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2005.11.24(その2)
2005年森田実政治日誌[463]
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C02288.HTML から転載。
【朝日・東京=常識、毎日=非常識/毎日新聞APEC記事の救いがたい偏見とゴマスリ】
「愛してもその悪を知り、憎みてもその善を知る」(『礼記』)
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過日、APECにおける小泉首相の言動に関する朝日新聞社説と東京新聞記事を引用し評価したところ、私のHPの読者の方から、「朝日のほうが信憑性がない」として、毎日新聞のインターネットの記事が送られてきた。「〈小泉首相〉独自の『日中友好論』展開/APEC全体会議」と題する11月19日の政治ニュースである。これと似た記事を毎日新聞紙上で読んだ記憶はある。あまりの偏見の極端さに驚いたが、とくに朝日新聞との違いは問題にしなかった。朝日新聞社説は小泉首相の一方的発言に憂慮を示した。今回、HP読者の方からご指摘いただいたので、一言コメントしたい。伊藤さんという記者の釜山発の記事である。以下に毎日新聞の記事を引用する。
《アジア太平洋経済協力会議(APEC)の21カ国・地域がそろった18日の全体会議で、小泉純一郎首相は議題と関係なく独自の「日中友好論」を展開した。中国に胡錦濤国家主席との会談を断られたが、胡主席も出席する国際会議の場で、一方的に自分の立場を主張してしまうパフォーマンスだった。
「全体会合で、皆の聞いてる前で、私が発言したんだ」。18日夜、同行記者団が盧武鉉(ノムヒョン)韓国大統領と会談した感触を尋ねたところ、小泉首相は質問をよそに、全体会議での発言について約10分間、身ぶりを交えて熱弁を振るった。
米中タイ3カ国の冒頭発言後、各国数分ずつ順に発言。小泉首相は議題の経済問題を外れ、唐突に日中関係を論じた。「一つの意見の違いとか対立で、全体の友好関係を阻害してはならない。中国、韓国と政治的首脳の交流は途絶えているが、他の関係は良好だ。どんなに批判しても決行だ。私は何らわだかわりを持っていない」
ブッシュ米大統領、プーチン露大統領の来日について紹介。ペルーのトレド大統領と「フジモリ問題」があっても握手したことなど、円卓を囲む各首脳との関係を引き合いに持説を強調。中国の会談拒否を当てこするかのような論法だったが、会議後、何人かの首脳から「いい話だった」と声を掛けられたという。
胡主席は反論できず、議長の盧大統領も聞き役に回るしかない状況。小泉首相は記者団に「してやったり」の表情で高揚感を隠さなかった。2日間にわたるAPECの全体4時間半のうち、小泉首相が発言したのは、この時と鳥インフルエンザ対策を述べた2度だけで、計10分足らず。「日中友好演説」が、APEC外交のハイライトだった。》
毎日新聞の記事を読んで「小泉さん、すばらしい」と思った人はどれだけいるだろうか。「ひとりよがり」と思った人はどれだけいるだろうか。国際会議の場での「独演」を国民の皆さんはどう感じたのだろうか。
最近、海外で「日本人はひとりよがり。周りのことを考えない国民。自分勝手」との批判が強まっているという話を、海外活動をしている友人からよく聞く。こういうときには、とくに謙虚な態度が必要である。高慢な態度をとるのはよくない。
毎日新聞記事はひとりよがりであり、極端な思い込みによるゴマスリ記事である。小泉首相の行動は国際外交の場では異例の行動である。非常識は歴然としている。
こういうときは苦言を呈すべきである。マスコミが政治権力の手先となるのはきわめて危険である。政治権力とマスコミは互いにチェックしあう関係にならなければならない。