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http://intmed.exblog.jp/d2006-05-11
(内科開業医のお勉強日記)
FDAは緑茶・緑茶成分の効果をみとめず
脳科学などに啓発された馬鹿な政治家が、テレビゲームの批判だけを行い、肝心のメディアバイオレンスに全く言及しない変な国日本。
緑茶・緑茶が健康に良いとテレビなどのメディアで盛んに宣伝ともニュースとも区別なく報道され続けてきているが、現時点では確定的なことがいえる研究はないとFDAから言われたようなもの・・・政治的なものだろうと曲解的解説がなされるだろうとは想像されるが・・・
緑茶効果、米FDA認めず 伊藤園の表示許可申請
[ 05月11日 18時11分 ] 共同通信
緑茶飲料メーカー大手「伊藤園」(東京)と同社の米国現地法人が、緑茶成分カテキンによる心血管疾患のリスク減少効果について、商品への表示許可を米食品医薬品局(FDA)に申請、「信頼できる科学的根拠はない」として棄却されたことが11日、分かった。
伊藤園によると、米国で販売する緑茶飲料に「カテキンを含む緑茶を毎日150ミリリットル以上摂取すれば心血管疾患のリスク要因が減少する。FDAも根拠を支持できるとしている」と表示することを求め、動物実験や人を対象にした研究論文など計105件の資料とともに昨年6月、申請した。
FDAのサイト:
Qualified Health Claims: Letter of Denial -
Green Tea and Reduced Risk of Cardiovascular Disease
http://www.cfsan.fda.gov/~dms/qhcgtea2.html
この書簡は伊藤園(株)・伊藤園(北米)によるFDAへのhealth calim petitionに応じたもの。緑茶と心血管疾患リスク減少との相関を評価。
カテキン源として緑茶を1日150ml最低消費することは心血管リスク要因減少に役立つかもしれないとした。FDAは指示したが、結論はできないと報告した。
FDAは2005年7月28日陳情書を提出し、60日のコメント期間を掲示後、agencyのガイダンスに一致した手順を経た。
この書簡では、緑茶・緑茶成分の確かな科学的健康上の効果ある証拠・CVDに関するリスク減少を認めないというFDAの決定を公表したもの
癌関係も・・・証拠不足
いくつかの研究結果と逆に、緑茶はおそらく、乳ガン・前立腺癌や他の癌の予防効果がないとのべた。2つの研究では女性乳ガンのリスクを減少することが示されなかったが、さらに弱い、限定的な研究でしか緑茶のリスク軽減を示せなかった。
FDAは結論として、緑茶が乳ガンリスク減少しそうもないと結論づけた。
唯一弱く、限定的な研究でしか、緑茶は前立腺癌のリスクを減少を示せえなかった。
FDAはさらに、緑茶の使用と他の癌のリスクを示せるような質の高い研究は存在しないと結論づけている。
MSNBC:
http://www.msnbc.msn.com/id/8424430/
-------------以下補足---------------------------
日本では厚生労働省が茶カテキンを含む特定保健用食品(特保)を承認して、その安全性と有効性を「保証」している。
http://www.mhlw.go.jp/topics/0102/tp0221-2.html
特定保健用食品の表示許可等一覧(Excel 281KB)
http://www.mhlw.go.jp/topics/0102/xls/tp0221-2a.xls
独立行政法人国立健康栄養研究所
http://hfnet.nih.go.jp/
ヘルシア緑茶の例
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail359.html
これに対して、米国のFDAが「根拠が無い」として、類似の申請を拒 否した事を不思議に思われる方も多いと思う。この原因は、主として承認の根拠となった研究のデザインが不十分で、エビエンスとしての質が悪いためである。
例えば埼玉県立がんセンターからの、コレステロール低下作用に関するお茶の有効性を見た文献:
Cross sectional study of effects of drinking green tea on cardiovascular and liver diseases.
Imai K, Nakachi K.
BMJ. 1995 Mar 18;310(6981):693-6.
この研究は断面調査 (cross-sectional study)で、ある地区の男性1371名の血液データと飲茶習慣を調べたもの。コレステロール低下作用があるかも知れないと示唆している。しかし、断面調査 (cross-sectional study)は、薬剤などのプラセボ・コントロールの大規模臨床試験に比べると、エビデンスとしての信頼度のレベルは遥かに低い。
また、特定保健用食品の別の問題点として、長期予後に関する研究が殆ど行われていない点も指摘されている。生活習慣病や老化は数十年の経過で進展するのに対して、日本の特定保健用食品はわずか数か月間での肥満改善、血清成分の改善などで認可されているからだ。数十年にわたる濃縮成分の大量長期服用のデータはほとんどない。
最近では健康食品の花形だったリノール酸を宣伝しなくなった。リノール酸は多く摂ればコレステロールを下げる。しかし、5年後には癌を始め多くの疾患で死亡、罹患する人が対照より大幅に増える事が判明したからだ。そこで2005年の食事摂取基準ではn-6系脂肪酸の上限を総エネルギーの 10%以下と定めた。多くの健康食品について、大量摂取で同様なことが起きる可能性は高いと言える。
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