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「公開質問状」 と別紙1-3 全文
http://www.asyura2.com/0510/health11/msg/457.html
投稿者 どっちだ 日時 2006 年 6 月 04 日 21:17:23: Neh0eMBXBwlZk
 

(回答先: 東京女子医大心房中隔欠損症手術死事件で逮捕され無罪となった医師が大学に公開質問状 投稿者 どっちだ 日時 2006 年 6 月 04 日 21:07:59)

公 開 質 問 状  

 

学校法人 東京女子医科大学 

理事長 吉岡博光殿 

2006年6月2日

 

第1 公開質問に至る経緯

1 質問人は、2001年3月2日、東京女子医科大学病院付属心臓血圧研究所(以下「女子医大心研」)にて施行された平蝟セ香氏に対する心房中隔欠損症及び肺動脈弁狭窄症の手術(以下「本件手術」)の際に人工心肺装置の操作を担当していた医師です。

2 質問人は、貴院の東間紘前病院長が2001年10月3日に作成した「故平柳明香殿死亡原因調査委員会調査報告書」(以下「内部報告書」)は、その内容が科学的に、すなわち、物理学的にも工学的にも医学的にも誤っていることが以下@AB等により明らかになったため、2006年1月26日に貴院に対して「女子医大は、内部報告書の誤りを認め、内容の公式撤回をする意向があるかどうか。」という主旨の催告状を内容証明郵便で送り、文書による回答を求めました。しかしながら、貴院からは、顧問弁護士を通して「回答しない。」旨の電話連絡があっただけでした。そこで、回答しないのであれば、回答しない旨記載した書面を出すよう求めましたが、それも拒否されました。

@「3学会合同 陰圧吸引補助脱血体外循環検討委員会 報告書」

(委員長 高本眞一 東京大学教授、委員 許 俊鋭 埼玉医大教授、同 四津良平 慶応義塾大学教授、同 坂本 徹 東京医科歯科大学教授。以下「3学会報告書」)2003年5月、日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本人工臓器学会が発行。(本件手術が行われた女子医大心研の第5手術室および慶応義塾大学病院や東京医科歯科大学における実験、学術的文献、専門書により詳細な検討が行われ作成されています。)

なお、この「3学会報告書」又はその抜粋は、学会誌「人工臓器」、「Clinical Engineering」といった専門誌で発表されただけでなく、3学会の学術集会でそれぞれ配布され、また、日本心臓血管外科学会専門医認定施設約 500施設に配布されました。さらに、同報告書中に含まれる勧告は、上記3学会の各専門誌及びホームページに収録されるとともに、厚生労働省の科学研究である平成14年度厚生科学研究医療における危険領域のリスク分析とフェイルセーフシステムに関する研究分担研究『人工心肺の安全マニュアル作成に関する研究報告書』(平成15年3月)にも収録されました。

A「黒澤回答書」

3学会合同 陰圧吸引補助脱血体外循環検討委員会(以下「3 学会委員会」)から貴院に対して行われた照会(「内部報告書」の作成にあたって女子医大が実施した実地見分に関するもの)に対して、同実地見分に立ち会った医師が、貴院心臓血管外科 黒澤博身主任教授の代理として、「内部調査委員会の施行した検分は不十分で、しかも具体的なデータが残っていません」と回答した書面(以下「黒澤回答書」)。

B刑事無罪判決

2005 年11月30日に東京地方裁判所刑事第15部が出した無罪判決(以下「本件判決」)。裁判では、上記「3学会報告書」「黒澤回答書」、裁判所が行った2日間におよぶ女子医大心研の手術室での実験結果、海外在住者を含めた女子医大内外の医師11名、医学工学博士(ダブルライセンス)、臨床工学士4名、看護師、本件で使用されたレギュレータの販売メンテナンスの責任者など多くの証人による公判調書、100編を超える文献、専門書、多数の警察調書、検察調書などが証拠とされました。 

3 貴院は、その病院案内ホームページ「基本理念」で「科学的根拠に基づいた十分な説明で、納得していただき、来院される方のご意見やご要望をお聞きしたうえで、最も適した診療を心がけます。」と記載しております。しかしながら、社会的に問題となった本件においては、「科学的根拠に基づく十分な説明」がされるどころか、「科学的に全く誤った内部報告書」を作成し遺族に交付し、厚生労働省や上記「3学会委員会」や警視庁捜査第一課等に提出しております。

4 貴院は、本件が審理中であった2005年2月9日までに、本件判決の前にもかかわらず、特定機能病院の再承認を厚生労働省に申請するという行動を起こしました。(当然のごとく承認はされませんでした。)

さらに、「黒澤回答書」が提出され、「3学会報告書」や「東京地方裁判所の無罪判決」で「内部報告書」の誤りを指摘された後も、その撤回や謝罪を一切せず、質問人の催告に対しても何の返答もしないという極めて不誠実な態度を貫いております。このような態度を貫いている女子医大は、遺族および国民に対してその社会的責任を全く果たしておりません。

5 質問人は、貴院が不誠実な態度を改め、真摯に本質問状に対して回答されるよう求めます。

尚、本質問状を貴院に送付しましたことは、日本の安全な医療の発展を真剣に考えている機関、団体、個人及び報道機関に通知し、ネット上でも発表することを申し添えます。 


第2 質問

1 女子医大に対する質問

(ア)3学会など医学界から、および裁判所からも根本的に否定された「内部報告書」を撤回し謝罪しますか。

(イ)撤回も謝罪もしないと回答される場合、理由は以下@ABのどれですか。@AB以外であれば、文章を作成してお答えください。

@ 「内部報告書」には全く誤りがないので、撤回も謝罪もする必要はない。

A 「内部報告書」には、誤りがあるので、誤りを科学的に根拠に基づいた手法によって修正する。

B 「内部報告書」が誤っているのは理解しているが、撤回も謝罪も修正もしない。

(ウ)東京地方裁判所刑事第15部 岡田雄一裁判長は、無罪判決、すなわち質問人には、注意義務違反はなく、「諸事情をも併せ考慮すると、このような客観的にみて危険で瑕疵がある構造というほかはない人工心肺回路を設置し、心臓手術での使用に供していたことにつき、女子医大の責任が問題となる余地がある」としています。

この判決にかかわらず、女子医大の責任はないとお考えですか。


(エ)貴院の人工心肺室では、本件人工心肺に使用されたレギュレータの純正のフィルターを使用せずに、「薬事法上適応外のガスフィルター」を使用し、しかもその「使用上の注意書き」には、「使用は1回限りです。再使用はできません。」と記載されていたものを繰り返し使用していましたが、このことに、問題はあったとお考えですか。

2 「内部報告書」の作成やその後の取り扱いに関与した教授への質問

貴院の責任において、以下の各個人から、該当する質問(別紙)への回答をそれぞれ取り付け、貴院自身の回答とともに返信してください。

a. 東間 紘 前病院長 (泌尿器科前主任教授)

b. 笠貫 宏 前心研所長 (循環器内科主任教授)

c. 黒澤博身 心臓血管外科主任教授

第3 回答に関する催告

質問人は、貴院に対し、本質問状到達後、3週間以内に、書面により上記の質問全てにおいて回答されるよう催告いたします。 

 以上

公  開 質 問 状 別紙 1a. 東間 紘 前病院長 (泌尿器科前主任教授) 

第1 東間紘前病院長への質問の経緯

「内部報告書」は死亡調査委員会の委員長である東間紘前病院長(当時の副院長)が心臓外科医の意見やアドバイスを全く聞かないで、自らが責任をもって作成し、遺族に手渡しています。また、本件刑事裁判でも宣誓下に出廷していますので質問いたします。

第2 東間紘前病院長への質問

(ア) 現時点において、「吸引ポンプの回転数を上昇させて長時間使用すると、静脈貯血槽が陽圧化する。」という「内部報告書」の主旨は誤りであったという認識はありますか。

(イ) 「内部報告書」は、「3学会合同 陰圧吸引補助脱血体外循環検討委員会 報告書」と「本件判決」において客観的には医学的にも司法的にも誤りであるとされています。「内部報告書」を誤って作成してしまった理由は何ですか。以下の「@」または「A」または、「@Aの両方」でお答えください。

@ 当時から故意に偽りを記載したため。

A 初歩的な物理学、医学的知識、工学知識の欠如および科学的思考が欠如していたため。

(ウ) 「黒澤回答書」では、「内部調査委員会の施行した検分は不十分で」あるとされています。現時点において検分は十分であったと考えますか。

(エ) 「内部報告書」を作成するにあたり、心臓手術の経験が全くない医師だけで委員会を設立し、心臓外科医にアドバイスを受けなかった理由は、心臓外科医が関われば、「フィルターに問題があった。」ことや、脳障害の原因は「脱血不良時の吸引回し中に、上大静脈をパーシャルバイパスにしなかった。」こと等が明らかにされてしまうからですか。

(オ) 「内部報告書」に、「フィルターの目詰まりは、回路内に発生した水滴による。」「水滴が発生することは決して特別のことではない。」と記載していますが、「フィルターが目詰まりしてしまうこと」は特別のことではないとお考えですか。

(カ) 陰圧吸引補助脱血法を導入する施設に対してレギュレータ(コントローラ)を取り扱うバクスター社のプレゼンテーションの写しを添付します。ここに、「リザーバーに流入するベントやサクションの流量のバキュームに対する影響は? バキュームコントローラは-20mmHg の設定で毎分15~20Lの流入するエアーに対応する能力があるため、サクションやベントの流量は全く問題にならない」とあります。このプレゼンテーションの内容は、「内部報告書」の内容と全く反対の内容です。どちらがより正しいと思いますか。なお、本件で使用されたレギュレータを扱うオメダの販売メンテナス責任者は宣誓下の証人尋問で、「その構造は基本的に同様である」旨証言されています。

(キ) 「内部報告書」には、「もちろん静脈貯留槽内の圧は、(脱血管からの血液流入圧+術野からの吸引流入圧)−(送血圧+壁吸引圧)の総和で表され」と12頁に記載されています。この記述は現在でも正しいものだとお考えですか。

以上
本件で使用されたレギュレータの作動原理図
http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/参照


公 開 質 問 状 別紙 2

b. 笠貫 宏 前心研所長 (循環器内科主任教授)

  

第1 笠貫 宏 前心研所長への質問に至る経緯

死亡調査委員会は笠貫 宏循環器内科主任教授(当時の心研所長)の依頼により組織され、同教授は東間前病院長とともに遺族に「内部報告書」を手渡しています。また、当時心研の所長として医局員に圧力をかける発言をされたので質問します。

第2 笠貫 宏 前心研所長への質問

(ア) 内部報告書を作成する委員の選定に関与しましたか。

(イ) 内部報告書を家族に渡す前に、内部報告書の誤りに気づきましたか。

(ウ) 2001年12月に本件の報道があってから、質問人が逮捕されるまでの間に、内部報告書の誤りを知っていましたか。

(エ) 2002年2月に、心研医局室で当時の循環器小児外科医局長、循環器外科医局長、循環器小児科医局長が「内部報告書」を閲覧し、一同が、その内容の真実性を否定する趣旨の発言をした直後に、医局長室で同席していた循環器内科医局長からその会話の内容の報告を受け、「内部報告書に意見するのは天に唾するようなものだ。」という発言をしたことがありますか。          

           

以上

公 開 質 問 状 別紙 3

c. 黒澤博身心臓血管外科主任教授

第1 黒澤博身心臓血管外科主任教授への質問に至る経緯

黒澤教授は、現在のところ第37回日本心臓血管外科学会および第43回日本小児循環器病学会の総会・学術集会会長をされる予定ですが、以下@ないしEの記述のごとく、質問人や医局員が「内部報告書」の批判する書類を作成しようとしたことに圧力をかけて阻止し、3学会に非協力的な態度をとり、さらに「内部報告書」に対して否定的な「3学会報告書」を強引な手段を用いて修正させましたので質問いたします。

@ 2002年4月に警視庁捜査第一課の白鳥陽一警部補が浜野恭一理事に、「心研の医局員が、『内部報告書』について批判をしようとしているので、困る。」と電話連絡した後、黒澤教授は医局員と質問人に「内部報告書」を批判しないように圧力を加えました。

A 2002年4月22日、黒澤教授は、質問人に、「君も日本国内で心臓外科を続けたいのなら、私(黒澤)の言うことを聞いて「内部報告書」を批判しないように。批判をすると私の力で君(質問人)は心臓外科を続けられなくなるだろう。」旨発言しました。

B 2002年4月30日、心研一階の応接室において、質問人、喜田村洋一弁護士、二関辰郎弁護士が、心研医局員と「『内部報告書』に記載された実験結果は虚偽であり、内容が理論的にも誤っている」と指摘する書類の作成を完了しようとしたところ、黒澤教授が女子医大側の弁護士と現れ、「『内部報告書』は厚生労働省に提出した。今、特定機能病院の認定を剥奪されるかどうかのぎりぎりのところである。『内部報告書』は間違っているが、こんな大切な時に女子医大心研の内部に別の意見があって、『内部報告書』を批判する動きがあることがマスコミに知られたら大変なことになる。特定機能病院の問題が終了するまでは、『内部報告書』を批判する書類を作成してはいけない。」旨、発言して、自らが「内部報告書」が誤っていることを認めたにもかかわらず、書類の作成を阻止しました。

C 2002年8月に、3学会委員会は、本件の手術記録、麻酔記録、体外循環記録、事故当時の体外循環回路、本件で使用した体外循環システムのマニュアル等の資料を女子医大に請求しました。これに対し、黒澤教授は「請求されたものは警察に押収された。」として請求されたものは何も提出せずに、「事故後に作成した体外循環システムのマニュアル」と「内部報告書」等を3学会委員会に提出しました。

D 2003年5月15日 第33回日本心臓血管外科学会学術総会 3学会合同陰圧吸引補助脱血体外循環検討委員会報告 シンポジウム 「安全な陰圧吸引補助脱血体外循環を目指して」の会場で、配布するために「3学会報告書」(「オリジナル版」と呼びます)が作成されました。「オリジナル版」の25頁勧告の下の一文では、「本委員会の検討により、東京女子医大で起こった事故は本来陰圧であるはずの静脈貯血槽が急激に陽圧になったためであり、その原因は吸引回路の回転数が非常に高かったためではなく、陰圧吸引補助ラインに使用したフィルターが目詰まりを起こし閉塞したためであることが模擬回路による実験でも示された。」という記述があります。黒澤教授は、NHKの職員とともに、3学会委員会の委員を訪れ、「オリジナル版」の配布を中止すうように働きかけました。さらに、その配布の中止が困難であると知るや上記文章の「ためで」を修正するように求め、結局「可能性が」に訂正するプリント(以下「黒澤訂正プリント」)を発行させました。(「黒澤訂正プリント」のコピーは巻末に添付)なお、NHKの職員とは、当時、「女子医大の変革が、当時の東間院長や黒澤教授によって行われている」という趣旨の番組を制作していたことに関連する職員を指します。

E 2003年5月19日午前8時20分からの女子医大の心臓血管外科モーニングカンファレンスで「委員会にいって『オリジナル版』に修正を加えさせた。」旨の発言をしたため、心研内の日本人工臓器学会の理事である医局員から「そんなことはしては、まずいのではないですか。」と指摘されました。

F  本件手術直後に、患者さんの頭部には異常な浮腫の所見があったのに対し、肝臓腫大や肝酵素値の上昇等、下半身の浮腫や異常所見は全くありませんでした。このことは、「脱血不良時後、吸引回し中の術野での操作が不適切であった」、すなわち、「両脱血管をクランプして上大静脈をパーシャルバイパスにせずに、下大静脈のみをパーシャルバイパスにした」等が裁判で指摘されていました。

その裁判継続中で判決が下される前の2005年に、黒澤教授は、医局員の反対を押し切って、本件手術の術者をカナダに留学させてしまいました。


第2 黒澤博身心臓血管外科主任教授への質問

(ア) 上記@ABで、医局員や質問人に圧力をかけ「内部報告書」を批判する文書の作成を阻止したのは、御自分の判断ですか、警察指示ですか、女子医大上層部の指示ですか。

(イ) 上記Cで、3学会委員会が女子医大に請求した「本件の手術記録、麻酔記録、体外循環記録、事故当時の体外循環回路、本件で使用した体外循環システムのマニュアル等」のコピーは大学内に存在していましたか。

(ウ) 上記Cで、3学会が「本件で使用した体外循環システムのマニュアル」を請求したのに対して、「事故後に作成した体外循環システムのマニュアル」を提出したのは、御自分の判断ですか、女子医大上層部の指示ですか。

(エ) 上記Dで、「黒澤訂正プリント」を発行させたのは、御自分の判断ですか、女子医大上層部の指示ですか、NHKの要望ですか。

(オ) 上記Eで、「静脈貯血槽が急激に陽圧になった原因が、陰圧吸引補助ラインに使用したフィルターが目詰まりを起こし閉塞したためである」という文書を「可能性がある」と修正させたからには、根拠があるはずです。「フィルターの目詰まり」以外にどのような可能性があるのか具体的に御教示ください。またその説明を、科学的にかつ明確に御教示ください。

(カ) 上記Fで、判決前に医局員の反対を押し切って、本件手術の術者を留学させた理由は何ですか。

 上記質問に対しては、添付いたしましたホームページに記載された基本姿勢に違うことなくご回答されることをお願い申し上げます。

東京女子医科大学 心臓血管外科 ホームページより

Department of Cardiovascular Surgery,

Tokyo
Women's

Medical

University

For the patient & Accountability

「 ・・・2002年より私共教室員は、黒澤博身主任教授以下、従来とは全くといっても過言でないほど異なる、新たで開かれた心臓血管外科チームへの進化をはかってまいりました。以来私共は、国民のみなさまのニーズにこたえるために、常に偏りのない知識と確実な技術をもった最善の治療と同時に、これまでにいただいてまいった国内最大の経験を活かし、最高の安全性を実現しうる厳格なリスク管理を遂行する事こそが最大の責務と考えております。従来諸問題を人事を含め根底から見直し、安心して受けていただける最良の医療とは、患者様がたと同じ向きを向き一致協力してはじめて達成されるものであると信じます。どのような事でも何かお気づきの点がございましたら、お気軽に当科スタッフにお申し付け下さい。何卒よろしくお願い申し上げます。」(下線は質問者)

以上

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