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2006.1.6(その3)
2006年森田実政治日誌[14]
マスコミに忍び寄る危機/広告から見放される大マスコミの構造的衰退のおそれ――広告の主流はすでにインターネットに移っている
「新聞雑誌が危険なのは、人々がそれに重要性を与えすぎるからに他ならない」(ギュスターヴ・フローベル「ジョルジュ・サンドへの手紙」、『世界毒舌大辞典』より)
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昨年末、広告業界に詳しい友人から電話があった。
「森田さん、大新聞と民放テレビの時代はもうすぐ終わりです。広告の主流がインターネットになりました。非常に信用の高い調査機関の最近の調査で明らかになりました。大新聞と民放テレビが大リストラに着手する日が近づいています。まさに驕れる者久しからず≠ナす」。
いまはテレビの時代である。テレビは世の中に多大な影響を与えている。2005年9月11日の総選挙における小泉大勝はテレビの“小泉ヨイショ”がもたらしたものだった。
民放テレビは百パーセント広告費に依存している。大新聞の経営も、いまは購読料よりも広告費への依存度のほうが上回っている。
大新聞と民放テレビが政治権力の手先になり、小泉政治への批判者をマスコミから追放し、自ら言論ファッショの道に墜ちたのは、小泉首相を批判すれば広告収入が減り、経営が危機に瀕するからだった。逆に小泉首相にゴマをすれば広告料が得られるからだった。しかも日米両国の広告独占体が結託し、日本の広告業界は米国の広告独占体に従属している。いま米国は小泉政治を必要としている。大新聞と民放テレビが小泉首相を称賛しつづけ、小泉純一郎という凡庸な、しかし人一倍野心家のイメージを織田信長の再来のようにデッチ上げてしまった。これは捏造であり、偽装である。日本国民はテレビと大新聞の誇大広告に騙されたのだ。
日本国民は米国に騙された上、小泉政権の手先と化したマスコミに騙された。そしていまも騙されつづけている。マスコミの罪は大きい。
この国民を騙しつづけ小泉首相を勝利させた国民の敵である大新聞と民放テレビに、大いなる危機が迫っている。しかも、その危機は構造的なものである。インターネットが広告の主流になったのだ。
インターネットの普及により、消費行動に変化が起きている。市場環境が変わったのである。
友人が知らせてくれた最新の調査結果によると――
◆ブランド/商品認知――(1)インターネット34%、(2)テレビ24%、(3)雑誌9%、(4)新聞4%
◆商品理解・比較検討――(1)インターネット46%、(2)店頭21%、(3)テレビ7%、(4)口コミ4%
◆購入商品決定――(1)店頭35%、(2)インターネット34%(購入商品決定の段階ではテレビ、新聞の影響はほとんどない)
広告において、テレビは主役の座をインターネットに譲ったのである。このことを各企業が理解すれば、各企業はインターネット広告を主にする動きを強める(もうすでに変化が始まっている)。徐々にではあるが、テレビは見放される。新聞はすでに見放されつつある。
テレビ局と大新聞は、この危機を米国巨大ファンドと小泉政権と巨大宗教団体と広告独占企業の手先になることによって切り抜けようとしているが、これは邪道である。このような姑息な手段をとることは、テレビ・大新聞の信用を低下させるだけである。
大切なのは国民の信頼である。政治権力の手先になって国民を騙すようなことはやめて、公正な姿勢で報道することが国民の信頼を得る道である。
テレビ局と大新聞社が、国民の信頼を取り戻すためには、まず、ただちに小泉政権へのゴマスリ報道をやめることである。これが信用回復への第一歩となろう。