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2006.1.7(その2)
2006年森田実政治日誌[17]
2006年元旦の社説にみる大新聞の堕落【3】――読売新聞、小泉政権を支える巨大新聞の独善と独断/消費税引き上げを提唱/だが少しだけ市場原理主義への批判を始めた
「木を見て森を見ず」(日本の諺)
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朝日新聞も毎日新聞も饒舌に多言を弄しながら、最も肝心なことは語ろうとしない。日本政治の肝心なこととは、日本の政治の真の支配者がブッシュ政権であり、小泉政権は時事上のカイライ政権だということである。すべての大新聞はこの日本政治の本質に触れようとしない。
「従米」こそが日本の政治の本質である。朝日も毎日もこのことを隠すために、「武士道」を持ち出したり(朝日)、首相続投論を主張したり(毎日)しているのではないか、と疑いたくなる。この点では読売新聞も同類である。だが、6大紙のなかで、読売だけが市場原理主義への批判を始めたことは評価できる。
元旦の読売社説は大論文である。タイトルは「人口減少時代へ国家的対応を/市場原理主義への歯止めも必要だ」。社説の前半で人口減少問題が取り上げられている。さらに財政危機の深刻さを取り上げ、「消費税問題を避けていては、なんの解決にもならない」と消費税引き上げを主張する。
社説の後半では、新聞の社説としては珍しいことだが、「市場原理主義への歯止めも必要だ」と主張している。大新聞社のなかで読売だけが「市場原理主義」の危険性に気づいた。遅すぎたとはいえ、他の新聞よりはマシである。
最後は「超党派で国家像確立を」と訴える。民主党に対して「大連立も辞さないくらいの責任感」をもてと主張している。
整理すると――
(1)人口減少は「経済成長の鈍化・停滞を招く懸念も大きくなる」との心配を述べているが、それだけで具体策はない。
(2)財政危機に関しては「消費税問題」を避けるな、と主張する。言葉はぼやかしているが、消費税引き上げを主張しているのだ。
(3)市場原理主義の弊害を指摘し、「本格的、包括的な資本市場法制の整備を急ぐ必要」を訴えている。ただし、市場原理主義の導入問題は法整備の問題というより、それ以前の小泉政権の姿勢の問題である。市場原理主義の導入は小泉内閣が推進してきたことである。小泉内閣を除去し、後継内閣が小泉構造改革を否定すれば解決する事柄である。
(4)アジア外交のあり方について。「対米・対中等距離論」を批判し、日米同盟堅持を訴えている。 (5)民主党を含む「大連立」を提唱している。
市場原理主義批判以外は、小泉政権の考え方とほとんど同じである。
いずれも「木を見て森を見ず」の論説である。曖昧な表現を使いつつ、大連立など独善的な主張を繰り返している。大連立論は政権交代を否定するものであり、このような主張を行うことは新聞社としての大いなる堕落である。
独善と独断と小泉政権擁護――これが読売である。
2006年元旦の社説に見る大新聞の堕落【2】――毎日新聞、小泉首相へのゴマスリ一筋の論説
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2006年元旦の社説にみる大新聞の堕落【1】――朝日新聞1月1日社説に表れたモラル喪失と偽善/「武士道」を自らの偽善隠しに利用する哀れな朝日