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“小泉政権5年間”とは「巧言令色」政治の5年間;聞くに堪えないほどのマスコミのゴマスリ大合唱に物申す(森田実)
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投稿者 heart 日時 2006 年 4 月 07 日 22:30:51: QS3iy8SiOaheU
 

2006.4.7(その2)
森田実の言わねばならぬ[22]

“小泉政権5年間”とは何だったのか。「巧言令色」政治の5年間だったのではないのか。聞くに堪えないほどのマスコミのゴマスリ大合唱に物申す。マスコミよ、偽善はもうやめよう!

「巧言令色鮮し仁」(孔子)
[ことばを巧みに操り、表情をよくして飾るものには、仁はほとんどない(『成語大字苑』)]
[『仁』とは、いつくしみ。思いやり。特に、孔子が提唱した道徳観念。礼にもとづく自己抑制と他者への思いやり(『広辞苑』)]

 小泉内閣の本質を一言でいえば「巧言令色鮮し仁」ということになる――これが私の見方である。小泉政治とは「ブッシュ政権のための、ブッシュ政権にコントロールされた従米政治」であると私は断定する。
 小泉政権はマスコミも支配している。マスコミは小泉政権をほめそやしている。国民の高い支持率は、この結果にすぎない。テレビや新聞では、政治家や記者が、聞くに堪えない小泉首相へのゴマスリ“追従”発言を繰り返している。

 4月5日夜、小泉政権が5年もつづいた原因について、外国通信社から意見を求められて、私はこう答えた。
 第一は、小泉首相が独立国の首相であることを自ら放棄し、米ブッシュ政権の傀儡政権になったこと。このことによって、日米両国政府間の摩擦はなくなった。小泉政権は強大なブッシュ政権の庇護のもとにおかれた。これが長期安定政権の第一の背景である。
 第二は、小泉政権がマスコミを握り、支配し、小泉政権の広報機関として使ったこと。
 1970年代までは日本のマスコミは、政治権力に対する批判精神をもっていたが、80年代以後マスコミは権力の側に移り批判しなくなった。
 90年代を通じてマスコミは政治権力と一体化した。
 21世紀に入ってマスコミは政治権力の走狗となった。
 小泉政権下における日本のマスコミは政治権力の手先、政治権力の広報機関の役割を担うことになった。小泉首相への批判情報はマスコミから消えた。批判的言論人は大新聞、マスコミから一掃された。小泉首相がマスコミを従えたことが高い支持率を生み出した最大の原因である。マスコミは世論調査で高い支持率をるくり出し、その上で自らが出した高支持率の数字を絶対化し、そして小泉政権を独裁化した。
 第三は、政界における批判勢力不在である。民主党は人気の高い小泉政権と対決するのではなく、自民党内の反小泉勢力(抵抗勢力)を小泉首相と一緒になって叩くという準与党の立場をとった。民主党の小泉政権へのすり寄りによって、日本の政治において事実上の大政翼賛体制が形成された。民主党の与党化が小泉政権を支えた。鳩山、菅、岡田、前原の各代表は事実上、小泉政権の協力者だった。
 繰り返す。世界の王者となった米国ブッシュ政権への徹底的従属、米国政府と日本政府による日本のマスコミ支配、そして民主党を含む大政翼賛体制の形成――これが小泉長期政権の三大原因である。

 この底に日本のマスコミの道徳的頽廃がある。日本のマスコミは「巧言令色」が好きである。その上、マスコミ自体が「巧言令色」的体質になってしまっている。国民的にも「巧言令色」が好まれる風潮が蔓延している。小泉氏のような巧言令色型政治家が長期に政権の座につくことができた背景である。これは、まことに残念なことだが、マスコミの道徳的劣化によってつくられたのである。

 この状況は異常である。国民、マスコミ、政治家がこの異常に気づき、この根本を正す努力を始めなければならない。道徳的頽廃が国民的に蔓延すれば、日本民族の未来は危うくなる。
 小泉「巧言令色」政治の克服は、日本民族の道徳復興のためにも必要なことである。  
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C02572.HTML

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