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□幼稚園児殺害 朝日新聞の特落ちに疑問/俵孝太郎 [ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1737406/detail
幼稚園児殺害 朝日新聞の特落ちに疑問
新聞記者にとって最大の屈辱は特落ちを食うことだ。特落ちとは特ダネの逆。特ダネが他社が知らないニュースをスクープすることだが、特落ちは他社はみな書いている事実を落とす、つまり紙面に載せられなかったことを指す。
その特落ちを「朝日新聞」がやらかした。滋賀県長浜市で幼稚園児の母親が、自分の娘のクラスメート2人を、娘も乗る集団通園のマイカーの中でめった刺しにして路傍に捨てた、例の事件に関してだ。
新聞には多数の版があるから、全部が全部とは断定できないが、少なくとも都内の最終版配達地域に住む筆者の見た限り、他社はいずれも犯人は「中国人、あるいは中国籍の鄭永善」と書いていた。ところが「朝日」だけは「中国出身の谷口充恵」だった。
NHKも犯人逮捕の直後は「谷口」だったがすぐ「鄭」に直した。夕刊の最終版締め切りはそれより遅い。「朝日」のデスクや整理者は、きっと自社の記者を信頼して、NHKがどう伝えているかなど、気にもしなかったのだろう。だが不幸なことに、部下は取材力に徹底的に欠けていた。おかげで「朝日」は、特落ちの醜態をさらす羽目になった。
しかしこれは特落ちではなかったのかもしれない。日ごろ中国べったりで、真偽も定かでない「日帝」の「暴虐」を糾弾してやまない「朝日」のことだ。隣人の子2人をそれぞれ刺し身包丁で20回も刺して惨殺するような凶悪な犯罪を中国人女性がやるはずがない、中国生まれの日本人の犯行に違いない、と全社的に思い込んだのかもしれない。
中国人凶悪犯罪の多発で日本に反中国感情が募っていることに神経をとがらせる中国に迎合して、事実を隠そうとしたのかもしれない。仮にそうなら、これは単純な特落ち以上の構造的な大醜態だ。【俵孝太郎】
【2006年2月23日掲載】
2006年02月26日10時00分