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2006年5月20日(土)「しんぶん赤旗」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-05-20/2006052001_01_0.html
中小の民間病院を中心に約一割の病院が経営危機に直面していることが十九日、病院団体でつくる「四病院団体協議会」の緊急アンケートでわかりました。保険から医療機関に支払われる診療報酬の四月改定で、看護職員を増やさなければ病院の収入が大幅に減る仕組みになったためです。
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四病院団体協議会 緊急にアンケート
同日記者会見した同協議会の猪口雄二医療保険・診療報酬委員会委員長は「改定には現状把握を十分行い時間をかける必要があった」とし「診療報酬のあり方としても問題が残る。医療過疎で看護師不足の地域では地域医療の崩壊につながりかねない」と語りました。
四月の改定では、看護職員(看護師と准看護師)一人に対する入院患者数で決まる「入院基本料」の区分を変更。従来の「患者十五人」、「十三人」、「十人」に看護職員一人という区分に加え、体制の厚い「患者七人に看護職員一人」の区分を新設しました。ここには平均入院日数の短縮を条件に、高い診療報酬をつけました。
一方、「患者十五人に看護職員一人」に満たない配置の病院は事実上、経営できない報酬に下げました。
また、看護職員の月平均夜勤の上限を七十二時間に。看護職員にたいする看護師の比率の基準も高くし、これを満たすために看護師を増やさなければ入院基本料のランクが従来より下がる場合も生まれました。
回答のあった千四百六十三の一般病院では、「患者十五人に看護職員一人」に達しない病院が三十七あり、病棟閉鎖なども六つありました。
「患者十五人に看護職員一人」の基準に達している病院でも、「(看護師を増員する)計画書上の数字で届け出たが増員できず継続不可能」との回答が九十五にのぼりました。
同協議会ではこれら計百三十八病院(9・4%)が「実質的に運営困難な病院と考えられる」としています。
精神病院(回答数八百五十五)でも同様に運営が困難になる病院が計百四、12・2%にのぼっています。
調査は同協議会が四月、約五千五百七十の国・公立、大学、民間病院にアンケートを送付し、二千三百二十一から回答を得ました。同協議会は、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会で構成。
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解説
病院間での引き抜きも
保険給付費抑制政策をとる小泉内閣は四月からマイナス3・16%という過去最大の診療報酬引き下げを実施。看護師の配置を厚くし、患者の平均入院日数を減らさなければ診療報酬が下がる仕組みにしたため、病院側に看護師を増やそうとする動きが強まりました。全体の看護師数が増えないのにこうした改定を行ったことで、同協議会のアンケートでも六十三病院が「看護師を引き抜かれた」と答えています。大病院による看護師の引き抜きまで指摘されるなか、とりわけ看護師を確保できない中小病院が経営危機に陥っている実態が浮き彫りになりました。(内藤真己子)
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