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□【SUNDAYウォッチ】日銀の量的緩和解除 [JANJAN]
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【SUNDAYウォッチ】日銀の量的緩和解除 2006/03/13
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民主党メール問題も一服した先週は、日銀の量的緩和解除がテレビ報道を賑わした。だが、そもそもが異常だった金融政策を元に戻しただけのことなので、反響らしきものはなかった。「日曜ニュース特集」では量的緩和解除に全く触れない人気番組もあった。
■報道2001(フジテレビ)
●量的緩和解除
ゲスト:
前金融担当相・伊藤達也
民主党参院議員・大塚耕平(日銀出身)
慶応大学教授・榊原英資(元大蔵省財務官)
量的緩和は通貨当局の政策としては世界にも例を見ないものだった。解除に踏み切った日銀の判断に各界から大きな異論は出ていない。「報道2001」も静かなトーク番組に終始した。
確かに住宅ローンなどは上がるが、ゼロ金利が当分続く。したがって国民生活にさしたる影響はない、ということで伊藤・前金融担当相も大塚議員(民主)も同じ見解となった。
ただし大塚氏は「財政再建にとってはマイナス。財政再建には(政府が)無駄遣いを止めることが大事だ」と野党の意地を見せた。
小泉首相と竹中総務相が、少し批判めいたことを述べた点について榊原氏(元大蔵省財務官)は「政治家は言わないほうがいい。醜い」とバッサリ。榊原氏は「最近の土地の値上がりを見ているとミニバブルはやはりあった。日銀の政策は正しかった」と評価した。
●この後、中曽根康弘・元首相とベストセラー「国家の品格」の著者、藤原正彦・お茶の水女子大教授が、日本という国家の品格について論じ合った。テーマは靖国問題、皇室典範、小泉改革など。
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番組評価(★3つが標準点)
ゲスト★★
MC回し★★
映像と演出★
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■関口宏のサンデーモーニング(TBS)
この番組では量的緩和の解除を扱わなかった。
●トップは「日中問題」
いつものように映像で振り返った。映像の流れは以下→対中強硬派の麻生外相、安倍官房長官と李肇星・中国外相による激しい批難の応酬→中国のエネルギー問題→公務員の汚職→農村部と都市部の格差→有人宇宙飛行の延期。
スタジオに降りると司会の関口宏が「中国ははけ口を外にそらしたいんですかね?」−
岸井成格・毎日新聞編集委員が、ポスト小泉をにらんでの意味もある、と政治記者らしい見方を示した。岸井氏によれば、中国は福田、谷垣両氏への期待が高いのだという。そこで揺さぶりをかけられていると解説する。
ここまで中国に注文をつけられる日本って何なんだろう。大概の人はそう思うだろう。司会者はそこをコメンテーターに聞いた。国際政治学者の浅井信雄氏は「ナショナリズムは(中国人にとって)気持ちがいいんですよ」そのかわり「反日運動は徹底的に押さえ込んでいる」と分析してみせた。浅井氏は最近、中国視察に行ってきたということだ。
番組では大きなボードを使い、18年連続2ケタで伸びる中国の軍事費をグラフで示した。
●続いて在日米軍基地めぐる岩国市の住民投票
投票当日朝のオンエア(放送)である。
岩国→沖縄の基地の移転計画→米軍基地の世界的再編という話の構成だった。
司会の関口宏は「ズルズルとアメリカに取り込まれてしまって良いのか」と問題を投げかけた。続いて「死語となった用語がある」と言ってボードを示した。「非核三原則」「武器禁輸」「核抜き本土並み返還」などが書かれている。
【電視解剖】
若者ならいざ知らず、上記は中高年には懐かしい言葉だ。55年体制時、金科玉条のように扱われていた時事用語でもある。時代は変わってしまった、と感じられずにはいられなかった。同様の視聴者も少なくなかったのではなかろうか。番組制作スタッフは最年長でも40代前半だ。「非核三原則」なんて遠い世界のことでしかない世代である。企画段階から口を出す関口宏のアイデアなのだろう。老人パワーは民主党の渡部国対委員長ばかりではないようだ。若い頃からちゃんと新聞を読んでいたお父さんには有難い企画だった。
●この後、ウイニーによる情報流出問題
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番組評価
ゲスト(レギュラー)
MC回し★★★★
映像と演出★★★
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■徳光のザ・サンデー(日本テレビ)
ラインアップは以下―
1.量的緩和解除
2.痴漢サラリーマン無罪
3.皇室問題
4.カーリング・ブーム(前回に続いて)
5.浅田真央敗れる(ミニ特集)
スポーツに重点を置くこの番組らしいラインアップだったが。MC(メイン・キャスター)の徳光氏らしさが発揮されたのは、1と2だった。徳光氏はもちろん量的緩和解除の理由、国民生活への影響についてゲストのエコノミストに質問する。質問していることは、一般紙にも書いているようなまともなことだ。しかし徳光さんの口から出ると、なぜか生活感のかけらもない絵空事のように聞こえる。
2は面目躍如だ。徳光さんのコメントは「痴漢なんて警察から見たら軽微な犯罪でしょうが、サラリーマンにとっては一生を奪われる」。実に重みがあった。
【電視解剖】
司会者のキャラを活かした項目選びだ。硬派ニュースに重点を置かない。取り上げても映像尺を長くして徳光さんにあまりコメントさせない。それはそれで支持する視聴者もいる。多くは巨人ファンであったり、スポーツ好きであったりする。高くなくても視聴率をちゃんと計算できる。局にしてみればコスト対効果の計算がしやすい番組だ。
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ゲスト★★
MC回し★★★
映像と演出★★
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■日曜討論(NHK)
先週月曜日から参院での論戦が始まったことを受け、各党の参院幹事長に話を聞いた。
ゲスト:
片山虎之助(自民)/木庭健太郎(公明)/輿石東(民主)/小池晃(共産)/又市征治(社民)
テーマは以下―
●量的緩和解除
●格差社会
●談合防止
●公務員定数の削減
ゲストは自らの党の立場から意見を述べた。NHKらしく公平に当分に発言させるので、政党広報となんら変わるところはなかった。
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番組評価
ゲスト★★★
MC回し★★
映像と演出★
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■サンデープロジェクト(テレビ朝日)
●第1部:最大派閥を率いてポスト小泉に影響力を発揮する森喜朗・前首相に聞いた。
田原氏は、今月下旬に予定されている前首相のロシア訪問をツマにして日中、日朝関係を聞いた。前首相は「関係は良くない、改善しなくちゃいかん」と答える。次期首相には強硬派の安倍、麻生はだめで、穏健派の福田がいい、というコメントを引き出す意図がありありだった。
前首相は「私の口から『福田がいい』などと言った覚えはない」としながらも、田原氏から揺さぶられているうちに「経済界の多くは『福田さんがいい』と私のところに言ってくる」と本音を漏らした。森氏はキングメーカーに祭り上げられて酔っているのだろう。そんな森さんの内面が、画面にこぼれ出ていた。
【電視解剖】
派閥の会合で民主党の渡部・国対委員長のモノマネを披露する森前首相の映像が、このコーナーのイントロだった。モノマネはけっこう上手い。最大派閥の長の驕りを番組制作者が示したのであろう。前首相の低脳ぶり丸出しの演出は、この番組らしいパンチともいえた。
●第2部:量的緩和解除
田原氏は新聞3紙(朝日、日経、読売)を広げて「大騒ぎしてんだけど、よくわからない」「(新聞社は読者に)わからない、こんな情報流すなよ」と、切り出した。視聴者の関心を引くいつもの手法だが、確かに普通の国民には難解な政策である。
ゲストは自民党きっての政策通である与謝野馨・財政経済金融担当相だ。田原氏の質問に答える与謝野氏の説明は以下のようなものだった。
デフレスパイラルで銀行が破綻する恐れさえあった→金融システムの危機に対応して日銀は通貨供給量を増やした(量的緩和)→デフレはほぼ収束した→元に戻した(緩和を解除した)→だが、ゼロ金利は当分続く→メリットはとりあえずない
枠組みというか金融のフロチャートのようなものは、経済に弱い筆者にも大体分かった。だが、量的緩和解除で国民の生活は来月からどうなるのかは分からない。
最後に田原氏が男性司会者と女性司会者に「わかった?」と訪ねたが二人とも「難しいですね」。
●第3部:「ホリエモン的なるもの」
ゲスト:松田憲幸(ソースネクスト社長)/佐々木俊尚(ジャーナリスト)/吉崎達彦(双日総合研究所副所長)/諸井虔(太平洋セメント相談役)
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番組評価
ゲスト★★★★
MC回し★★★★
映像と演出★★★★
(竹谷昇)
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