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2006.2.3(その1)
2006年森田実政治日誌[70]
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C02448.HTML
小泉構造改革がもたらした「格差」を議論しよう!――「格差は悪いことではない」との小泉首相発言を批判しない大新聞の鈍感と堕落
「貧しい人々への行き届いた配慮こそは、文明の真の尺度である」(サミュエル・ジョンソン、18世紀英国の詩人)
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小泉首相は、2月1日、参議院予算委員会において「格差は悪いことではない」と発言した。
私は、この小泉首相の発言は、暴言であり、内閣総辞職に値するほどの大失言だと思っている。内閣総理大臣たる者、こんな乱暴で感情的な投げやり的発言をしてはいけない。政治は全国民のためのものであり、一部の強者のみを利するものであってはならない。これは政治の基本である。小泉発言はこの基本を踏みにじった暴言である。
小泉首相の「格差が出ることが悪いとは思わない」との発言をわが国の新聞がどう扱うかに強い関心をもって、私は2月2日早朝、いつもより早く新聞を広げてみた。
ところが、驚くべきことに、この小泉発言を批判している新聞は一つもない。「日本の新聞はジャーナリズムではない」と海外のジャーナリズムからは批判されているが、まったくそのとおりである。この小泉大失言を批判できないような大新聞は、もはやジャーナリズムの名に値しない。日本の大新聞は、小泉大失言への批判をしないことによって、自らが堕落してしまっていることをはっきりと示したのである。
朝日、毎日、読売、日経、産経、東京6紙のなかで、の小泉発言を一面で取り扱ったのは日経ただ1紙である。記事の内容も日経が一番正確である。日経も小泉大失言を批判しているわけではないが、この発言の重大性は理解しているようである。他の5紙はあまりにも鈍感であり、問題意識に欠けている。猛省を促したい。
以下に日経一面記事を紹介する。見出しは「格差論争で火花/小泉首相『格差悪くない』『改革で負け組にチャンス』/与野党『改革一本でいいのか』『援助必要な家庭倍増』」。日経の記事は次のとおり。
《小泉純一郎首相は1日の参院予算委員会で「格差が出ることが悪いとは思わない」と述べ、社会の格差が広がっているとの見方に真正面から反論した。ライブドア事件をきっかけに強まる「勝ち組」批判にも「成功者をねたんだり、能力ある者の足を引っ張ったりする風潮を慎まないと社会は発展しない」と断言。格差論争に一段と火が付きそうだ。
この日の質疑では与野党から「格差拡大」を懸念する発言が相次いだ。自民党の市川一朗氏は「改革一本やりでいいのか」と構造改革路線に疑問を挟んだ。
首相は「どの時代にも成功する人、しない人はいる。負け組にチャンスをたくさん提供する社会が小泉改革の進む道」「今までが悪平等だった」などと言い返した。
さらに「影ばっかりだったところにようやく光が出てきた。光が見え出すと影のことを言い出す」と格差批判を一蹴した。
民主党の鈴木寛氏は「この10年で子どもの就学に経済援助が必要な家庭が2倍に増えた。それでも格差が広がっていないと言えるのか」と追及。首相はフリーターやニートの急増に触れ、「将来を考えると、おろそかにはできない」と配慮する姿勢もみせた。
だが、この点でも「闘って敗れた負け組は褒められるべきで、むしろ闘おうとしない人が問題」と後で付言。「チャンスがあったら逃げないで挑戦することが必要だ」と競争を促した。》
繰り返すが、小泉首相の「格差が出ることが悪いとは思わない」との発言は、権力者の感情的な開き直り発言であり、見逃すことのできない暴言である。こんな暴言に対して反論も批判もしない国会議員は無責任である。
小泉首相は、この日、ほかにも首相としての発言としては不適切で乱暴な下品な発言をしている。小泉首相は「成功者をねたんだり、能力ある者の足を引っ張ったりする風潮」を非難しているが、内閣総理大臣たる者、こんなに国民をばかにした発言はすべきではない。下品な発言は慎むべきである。小泉首相はもう少しまともな発言をすべきである。
小泉首相はもはや正常な判断能力を失ったのではないかと思う。9月まで待つことなく、今すぐに退任すべきである。首相の立場にある者がこんな荒っぽい乱暴な発言を繰り返せば、日本国民の正常な神経まで乱されてしまう。