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□橋本元一NHK会長インタビュー 「借金経営できず」拡大から転換 [産経新聞]
http://www.sankei.co.jp/news/060131/sha020.htm
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橋本元一NHK会長インタビュー 「借金経営できず」拡大から転換
≪「安定収入得られれば値下げ可能」≫
NHKの橋本元一会長は30日、産経新聞とのインタビューに応じ、改革に向けた経営計画に盛り込んだ民間からの理事起用に関連し、「できるだけ早く、純粋に民間の方にお願いしたい。コンプライアンス(法令順守)や経営感覚に見識のある方で、常勤役員をイメージしている」と述べた。受信料値下げについては「安定的に受信料収入が得られれば、見直しも可能」とし、対象の約3割が支払っていない現状が改善されれば、値下げも可能との意向を示した。
橋本会長は「公共放送の財源として受信料がベスト」として、受信料制度を堅持する姿勢を打ち出した。不払いへの罰則の導入には「官の力での取り立てはなじまない」とする一方で、新年度から実施する不払いへの民事手続きについて「個々の事情が異なるため、対象者を選ぶのに一律の基準は作れない」とした。
25日で会長就任1年となったが、不払い急増や相次ぐ不祥事に追われた1年を「長くて短かった」と振り返った。平成18年度予算が2年連続でマイナス予算となったが、「この財政状況のなか、借金経営はできず切り詰めなければいけない」と、これまでの拡大路線ではなく身の丈にあった経営を強調した。
竹中平蔵総務相の私的懇談会をはじめ、活発化するNHK改革論議に「情報というものが単に商売用の情報ではなく、人間の生活や心を守る情報が必要だということまで議論してほしい」と訴えた。
◇
≪一問一答≫
橋本会長との一問一答は次のとおり。
−−受信料制度は維持するのか、値下げという意見もあるが
「公共放送の使命、自主自律、公平中立を実現するには(受信料は)理想的な体系。現状では不払いも多いが、合理的に効率的に支払っていただけるようになれば、料金体系を見直すことも可能になる。ただ当面は、現在の体系の中で地道に努力していく」
−−支払った人だけ視聴できるスクランブル導入や罰則導入については
「情報格差を作らないということがNHKの理念。(スクランブル化によって)視聴者を限ることは、情報弱者を作ることにつながる。罰則は、不払いに官の力が働くことになり、NHKと視聴者という民間同士の関係から踏み出る。新年度は最後の手段として民事手続きを行うが、罰則はその先にある話」
−−裁判所を通じた支払い督促などの民事手続きの規模は
「訪問や文書発送などで手厚く説明した上で、対象と規模を決める。個々の事情が違うため、一律の基準は作れない」
−−民間からの理事起用の時期や意図は
「民間的な発想を取り入れるため、できるだけ早い時期に起用したい。コンプライアンスや経営感覚について見識を持った純粋に民間の方で、常勤役員をイメージしている。理事の枠は10人で、現在8人なので、1人増やしてもいいと考えている」
−−NHKのチャンネル数については
「基本的には、総合的な番組を届けるためにはチャンネルは多い方がよい。しかし、経営の面から効率的にやらなければならない」
−−NHK改革をめぐる竹中総務相の私的懇談会などの議論について
「競争社会の概念が強くなり、強い者勝ちということになっている。情報弱者は作らないというのが公共放送の役割。競争の中で個人の主張が強まるのは結構だが、互いに助け合う共助の精神が乏しくなってきている。1人1人が力を持って生活できるような社会に向けて公共放送が役に立てばいいと思っている。公共放送の役割について、人間の生活や心を守る情報が必要だということまで議論されてほしい」
−−拡大路線からの転換になるのか
「この財政状況のなかで借金経営はできないため、切り詰めなければいけないし、贅肉(ぜいにく)をとるやり方をせざるを得ない。ビルドアンドビルドではいけない。いったんスクラップした上でビルドが必要。その上で放送の質を守っていく」
−−就任から1年の感想を
「長くて短かった。情報が氾濫(はんらん)するなか、今の公共放送のままでいいのかという気がしている。改革の具体的な内容を作ることに努めてきたが、受信料不払いに歯止めをかける公約を達成し、正直にうれしい」
【2006/01/31 東京朝刊から】
(01/31 09:04)