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□【SUNDAYウォッチ】在日米軍基地問題 [JANJAN]
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【SUNDAYウォッチ】在日米軍基地問題 2006/03/27
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先週は民主党・永田議員のメール問題に関する衆院懲罰委員会が、テレビ報道を賑わした。昨日の日曜ニュース特集は、在日米軍普天間飛行場の移設問題が大詰めとあって、「基地問題」を熱く討論した。
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■報道2001(フジテレビ)
●在日米軍再編問題
「日本は米軍の世界戦略にどこまでおつきあいしなければならないのですか?」のナレーションで番組は始まった。
ゲスト:西部邁、/山崎拓・自民党安全保障調査会会長
放送当日(26日)は、普天間飛行場の移設をめぐって島袋・名護市長と額賀防衛庁長官の協議が大詰めを迎えていた。先ず普天間の移設問題。
山崎氏は「計画の実施が可能なところに移そう。今日中にでも決着したい」と本音をのぞかせた。在日米軍再編協議の「最終報告」の期限が今月末に迫っている。
続いて沖縄駐留海兵隊のグアムへの移転問題に移った。米政府が移転費用のうち75%分もの負担を日本に求めており、野党はもとより与党内にも反対意見がある。
日本負担に関する世論調査の数字を、司会者がボードで示した。「71.6%がノー」とある。
西部氏は「米国の信頼が揺らいできている時に日本がなぜ(米国)についてゆくのか不愉快極まりない」としきりに首をひねった。国民感情を代弁するコメントだった。
西部氏は「米の51番目の州になるのか米とけんかするのか、という二者択一ではなく、欧州のようにどう距離を置くかということが大事だ」と続けた。知識人らしい見解だった。
【電視解剖】
西部氏は上記のコメントの後一気に踏み込んだ―「侵略的ならざる国は核武装する資格がある」。この番組でなくてはスタジオで言える発言ではない。
一方、レギュラーコメンテーターで日米安保堅持派の竹村健一氏も自説を展開した―「中国が日本に覆い被さっている。もし米軍の存在がなかったらどうなるか……」。
ちょっと待てよ。「中国」を「ソ連」と置き換えれば竹村先生は確か25年前にも全く同じことを言っていた。この人は米国の回し者なのか、それとも25年前から脳が進化していないのか。こういう評論家がレギュラーコメンテーターとして君臨できるのも、フジサンケイグループの特徴といえば特徴だ。
西部氏、竹村氏がまくしたて、山崎氏は全くかすんでしまった番組だった。
●第2部
新学期を前に「教育論」について小坂憲次・文部科学相や「脳内汚染」の著者、岡田尊司氏らが意見を交わした。
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番組評価
ゲスト:★★
MC回し:★★
映像と演出:★★
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■関口宏のサンデーモーニング(TBS)
●トップ項目は「永田議員メール問題」
24日の衆院懲罰委員会をVTRで振り返った。スタジオに降りると、司会の関口宏が「永田さんという人は『言語明瞭意味不明』ですね」。レギュラー評論家陣からは厳しい批評が続いた。
評論家陣のコメントは要約すると―(1)民主党は政権担当能力以前の問題、(2)永田議員は人間として欠けている。それに振り回されているのは民主党、(3)永田議員の言っていることは、理屈はわかるが心に響かない。
JR新橋駅前でサラリーマンにインタビューしてもほぼ同じような答えが返ってくるだろう。民主党に対する国民の怒りを代弁するような評論家陣のコメントだった。
●続いて朝鮮総連傘下組織への強制捜査
原敕晁さん拉致から26年経って、警察が強制捜査に踏み切った背景を探った。「米、日の対北朝鮮政策の変更」が基本にあることをボードで分かり易く解説した。
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番組評価
ゲスト:★★★(ただしレギュラー)
MC回し:★★★★
映像と演出:★★★
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■徳光のザ・サンデー(日本テレビ)
「王ジャパン」優勝祝賀一色といってもよい番組だった。
司会の徳光がのっけから「熱狂ぶりは(昭和30年代の)街頭テレビを思い出した」と切り出した。間髪を入れずに画面は、空手チョップを振り回して米国人レスラーをやっつける力道山の白黒フィルムに切り替わる。徳光は「米国に勝つことはジャイアンツを創設した正力さんの悲願だった」と続け、ジャイアンツ信者ぶりをいかんなく発揮するのだった。
上記は文字通り序の口、イントロだった。「これぞ徳光、これぞ日テレ」他局では絶対マネできない作りだ。
構成は以下―準決勝、決勝で勝敗の分かれ目となった場面をひとつひとつ振り返った。ジャパンの鹿取コーチに一場面ごとに王采配の意味を徳光が聞き出す。質問がまたマニアックだった。鹿取コーチは巨人出身なので、舞台裏をはばかることなく徳光に明かした。
【電視解剖】
映像はWBC決勝戦の視聴率へと移った。局と番組スタッフの真の狙いである。王監督胴上げ時の最大瞬間視聴率は56%、平均視聴率は43・3%だったという。
さらに映像は25日に開幕したパリーグに移る。WBCの影響でパリーグは全試合満席だった(ホントか?)、と華々しいナレーションが流れた。プロ野球人気、ジャイアンツ人気低迷で頭を抱える日テレが待ち望む復活のシナリオなのだろう。
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番組評価
ゲスト:★★★
MC回し:★★
映像と演出:★★★
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■日曜討論(NHK)
日米関係が「在日米軍再編」「米産牛肉輸入問題」など難問を抱える中、シーファー駐日米大使がスタジオ生出演した。
シーファー大使の発言は以下(要点のみ)―
・地元合意が得られなくても政府間合意を優先するのか、の問いには「我々は国を相手に交渉している」
・移転費用の日本負担―「移転は日本側の要請なのだから日本が負担したほうがよい」
・ポスト小泉―「いずれも日米同盟を支持されている方々。次期総理も我々の友人になるものと確信している」
・イラク撤退―「イラク軍が現地を守れるようになったら」
・米産牛肉輸入再開―「安全が得られている。(再開の)合意は取り付けられている」
【電視解剖】
・現職の駐日米大使をスタジオ生出演させることができるのは、一国を代表する放送局の強みだ。6月の日米首脳会談までにこれらの案件を解決できるか、との問いに大使は「日本政府が解決できると思ったらできる」と答えた。日本政府は米国の言いつけどおりに聞く。そんな傲岸な自信を暗にのぞかせていた。
言外にこぼれる本音は生出演ならではのものだ。「日本はしょせん属国さ」という米国の本音が、画面からそこはかとなく伝わった。
●この後、与野党の外交問題担当者が「日米同盟」について議論した。
ゲスト:町村信孝(前外務大臣)/佐藤茂樹(公明)/長島昭久(民主)/笠井亮(共産)/辻元清美(社民)
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番組評価
ゲスト:★★★★
MC回し:★★
映像と演出:★
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■サンデープロジェクト(テレビ朝日)
●どうなる民主党〜永田議員メール問題〜
司会の田原総一朗は、冒頭から「もうバカバカしくって話にならない。永田ってのは相当に頭がおかしいね」と切り出した。この日の番組で田原が問題にしたのは、永田議員が「自分はだまされた」と言っていることに対してだった。
『サンプロ』がニセ情報をつかまされて、それを番組にしたら100%『サンプロ』の責任である、と田原は言うのである。確かに口は悪いが言っていることは至極当然の世間常識だ。
ゲストコメンテーターも永田氏の辞職を迫ったが、ゲストの仙石由人・民主党幹事長代理は防戦一方だった。民主党は無政府状態との新聞報道もあったが、やはり本当なのだろう。
●在日米軍再編
ゲスト:石破・元防衛庁長官/森本敏・拓殖大教授/下地幹郎・衆院議員(沖縄1区)
折りしも島袋・名護市長と額賀・防衛庁長官が普天間飛行場の移設問題について会談が始まった時刻。同時進行で行われたリアルタイムの議論だ。
基地問題とりわけ普天間の移設問題を知り尽くした3人の意見は、現在計画中の場所からわずか50メートル沖に出して、滑走路の角度を変えるということで一致している。
地元選出の下地議員によれば、計画から10年経っても着工していない理由は次のようになる―(1)環境団体の強い反対、(2)東京の都合で振り回された、(3)経世会の利権が絡み柔軟な対応ができなかった。
元ワシントン駐在武官(防衛官)で、外務省安全保障対策室長も勤めたことのある森本教授によれば、米軍の関心は普天間ではなくグアムへの移転費だという。同教授はさらに米側が日本に求めている費用負担の金額9000億円には「多分にふっかけがある」と指摘した。
最後に下地議員が「沖縄の人から言うと金はいくらかかってもいいから(グアムに)移転してほしいんです」と訴えた。
【電視解剖】
各政党の代表に人畜無害の討論をさせる日曜討論(NHK)と違って、下地議員のような当事者を招いて実情を聞き出すのが『サンプロ』の強みだ。森本教授は田原とボードの下絵を一緒に考える間柄だ。辺野古沖のボードは磁石を使って基地を動かせるようになっており、どこをどうすればどうなるのかが良くわかった。「この辺にはジュゴンがいるので、環境団体の反対が強い」との説明は実に説得力があった。
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番組評価
ゲスト:★★★★
MC回し:★★★
映像と演出:★★★★
(竹谷昇)