲスト:魚住昭(ジャーナリスト)、神田順(東大大学院教授・構造計算)
耐震偽装問題の捜査が大詰めを迎えている。警視庁は今週中にも立件に踏み切る方針だ。だが逮捕容疑が皆ヘンなのだ。本件を固めるための「別件」の線も見えてこない。田原総一朗氏がフリップ(ボード)を出して、関係者の容疑を示した。
・姉歯元建築士=名義貸し
・木村建設=粉飾決算
・イーホームズ=架空増資
なぜ、耐震偽装とは関係のない容疑なのかを田原は問うた。
魚住氏によれば、事件の構図がだんだん分かってきたからだ、という。警察もマスコミも初めは分からなかった。国交省も含めて皆、構造計算に無知だったのだ、と解説する。
神田教授によれば、構造計算の方法は4つある。ある計算方法だと耐震強度が0.5しかないのが、別の計算だと0.8となる。計算が難しくなり過ぎていて、大学院の構造計算専攻でなければ分からない所まで複雑になっている、という。
住民は退去する必要はなかったのだが、0.5未満という数字を見て国交省が大慌てした、と魚住氏は明かす。神田教授が「国交省が無知。責任回避した」と追い討ちをかけた。
魚住氏によればヒューザーの小嶋社長は「けしからん罪」にあたるのだという。神田教授は「(国交省は)現状を調べて情報公開すべき」と結んだ。
【電視解剖】
姉歯、木村建設、ヒューザー、総研は皆インチキをやっていたことは事実だ。庶民感情としては許し難い。だが、「天下の大罪人」(田原氏の表現)であったのかは、ここにきて根拠が薄れてきた。あの大騒ぎは何だったのだろうか。
魚住昭氏は事件取材にはめっぽう強い。それも巨悪事件に。魚住氏は随所でニガ笑いしながら解説していた。『こりゃ♪チャンチャン♪だな』と思っている魚住氏の心中が、伺えた。
大きく取りあげて煽り立てたのはマスコミ、とりわけテレビではなかったか。ベランダの手すりがグラグラする映像を放送していた番組もあったが、それは設計の段階の「構造」とは無関係だ。単なる施工の問題である。
業者に責任をなすりつける国交省が巨悪なら、テレビメディアは超悪である。最も鋭くビューザーなどの業者を責め立てたのは、他ならぬ『サンプロ』田原氏だった。国交省は大騒ぎしたマスコミをどう鎮めるかで頭を悩ませているという。
●対アジア外交と日米関係
ゲスト:手嶋龍一・外交ジャーナリスト/宮沢喜一・元首相
日米外交を知り尽くした二人に田原氏が話を聞いた。マスコミが伝えきれていない大舞台の裏側に迫った。
手嶋氏によれば、先週の胡錦涛・中国国家主席の訪中、米中首脳会談は台湾問題にあった。台湾独立を支持しないというブッシュ大統領の姿勢に胡主席は敬意を示した、という。中国は取りたい果実は取った。したたかな外交だ、と手嶋氏は見る。
ブッシュ大統領が「日韓・日中が良くなれば米国にとっても有益」と発言(10日)した。宮沢元首相は「ウラを読めばブッシュさんは『中国・韓国と対話しろ』と言っている」と分析する。手嶋氏がこれを受け、米国はイラクで手一杯で北東アジアまで手が回らないからだ、と解説した。
小泉政権やその周辺は「日米関係は今が最も良好」といっているが、手嶋氏は今が一番空洞化している、と明かす。米政府高官は、日本のことを「背骨のないクラゲのような国だ」と話し、日本とは外交を語りたくないのだという。加藤駐米大使はゼーリック米国務副長官と2度しか会えていないそうだ。
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番組評価
ゲスト:★★★★
MC回し:★★★
映像と演出:★★★
(竹谷昇)