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!メルマガ第40号のテーマは、「アメリカ医療と保険」です。
日本が向かっているアメリカ医療は、「民間保険会社」を基盤としています。
「民間保険会社」が「医療」をコントロールすると、どんなことが起こるのでしょう
か?
ぜひ最後までおつきあい下さい!
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今週のポイント!
○アメリカの医療は、民間保険会社の「利潤最大化」が進みすぎている可能性がある。
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1) アメリカ医療と保険(参考文献:市場原理のアメリカ医療レポート)
アメリカは、先進国で唯一、公的皆保険制度がありません。
その医療は、「命は平等」「医療は公平・平等」という理念からほど遠く、医療の効
率性もよいとはいえません。
国民の7人に1人が無保険者です。他の先進国とは違い、これほど多くの無保険者が
いる背景には、国民に自立自助、自己責任を求め、基本的に医療を市場・民間任せに
しているからなのでしょう。
2) 強者の論理
アメリカでは、医療保険といえども「強者の論理」が働きます。
すなわち、民間保険会社は健康な人を顧客にした方が利益率は上がります。病気持ち
や病気がちの人に対しては最初から加入を拒否あるいは保険料を高く設定、そして既
往症や持病を免責するなどということが行われます。
アメリカでは、民間医療保険で国民の約60%がカバーされていますが、その多くは企
業が団体保険の形で購入し、福利厚生の一環として保険料の一部を援助しています。
この援助率は、一般に経済力のある大企業ほど高く中小企業になるほど低くなります。
言い換えると、中小企業の従業員は大企業の従業員より高い保険料を支払っていると
いうことになります。
また、同じ会社内でも重役になるほど保険料の援助率が高く、下位の従業員ほど援助
率は低くなります。
これは、会社にとって有能な人材を確保するために雇用対策の一環という側面があり
ます。
本来、医療保険は身体的弱者、経済的弱者により多く恩恵があるべきものです。
これが、医療保険に「市場原理」を導入しているアメリカでは、身体的弱者、経済的
弱者冷たい制度になっています!
3) マネージドケア
「マネージドケア」というのは、民間保険会社と医師との契約の中で、保険金の増加
を抑えるために専門医受診、検査、処方薬などに制限を加えるものです。
「マネージドケア」は悪名高いですが、「医療」へのアクセスを制限し、質を落とし、
浮いたお金を民間保険会社の利益にしたそうです。
ある州の調査で、某民間保険会社は、冠動脈バイパス術を受ける患者をその州で前年
度もっとも成績の悪かった病院に送っているということがあったそうです。なぜなら、
成績の悪い病院は手術料を値切って契約できるからということです。
患者の安全性や医療の質は二の次ということになります。。。
また、ある民間保険会社には医師との契約で「口止め条項」というものがあったそう
です!医師はその民間保険会社の不利になる情報を患者に話してはいけないというも
のです。
最近、マネージドケアも変わってきているようです。その中でよい点も注目されてい
ます。
保険会社が、被保険者の満足度の上昇とコスト削減のために、「予防医学」と「慢性
疾患の管理」に力を注ぐようになってきているそうです。
「疾患マネージメント」と呼ばれているものです。
経営者としては、「予防医学」や「疾患管理」に医療費を投資した方が結果的には会
社の医療費削減につながるのではないか」と考えるのは自然です。
そこで、保険会社と協力態勢をつくり社員の疾患を総合的に管理することで医療費全
体を下げる取り組みをしています。
「マネージドケア」あるいは「医師」が中心となって、特定の疾患(糖尿病、喘息、
がんなど)に対して患者教育、モニタリングを強化して疾患の重症度を上げないよう
にする総合的疾患管理方式です。
これは、被雇用者などの生活の質の向上、病気の発症予防による生産性の向上も期待
されています。
皆で知恵を出し合ってよりよい保険医療システムを考えていくという面で見習うとこ
ろがあります。
4) 皆保険への動き
アメリカでも皆保険にしようとする動きがあります。
<http://www.waseda.jp/student/shinsho/html/71/7123.html>
しかし、民間保険会社、営利病院、製薬資本などが「金」に糸目をつけずに反対キャ
ンペーンをしたそうです。「皆保険制度になれば医療は社会主義化して、皆さんは自
由に医療サービスが受けられなくなりますよ」とか「ある州にある医学部の学部長は
みんな反対してますよ」とか、嘘八百を並べ立てたということです。
これに対して、医学部の学部長は資金がなくて反論キャンペーンができなかったとの
ことです。。。
アメリカが他の先進国の後を追うように、最近、アメリカのある州が皆保険になった
ということです。日本は、アメリカ医療の「すべて」ではなく、「よい点だけ」学び
たいものです!!
5) おわりに
アメリカ医療にあっても意外と少ないのは株式会社の病院です。株式会社では「効率」
で得られた利益の大部分が経営者の報酬や株主の配当に当てられます。まさに、医療
が、「患者」のためでなく「利益」のためになっている姿ですが、アメリカですら株
式会社の病院が少ないという事実は、アメリカ医療の「良心」というべきなのでしょ
うか。
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編集後記とお知らせ
4月22日の「医療制度研究会」総会でNPO法人化が決定しました!!
NPOとは、非営利組織のことで、ボランティア活動をはじめとし、
市民が自由に行う非営利による社会貢献活動を行う団体のことをいいます。
今後の活動方針はホームページに随時アップしていきますのでどうぞご覧ください!!
医療制度研究会では、会員大募集中です!!
<http://www008.upp.so-net.ne.jp/isei/top2.html>
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