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週刊金曜日: 初夢? それとも……(本多 勝一)
"初夢? それとも……(本多 勝一)
たとえば、一昨年の本誌3月12日号の私のコラムで「同志たちよ、今こそ『ジャーナリズム』のメディアを」と題して書いた中に次の一節があった。――
「敗戦以来今こそ真のジャーナリズムが渇望される秋、新しい総合メディアを、影響力ある日刊紙を中心にインターネット新聞等も含めて創るべきではないか。」
そして、去年の8月5日号での同コラムで「『朝日新聞』よ!?」と題して書いた中の一節――
「現実は、前記の『筆力・取材力』以前であって、要するに記者が現場へ行こうとしなくなったらしい。机上のインターネット情報で間にあわせる。」
そう。ジャーナリストと評論家の最も大気名違いは、現場取材をするか否かではなかろうか。現場こそがナマの直接的一次資料なのだ。それ以外のすべては間接的二次資料だと極言することもできよう。となれば、現場に行かず机上の“便利な”インターネット情報、つまりは二次的資料ばかりで記事を書いても、小手先の名文・美文の記者なら社内での居心地はいいかもしれぬが、読者による真底からの共感は得られまい。そんな記者が多くなったとは……。
朝日新聞は、こんどの虚偽メモ事件を機に「解体的出直し」をするとのことだが、それはできないだろうと私は見ている。記者の採用方法からして根本的に間違っているからだ。なぜ大学卒の新人を“幹部候補生”としていきなり採用するのか。はたして「ジャーナリスト」になれるかどうか賭けみたいなものではないか。それよりも、他社であれフリーであれ明白に実力が認められるジャーナリストがいたら、相応の月給を出して採用なり引き抜きなりすればよい。
あらためて思う。日刊紙やインターネットを含む新しい総合メディアを、2年前よりもっと切実に「今こそ」創るべきではないか。さきに「今は満州事変の少し前」という言葉を紹介した先輩ジャーナリスト・原寿雄氏そのほか、私より若い世代も含めて尊敬すべき個人は少なくない。それらを糾合して、かねてから提言しているような韓国の『ハンギョレ』方式の、読者を株主とする新メディアを創りませんか!?
……これは新年の“初夢”かしら? いや「夢」よりももう少し「計画」に近いかな?"
http://www.kinyobi.co.jp/pages/vol590/fusokukei