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昨今、再びテレビ局によるヤラセ事件が相次いで問題となっている。「めざましテレビ」のディレクタ―によるヤラセ演出などは記憶に新しい。しかし、それら表立って問題になるヤラセ事件は氷山の一角と言っても過言ではない。その上、表立っていないヤラセの方がより常軌を逸しているのである。そして、今回、ご紹介する民放の某テレビ局でのヤラセも同様に今まで封印されてきたとんでもないヤラセの一つと言えよう。
約8年前から数年に渡って某テレビ局は期末期首(10月・4月)時期に決まって海外ロケを主軸に置いたバラエティ番組を放送していた。そして4年前、その番組内でアメリカの某音楽スタジオにリポ―タ―を向かわせたことがあった。スタジオには取材対象となる外国人タレントがおり、リポ―タ―が取材を行う様子が放送されたのだが、実はこの映像には大きな嘘が潜んでいた。実はその音楽スタジオは東京のスタジオであったのだ。映像は《成田空港に向かうリポ―タ―》→《旅客機の飛行映像》→《アメリカ ロス市内》→《音楽スタジオ》といった順で編集、放送されたが旅客機映像とアメリカロス市内の映像は全て別番組で使われた資料映像が使われたというのだ。当時、この番組に関わったというスタッフは次のように話す。
「経費削減が理由です。その番組は予算が極めて安いにも拘わらずコンセプトが海外ロケだったので仕方の無いことでした。でもこういったことに局は関知していないかもしれませんが、下請け製作会社のどこでもやっていることだと思います」(某製作会社ディレクタ―)
加えて言えば、この番組はBプログラム≠ニのこと。どのテレビ局にもAプロとBプロがあり、Bプロ番組とは野球・サッカ―放送が雨天中止となった時、もしくはAプロ番組が何らかの理由で直前放送中止になった場合に放送される代替番組のことである。テレビ業界ではBプロ番組の予算は安いことは常識でもある。
そんな中で海外ロケをせねばならないがために起きた仕方の無いヤラセだというが、やはり日本で撮影したにも拘わらずアメリカであると紹介するのは、あまりにも世間の常識からかけ離れた非常識な行為であろう。そして、こういったことを「仕方なし」とする業界の考え方が未だ存在することを考えると、テレビを真に受けて観ることは危険だと言う他ない。
実話GON!ナックルズ12月5日増刊 不思議ナックルズVOL4
文・滝 廉三郎