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□【SUNDAYウォッチ】民主党全面降伏 [JANJAN]
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【SUNDAYウォッチ】民主党全面降伏 2006/03/06
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先週のテレビ報道は、メール問題での「民主党全面降伏」とその後の「迷走」が脚光を浴びた。各局の日曜特集は、民主党の立て直しを取り上げた。「救世主」と持ち上げられる渡部・新国対委員長は、このところ暗かったテレビ画面を明るくした。
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■報道2001(フジテレビ)
●渡部・民主党新国対委員長に聞く
ゲスト:渡部恒三・民主党新国対委員長/三宅久之・政治評論家
今や時の人となった感がある渡部氏。司会者は先ず国対委員長を引き受けたいきさつを聞いた。渡部氏はここで自分が断れば民主党は無政府状態になり、日本の民主主義にとって危機的な状況になるから決断した、と話した。
永田メール問題については「2回目(17日)の質問で怪しいと思ったが、あの時に忠告しておれば良かった」としきりに悔いた。
今回の問題では執行部の若さ、未熟さに批判が集まっている。渡部氏は次のように苦言を呈した。(1)前原代表はトップリーダーの経験がない、(2)人のいうことを聞け、(3)思わせぶりはよくなかった(「お楽しみ」発言の件)、(4)子分をかばったのが裏目に出た。渡部氏は前原代表に「言うべきでないことは人前で言うな」と忠告していたという。
「冷酒と親の説教は後から効いてくる」という諺がある。筆者も身を持って知っている。値千金の諺だ。前原代表は父親のような年回りの渡部氏の忠告をこれまでどんな気持ちで受け止めていたのだろうか、と思わせるコメントだった。
視聴者ならずとも最も気になるのが、今後の民主党立て直しだ。渡部氏は、過去の党派を忘れて「民主党だ」という気持ちにならない限り将来はない、と断言した。ズバリの指摘だが、これができないのが民主党だ。渡部氏もわかっていながら敢えて指摘したのだろう。
●第2部は「日本の食に警鐘を鳴らす」をテーマに中川昭一(農林水産大臣)、丹波宇一郎(伊藤忠商事会長)に話を聞いた。
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番組評価(★3つが標準点)
ゲスト★★★★
MC回し★★
映像と演出★
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■関口宏のサンデーモーニング(TBS)
●メール問題
「先週も色々ありましたが、あれで終わっていいんですかネエ、という感じがします」と関口宏が前振りした。このコーナーのねらいだ。すぐに映像に入る。一週間で二度も謝罪した民主党→自民党の怒りのコメント→渡部恒三氏の国対委員長就任→小泉首相「(渡部氏を)支えなきゃいけないのかな」→民主党は地方から批判の声・・・と一週間の動きを映像で振り返った。この番組のパターンだ。先週、テレビを見られなかったお父さんには有難い作りである。民主党の混迷ぶりが手にとるように分かる。
岸井・毎日新聞編集委員が「情報仲介者といわれるジャーナリストは複数いて、皆否定している。メールの経緯を民主党は明らかにしてほしい」と指摘した。確かに当事者である永田議員が一番よく知っているのだから。普通のオジサン、オバサンが抱く疑問点をちゃんと突いてくれた。
●続いて「イラク情勢」、「ブッシュ米大統領のインド・パキスタン訪問」と国際問題にテーマが移った。
【電視解剖】
レギュラーコメンテーターで国際政治学者(元読売新聞記者)の浅井信雄氏が、イラク内戦の構図、ブッシュはなぜインド・パキスタンを訪問したのかをわかりやすく解説した。世界地図にイスラム勢力圏を描いた大ボードを用いながら。NHKの「週刊こどもニュース」が分かり易いことで人気を博しているが、サンデーモーニングは「週刊おとなニュース」の感がある。
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番組評価
ゲスト(レギュラー)
MC回し★★★
映像と演出★★★
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■徳光のザ・サンデー(日本テレビ)
●トップはメール問題。永田議員謝罪会見、議場での武部幹事長への謝罪、小泉首相に肩をたたいて励まされる前原代表…民主党全面敗北で映像もナレーションもまとめた。
●この後、「ゆとり教育」を少し論じたが、
●元祖イナバウアーを写真で紹介
●フィギュアの浅田真央選手、世界ジュニア選手権へ出発
●カーリング人気……と得意のスポーツネタ満載だった。
【電視解剖】
同局の人気番組に明石家さんま司会の「恋のから騒ぎ」というのがある。若い女性の恋愛失敗談を明石家さんまが面白おかしく聞き出すことで評判だ。
ザ・サンデーのMC(メインキャスター)徳光氏がオープニングでこう切り出した―「『恋のから騒ぎ』ならぬ『国会のから騒ぎ』になってしまいましたね」。永田議員のメール騒動に端を発した民主党の迷走は、国民感情からすればまともに見ていられない。徳サンが代弁したのか、それとも単なるギャグで言ったのかはわからない。徳サンだから許される。視聴者は目くじらを立てることなく笑って見る。
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番組評価
ゲスト(レギュラー)
MC回し★★★
映像と演出★★★
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■日曜討論(NHK)
●メール問題を問う
ゲスト:逢沢一郎・自民党幹事長代理/玄葉光一郎・民主党幹事長代理
永田議員の責任を問われると、玄葉氏(民主)は「懲罰動議に従う」と党の正式見解を判で押したように答えた。チェック体制の甘さについては「深刻に受け止めている」と神妙な面持ちだった。
その一方で「政策の調査能力と疑惑の調査能力は違う。疑惑の方は不慣れだった」と世間では通用しない言い訳をした。さらに「記者の世界に例えると、国会議員はフリーの記者と同じだ。デスクがいて編集長がいてではない」と続けた。そうだろうか。
玄葉氏のものいいを聞いていると、これが民主党前原グループの本音ではないかと思えてくる。玄葉氏も松下政経塾出身だ。また同様の失敗を繰り返すのではなかろうか、と直感的に思えた。
●第2部は「小泉政権の光と影」と題して格差社会について、格党の政策責任者が討論した。
ゲスト:甘利明・自民党政調会長代理/山口那津男・公明党政調会長代理/直嶋正行・民主党政調会長代理/小池晃・共産党政策委員長/阿部知子・社民党政審会長
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番組評価
ゲスト★★
MC回し★★
映像と演出
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■サンデープロジェクト(テレビ朝日)
●渡部恒三・民主党新国対委員長
73歳の民主党長老議員に70歳の田原氏が聴いた。
田原氏は、代表選挙の前倒しはあるのか、と単刀直入に切り出した。渡部氏が言い淀んでいると、「9月までもたないでしょう?」。
渡部氏は、辞めることが責任の取り方ではない、ということも是非知ってください、と哀願調で訴えた。年寄りに“泣かれる”と田原氏といえども追及できない。
田原氏は次期代表候補に挙げられている小沢、管、鳩山の各氏について渡部氏の評価を聞いた。渡部氏の評価は―「鳩山、いいねえ」「小沢はわがまま」「菅君は国対委員長を引き受けていれば(次期代表の)最有力候補だった」
田原氏が得意の突っ込みを鋭く入れるのだが、渡部氏は「それは言えません」「どんなに挑発されても言いません」と会津なまりで突っぱねた。答えを拒否しても周囲の笑いを誘ってしまうのが、この人の人徳だろうか。前原氏だったらこうはいかない。
●この後、逢沢・自民党幹事長代理と玄葉・民主党幹事長代理が討論した。「日曜討論」(NHK)と同じ組み合わせだ。
●続いて民主党各グループの代表が議論した。出演は牧義男(小沢グループ)、平岡秀夫(菅グループ)、細野豪志(前原グループ)、河村たかし(インディペンデント)の4衆院議員。
前原さんはウソをついたのになぜ辞任しないのか、と田原氏が投げかけた。細野氏(前原グループ)が「誰も手をあげないから…」と答えると、平岡氏(菅グループ)は「前原さんが辞めるといえば、すぐに手を上げる人がいる」と突っ込んだ。議論の冒頭から「対決ムード」満点だった。
レギュラーコメンテーター陣は「民主党は国民の落胆ぶりに答えていない」「お仲間運営だ」などと厳しく指摘した。それでも民主党役員室の細野氏(前原グループ)は、巧みに論点をそらし強弁に終始した。前原代表のこの間の強弁とオーバーラップして仕方なかった。
【電視解剖】
一体感に欠ける民主党内の縮図を見せられた。4人を集めた番組側はさすがだ。民主党は満天下に党内対立をさらすことになった。自と民の対決よりも、民主党内の対立の方がはるかにエネルギーが大きいことをはしなくも見せつけてくれた。自らの出番を終えて後部席に陣取る渡部・新国対委員長は苦笑した。カメラは見逃さなかった。「救世主」渡部氏が苦笑する民主党は、空中分解寸前なのではないだろうか。テレビが持つ無言の雄弁さだった。
●第2部は訪中を終えたばかりの二階俊博・経済産業大臣に日中関係を聞いた。
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番組評価
ゲスト★★★★★
MC回し★★★★
映像と演出★★★★
(竹谷昇)