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□【SUNDAYウォッチ】「ポスト小泉」と「在日米軍再編」 [JANJAN]
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【SUNDAYウォッチ】「ポスト小泉」と「在日米軍再編」 2006/05/15
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先週のテレビニュースは事件などの社会ネタが中心だった。連休が明け国会が再開されたこともあり、『日曜ニュース特集』は「ポスト小泉」や「在日米軍再編」を突っ込んで議論した。母の日、「小泉政権産みの親」である田中眞紀子氏が久々に登場し吠えまくる番組もあった。
■報道2001(フジテレビ)
東京都知事・石原慎太郎/作家・曽野綾子/前駐日インドネシア大使アフターブ・アセット
●東京五輪よ再び
2016年開催のオリンピックに名乗りをあげた東京都の石原都知事が夢を語った。
なぜ(64年に続いて)再び五輪なのかを、司会者が質問すると、石原知事は「国威発揚」と答えた。「新しい歴史教科書」を支持する知事の「新しい歴史教科書」を支持する番組でのコメントだ。石原知事は、半径10キロ内に主要な競技施設が揃う利便性を売り込んだ。
曽野綾子氏が「独立と五輪はそう簡単ではない。アジアではなかなか簡単には開かれない」と追従した。08年に中国で開催されるが、それはこの人の頭の中にはないのだろうか?
レギュラーコメンテーターで嫌中派の竹村健一氏はさらに強烈だった。「北京は20世紀最後の五輪。東京は21世紀最初の五輪」。アセット前大使も「東京は安全で安定感がある」と持ち上げた。
批判精神のかけらもなくここまでヨイショする報道番組とは何なのだろうか?
●この後、米軍再編問題を議論した。
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番組評価
ゲスト:★★
MC回し:★★
映像と演出:★★
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■関口宏のサンデーモーニング(TBS)
●国会再開
共謀罪、教育基本法改正という重要法案
野党民主党は対決姿勢で会期延長ありか?
●在日米軍再編、日米間で最終合意
稲嶺沖縄県知事は、「政府案をベースに今後も協議を続けることで合意した」としている。ところが政府発表では「(名護市への移設で)基本合意」。
在日米軍基地の巨額移転費用問題で、野党各党の質問に小泉首相は「経費は今後精査する」を繰り返した。
レギュラーコメンテーターの浅井信雄氏(国際政治学者・元読売新聞記者)によれば「(巨額になるので)数字の説明は次の政権になる」
●ポスト小泉
9月の総裁選に向けて麻垣康三の動向が注目される中、この番組では福田康夫・元官房長官を取りあげた。
訪米で要人と会談。レギュラーコメンテーターの岸井成格・毎日新聞編集委員は「米国は福田さんに相当の可能性ありと見ている」と話す。浅井氏は米国の議員の中にも小泉首相の靖国参拝に批判があることに触れ「小泉さんは米国に言われると弱い」とズバリ指摘した。
経済同友会も「靖国参拝」には苦言を呈しており、東アジア外交は総裁選を左右するほどのテーマになりつつある。そうなるとやはり福田さん、有利か。このコ−ナーの意図するところだろう。
●米露激突
プーチン大統領は軍拡で米国を批判し、チェイニー副大統領はロシアの強権的なエネルギー外交を強くけん制した。イランの核開発めぐる両国の対立も絡む。
司会者もコメンテーターも「冷戦時代に逆戻りした」という意見で一致した。
●この後、大沢親分と張本の「スポーツご意見番」
「ブッシュとプーチンに喝ーっ!」という声が聞こえてきそうだった。
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番組評価
ゲスト:★★★★
MC回し:★★★★
映像と演出:★★★
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■徳光のザ・サンデー(日本テレビ)
●松井選手ケガ
ニューヨークからのライブも交えた。
●サッカー、スコットランド戦
●平塚5遺体事件、千鶴子容疑者が新たな証言
●ビル乗っ取りに暴力団後藤組本部、強制捜査
●円高ドル安
●ポスト小泉
●きょうの徳光語録
「松井のコメントを『ニューヨーク・タイムス』が評価している」。
スポーツ、それも野球選手のコメントまで扱うのは大衆紙の『ニューヨーク・ポスト』。両紙の違いを知らないのは、いかにも徳サンらしい。
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番組評価
ゲスト:★★
MC回し:★★
映像と演出:★★
■日曜討論(NHK)
与野党政策責任者に聞く
ゲスト:甘利明(自民)、山口那津男(公明)、松本剛明(民主)、小池晃(共産)、阿部知子(社民)
●在日米軍再編
巨額移転費用めぐる国会論議
費用は(巷間言われているように)ほんとうにわからないのか、との司会者の質問に、甘利氏(自民)は積み上げなければならない」とした。
野党側の反論は以下―精査していないのであれば不誠実(民主)。国民に説明できていない。一円たりとも出す道理はない(共産)。グアムに米軍基地を作るのは安保でも地位協定でもない(民社)。
【電視解剖】
在日米軍基地の移転問題は幾度もこの番組で各党が討論してきた。言っていることは、いつも同じ。既視感さえ覚える内容だ。いくら視聴率至上主義ではないとはいえ、これでは受信料を払う気はなくなる。司会者が、自民の甘利氏から移転費用負担での「増税はない」との言質を取ったのがせめてものなぐさめだった。
●愛国心(教育基本法)
民主党は前文に「日本を愛する心を涵養・・・」を挿入する対案を出す。日教組出身議員もいるにかかわらず。小沢カラーというところだろうか。
「愛国心は大事。サッカー、野球で日本が勝てば嬉しい。だが教育の場で押し付けるものではない」(共産)。
愛国心めぐる討論もこの番組で幾度となく聞かされている。出てくるのは各党のステロな公式見解ばかり(当り前か)。JanJanのスレッドでも「愛国心」が議論されているが、こちらのほうが内容は深くて濃い。
●共謀罪
今週の採決へ向けて山場
619種類の犯罪に対して適用されるというが、計画しただけで罪に問うというのは本当に必要なのだろうか?司会者はこう切り出した。甘利氏は「テロは未然防止が大事。組織犯罪防止国際条約は世界119カ国で批准している」「犯罪組織が対象」。巷間言われている、飲み屋で上司の悪口を言っただけで謀議となり摘発の対象となることはないと説明した。
組織犯罪国際防止条約の批准の際から予想された法案であった。野党やマスコミの対応は遅きに失した感がある。
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ゲスト:★★
MC回し:★★
映像と演出:★★
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■サンデープロジェクト(テレビ朝日)
●在日米軍再編、日本の安全は
ゲスト:額賀福四郎・防衛庁長官/軍事ジャーナリスト・田岡俊次
この番組でも日本側の巨額負担が問題になったが、他の番組と違った。3兆円という数字の出処を明らかにしたのだ―防衛庁の守屋事務官が、日米会談の1週間前に2兆円と見積もっていた、というのだ。政治家の頭越しで決められていたことになる。「長官がコロコロ変わるから事務方でやっちゃったわけだ」と田原がダメを押した。
軍事ジャーナリストの田岡氏は次のように指摘した。米軍はイラクとアフガニスタンで手が一杯の状態だ。ヨーロッパや極東から兵力を抜いて、イラクやアフガニスタンに回すのだという。そうした全体のやりくりの中で日本から移転するだけなのだ。
「銀行の統廃合で『当行では引き続いてサービスの維持につとめてまいります』と支店長から挨拶状が来るようなもの」「それを真剣になって議論していた」。田岡氏らしい比喩で、溜飲を下げた事情通も多いのではないだろうか。
【電視解剖】
額賀防衛庁長官は顔なしだった。かといってアップはとらなかった。というのも田原は額賀を嫌ってはいない。番組スタッフは田原の手足だ。もし田原が嫌っている政治家だったら、こういう瞬間はアップをとる。マスコミに嫌われる嫌われないは、政治家にとって重要な要素であることがよくわかる。
●田中眞紀子氏、久々の登場
小泉首相産みの親ともいえる眞紀子氏を「母の日」にちなんでゲストに招いた。ひと頃と違って久々にテレビに登場した眞紀子氏は、饒舌を通り越し吠えまくった。以下真紀子節−
・クリントン政権時の93年から郵政民営化は突きつけられていた。(小泉政権は何点かを問われて)
・あれはテロ、「9・11テロ」だと私は思っている。マスコミが勝たせた。この番組も含めて。(昨年秋の衆院選で、なぜ自民が大勝したかを問われて)
・小泉さんは一言居士ではなくて一言依怙地。(ワンワードポリティクスを問われて)
・安部さんも福田さんも経綸や哲学がない。安部さんはフニャフニャ。新発売の「森永フニャフニャ」。ビジネスマンや役人にも麻垣康三の4人より優秀な人材はいる(ポスト小泉を問われて)
眞紀子氏は小沢民主党代表への期待を熱く語った―
経験豊富で厚みがある、アジア人脈がある、などと小泉首相や麻垣康三との違いを際立たせるのだった。
田原氏は「いつ民主党に入るのか」を聞き出そうとした。「来年の参院選で民主党が大勝しなきゃ小沢政権はないでしょ?」「この間小沢さんに会ったと聞いたけど(入党の)依頼はあったのか?」などと得意の揺さぶりをかけるのだった。
眞紀子氏は「小沢さんがあいさつにきただけ」と交わした。
【電視解剖】
田原氏から突っ込まれても動じない。挑発にも乗らない。漫談調で交わし、時にタブーにも切り込む。田原氏がお株を奪われる始末だった。眞紀子氏は、小泉首相よりもはるかにテレビを上手に利用できる才能の持ち主だった。大衆政治家角さんの血や恐るべし。
●第3部は共謀罪、映像リポート
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番組評価
ゲスト:★★★★
MC回し:★★★★
映像と演出:★★★★
(竹谷昇)