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街でリクルートスーツの若者をよく見かけるが、三十四年前の春、東京都内で建設会社の入社面接を受け「西山事件をどう思う」と聞かれて面食らったことを思い出す
▼一九七二年の沖縄返還がらみで、米軍用地の復元補償費四百万ドルを、日本側が肩代わりするという密約を野党が国会で暴露。その情報源が毎日新聞の西山太吉記者(当時)で、外務省の女性事務官から入手した機密の外交公電だった事件
▼肝心の密約内容より、記者の電文入手方法が男女関係のスキャンダルとして注目され、二人が国家公務員法違反事件で逮捕されたため、疑惑追及が吹っ飛んだ。典型的な情報のすり替え事件として、歴史に名を残す。今のホリエモン疑惑と偽メール質問の関係を思わせる
▼当時対米交渉に当たっていた吉野文六・元外務省アメリカ局長が先月、四百万ドル肩代わりを認め、密約の存在を事実上肯定した。沖縄返還交渉の舞台裏で行われたこの悪(あ)しき先例が、その後、駐留軍経費を肩代わりする「おもいやり予算」のすさまじい膨張につながっていく
▼沖縄県の稲嶺知事は九日、額賀防衛庁長官らと会談、米軍普天間飛行場を名護市のキャンプ・シュワブ沿岸へ移設する政府案に反対すると強調した。政府は地元の同意がなくても、今月末にも米軍再編の最終合意を目指す構えだ
▼沖縄の米海兵隊をグアム島へ移す移転費用八十億ドルも日本側の負担という。これもいずれ防衛施設庁の官製談合の対象になったかもしれない。談合の業者名簿には、入社試験で落とされた建設会社の名前もあった。
「東京新聞」筆洗3/11