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テレビ・ニュースの作られ方・・・
【PJニュース 01月31日】− ホリエモンが東京拘置所に入ったために、「東京拘置所」が突然注目の的に…。
「東京拘置所」のキーワードで検索すると、ボクのセグウェイの公道走行による結果としての「東京拘置所実況レポート」がTopページに表示される。たくさんの人に読まれたようだ。当然、ブログのプロフィールに携帯番号を明記しているので、テレビ局の取材の話がまいこんでくる。
「神田さんですか?○○テレビの○○と申しますが、今回のホリエモンさんの事件で、東京拘置所のついて教えてほしいのですが…」とくる。ホリエモンになぜ「さん」付けをするのかと思いながらも、この話題だけでメディアに露出されるのはイヤなので、必ず、セグウェイに乗った結果として東京拘置所に入ったということが、わかるようにしてもらえることを条件に取材に応じた。
テレビ・ニュースのスタッフの一日は大変だ。取材のアポが午前中、午後取材、夕方報道というスキームだ。以前と比べると、どの局も取材クルーは最大3名くらいの少数ユニットに変わっているのには驚いた。以前は5人も6人もゾロゾロときていたのに、その数の変化に驚く。機材の進化と共に、確実に取材クルーのリストラが起こっている。
ボクの明るいキャラクターは、拘置所は「とっても快適なところ」「冷暖房完備!」「税金のムダ使い」「クサイ飯はとってもヘルシーで旨かった」…などのメッセージのほとんどは、編集時点でカット。
「インターネットが使えないのがつらかった」「暇な時間が大変だった」「テレビが見たかった」などのネガティブな部分のみがオンエアーされる。
どの局も、取材時点の前で、報道したい演出を決め込んできている。そのキーワード以外は何を訴求してもムダだった。テレビはやはり、ビデオでなく、生出演でなければだめだと思った。しかし、ニュース番組での生出演というフォーマットは通常ありえない。
テレビ朝日の「スーパーモーニング」では、「セグウェイで逮捕された神田敏晶さん…」と報道されているではないか!!。おいおい!書類送検で罰金刑なので逮捕ではないぞ!取材担当者の携帯にあわてて、連絡を入れた。
本番中だったが、電話口にでたので、訂正を要請する。コマーシャル明けで、「先ほど、逮捕とお伝えしましたが、書類送検による罰金刑でした。ふかくお詫び申し上げます」とアナウンサーがコメントした。
いやー、危なかった!オンエアーでチェックしていないと、神田さん、やっぱり逮捕じゃないですか。といわれかねない。テレビ・メディアで伝えられることによって簡単に世論なんて形成されてしまうので、とっても怖い…。
フジテレビの「スーパーニュース」取材では、ボクのインタビューなのに、取材ディレクターが想定するコメントが得られるまで何度も撮りなおしをさせられた。ボクはその意図的な質問のやり方がいやだったので、何度も違う表現で答えたが、オンエアーでは、ボクの断片的なコトバを見事に再構築されていた。
うーん、これはニュース番組なのだろうか?と考えさせられる。コメンテーターの木村太郎さんも、取材クルーたちの実態を知ってからコメントしてほしいものだ。
日本テレビの「バンキシャ」ではスタジオに拘置所のセットを作るので、そのセットイメージも確認したいという。ヒアリングの取材は約1時間で終わり、収録日をセットの出来具合をみて連絡という段取りだった。
翌日、電話が何度かあり、こちらからコールバックすると、「すいません、ニュースの話題が一夫多妻のあの人に急遽、差し替えとなったためにセットを今、取り壊しています。もうしわけありませんでした」と担当者は深々と謝罪する。
いいんですよ。そのセットを作ってしまったからとか、時間がないから、せっかくだからでは、良い番組を作ることができません。ただ、協力した人たちの時間もたくさん費やしていることだけはわかっておいてほしいものだ。
特にひどかったのは、TBSの「アッコにおまかせ」のADさん。電話がかかってきて、サイトの記事のことを質問される…。「拘置所の内部の写真はどこにあるんですか?確か写真があったと上司にいわれて電話しているんですが?」。
「内部の写真なんてありませんよ。所持品はタオルと歯ブラシだけなんですから」「えっ、そうんですか?写真が必要だったんですよね、じゃあなんか使えそうなものないですか?」「サイト内の記事は、クレジットしていただければ、自由に紹介いただいて問題ないですよ」「今、サイトを見ることができないんで、口頭で教えてもらえませんか?」「いえ、特にお教えすることはありません…」ガチャ…。
なんだかなあ…。ADさんは、自分の能力で調べているような時間があれば、とにかく聞きまくれと教育されているのは知っている。しかし、電話での対応くらいはもう少しまともでないと、いいADにはなれないよ。きっと。
こんな感じで作られたニュースを見て一喜一憂をしているのが、アホらしくなった一週間だった。【了】
【注】この記事はPJ個人の文責であって、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。
パブリック・ジャーナリスト 神田敏晶【東京都】
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1675741/detail