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□【SUNDAYウォッチ】USEN ライブドア株取得 [JANJAN]
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【SUNDAYウォッチ】USEN ライブドア株取得 2006/03/20
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先週は、USEN宇野社長によるライブドア株取得がテレビ報道を賑わした。ライブドアの余韻はやはり大きい。「日曜ニュース特集」は、USENとポスト小泉の焦点となる「対アジア外交」にスポットが当たった。
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■報道2001(フジテレビ)
〜中国が大変だスペシャル〜
扶桑社の「新しい歴史教科書」を支持するこの番組らしいテーマと切り口だった。
イントロの映像は「反日デモ、農村暴動、公害、東シナ海のガス田…」と中国の負の部分を強調した。
第1部
ゲスト:二階俊博・経済産業相
二階氏は政界きっての親中派で、先月訪中したばかり。小泉総理もAPECで会えなかった温家宝首相とも会談した。
●東シナ海のガス田開発
二階氏は外務省、経済産業省の当局者にうながされて訪中したことと、中国人脈を強調した。
ガス田をめぐる外交交渉の内容については「落着するまでは言えない」とのことだった。
麻生外相の対中強硬発言をめぐって意見を求められると「外務大臣は慎重にならなければならない。(それでも)強硬にやりたいんだったら『どうぞ』と言うしかない」と突き放した。
●靖国問題
李肇星外相、温家宝首相による小泉首相、麻生外相への厳しい発言が相次いでいる。
ポスト小泉はこれ(靖国参拝)を変えるべきか、との司会者の問いには「そんなこと聞かなくても分かっているじゃないですか」「『政が冷めると経も冷める』と危惧する財界人もいる」と答えた。親中派らしく対中強硬路線を批判した。
当然二階氏は、中国に批判的なこの番組のスタンスを知っている。けんか腰とまではいかないが、司会者との突っ張ったやりとりが印象に残った。
●第2部
ゲストは、永田町きっての中国通、加藤紘一・元自民党幹事長/高市早苗・衆院議員/チャイニーズドラゴン新聞社編集主幹・孔健氏/独立総研・青山繁晴社長。
オープニングは、発禁でありながらベストセラーになっている『中国農民調査』の著者へのインタビュー映像。テーマは農民暴動、軍拡問題、環境汚染など。中国人ジャ−ナリスト、親中派、嫌中派が入り乱れて丁々発止とやりあった。
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番組評価
ゲスト:★★★
MC回し:★★
映像と演出:★★★
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■関口宏のサンデーモーニング(TBS)
●こちらは、実力者の韓国訪問をトップ項目に持ってきた。ポスト小泉が焦点となるなか、やはり対アジア外交は視聴者の関心も高いということだろうか。福田元官房長官、中曽根元首相訪韓の映像が紹介された。
岸井成格・毎日新聞編集委員によれば、予算のメドもついたのでポスト小泉が本格化してきた。総裁選の焦点が対アジア外交になっている。
【電視解剖】
司会の関口宏が「総理を決めるのに外国に(ご機嫌伺いに)行くというのも変でしょう?」と突っ込んだ。準レギュラーコメンテーターの寺島実郎氏は「(日本は)アジアで生きていかなきゃいけないのに、関係をグチャグチャにしている。ポスト小泉はこれをどう立て直すか」。突っ込みどころと押さえどころを知り尽くした掛け合いだ。目立たないが、(長寿)番組の隠し味となって、一週間仕事でくたびれたお父さんを納得させる。
この後
●USEN宇野社長のライブドア株買取り
●取材源秘匿判決
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番組評価
ゲスト:レギュラー
MC回し:★★★★
映像と演出★★★
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■徳光のザ・サンデー(日本テレビ)
・皇太子一家のディズニーランド訪問
・ライブドア幹部の保釈
・USEN宇野社長によるライブドア株買取りなど一週間の動きを映像でサッと振り返った
●オウム真理教の今、特集
●山口県の母子殺害事件〜
最高裁での口頭弁論に被告の弁護士が欠席した。弁護士は死刑反対論者で鳴る。番組コメンテーターの弁護士は欠席戦術を批判した。
ここまではワイドショー風のラインアップだった。次の項目は、さすが徳光の番組だった。どんな「スポーツ番組」より野球を詳しくとりあげた特集だ。実に30分余り。
それは―
●ワールド・ベースボール・クラシック。放送日の19日は、おりしも準決勝「日本―韓国戦」だ。
【電視解剖】
映像は圧巻だった。これまでの試合を一試合ごとにていねいに振り返った→イチローの初蔵出しインタビュー→韓国野球熱の実情ルポ→清原、高橋由伸、元木(元巨人)、江川による韓国チーム分析……。
スタジオに降りると、韓国戦に勝つための秘策まで練った。
日曜朝から笑いがあるのは、結構なことだ。
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番組評価
ゲスト:★★
MC回し:★★
映像と演出:★★★★
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■日曜討論(NHK)
●在日米軍再編
ゲスト:5党の政調会長
中川秀直(自民)/井上義久(公明)/松本剛明(民主)
/小池晃(共産)/阿部知子(社民)
後半国会の新たな焦点になってきた、在日米軍再編を各党の政策責任者が討論した。最大の争点は、在日米軍のグアム島への移転費用負担だった。その額9000億円。与党側の主張は「海兵隊の移転は沖縄の長年の悲願だった。またとないチャンス」「日本全体として負担の軽減となる」。野党側は「グアム島は米国の領土。そこの米兵宿舎建設に日本が費用負担するのは、世界でも例がない」「日米安保の枠を超える」などと追及した。
●この後、行革推進法案
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番組評価
ゲスト:★★
MC回し:★★
演出と映像:★
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■サンデープロジェクト(テレビ朝日)
●「USEN宇野社長の狙い」
ゲスト:永沢徹(企業法務、M&Aに詳しい弁護士)
佐々木俊(ライブドアはじめIT業界を追い続けてきたジャーナリスト)
吉田望(ノゾムネット代表)
ゲストコメンテーターによれば、宇野社長は2代目にありがちな「ボンボン」ではなく「頭がいい」という。ライブドアをめぐっては企業として実態がない、と当初言われていた。ところが、宝の山だという。「メデイィアエクスチェンジ社」「ターボリナックス社」は優良企業だということだ。ポータルサイトとしてもアクセス数はヤフー、グーグルに次いで3番目(堀江前社長逮捕でアクセス数が伸びた)。したがってUSENにとってはシナジー(相乗)効果が見込めるのだという。
不安面は損害賠償請求。フジテレビだけでなく株主20万人も加わってくる。請求が認められればライブドアが払うことになる。そうなると現ライブドア経営陣が旧ライブドア経営陣を訴えることになることもある。以上永沢弁護士談。
●第2部は小泉政権と格差社会
ゲストは5党政調会長。「NHK日曜討論」と全く同じ面子だ。渋谷から六本木までマイクロバスで来たのではないかと思うほど、同じ顔がゲスト席に並んだ。19日に限らず、こうしたケースはよくある。
政治家が日曜朝、テレビ番組にハシゴしていることを示している。
小泉改革の結果貧富の差が開いている、と『文藝春秋』『月刊現代』『中央公論』などが取り上げている。
与党側は「先頭打者が引っ張っている」「数字は04年の数字。これから上向く、(格差は)縮まる」などと説明した。野党側の主張は「小泉政権になって非正規雇用が増えている」「給食費援助家庭が増えた」など。
「同一労働、同一賃金制度」についても、いつからどうやって確立されるのか、具体的な話は出てこなかった。
【電視解剖】
『サンプロ』では先月もこの格差社会を取り上げた。ゲストもほぼ同じだった。経済指標は、各党ブレーンによって数字の分析の仕方が違うので、ゲストが言っていることは決め手に欠く。各党の政策責任者がワーワー言っているだけだ。経済指標をめぐって討論する時は、例えば一般紙の経済部記者とかを加えて、普通のオジサン、オバサンにでもわかるような解説が必要だ。「格差問題」は深刻な問題だけに、番組が「半煮え」なのは残念だ。
●第3部は亀井静香・衆院議員が登場して、久々に意気軒昂なところを見せた。
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番組評価
ゲスト:★★★★
MC回し:★★★
映像と演出★★
(竹谷昇)