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[2006年03月05日付]
雑穀への関心が高まっている。特に若い女性に人気が浸透し、貧しい時代の食というイメージがなくなった。健康や美容に良いとされる機能性が注目を集めている。一過性のブームに終わらせず、機能性を過大評価することなく、正しく消費者に伝え、確かな需要を築きたい。栄養や調理法に精通したソムリエの資格制度も動きだした。需要の盛り上がりを背景に国内産地の拡大にも期待したい。
国内の雑穀で代表的なのはアワ、キビ、ヒエだ。戦後しばらくは、それぞれ数万ヘクタールも作付けられ、貴重な食材だった。その後激減し、1990年代には数十ヘクタールまで落ち込んだが、最近は増加傾向を示す。農水省の調べで、2004年産はアワが102ヘクタール、キビが227ヘクタールで前年の2倍前後。ヒエも1割方増えて178ヘクタールだった。このほかハトムギ、アマランサス、モロコシ(タカキビ)などが栽培されている。
05年産は集計中だが、生産振興に励む産地があり、増加が期待される。とりわけ産地拡大に熱心なのが岩手県だ。JAいわて花巻は、雑穀を販売する子会社で製品開発を進めており、生産拡大に合わせて需要開拓を怠らない。JAは、女性部と開いた雑穀料理コンクールのレシピ集を出し、雑穀たっぷりの料理法を紹介。足元からの啓発は消費拡大に結びつくだろう。
主な雑穀に共通する特徴は活性酸素を取り除く力(抗酸化力)が強いことだ。活性酸素は“さびつく”ように体を老化させるが、雑穀に含まれるフィチン酸が酸化防止に大きく働くという。フィチン酸は雑穀の種皮や胚(はい)に多いので、精白しない全粒粉をパンに使うなどの工夫をすると、より効果的だ。精白したものでも食物繊維による整腸作用など、健康食品としての価値は高い。
こうした雑穀に関する専門的な知識を身に付けた人材を育てようと、日本雑穀協会が雑穀ソムリエの資格制度をスタートさせた。同協会は企業やJA、大学でつくる。資格は3段階制だ。基礎編のエキスパートの試験が昨年12月から始まり毎月120人の定員が満席の人気ぶり。中級の雑穀アドバイザーが今年秋、プロの雑穀ソムリエは来年春に試験を始める予定だ。
エキスパートの受験者は、雑穀に興味を持つ女性が比較的多いという。最高レベルのソムリエは、調理の関係者らを見込んでおり、雑穀普及を担う助言者になってくれるはずだ。
一昔前、食物アレルギーの子を持つお母さんたちが、健康食品の店などで雑穀を探し、食卓や弁当に取り入れていた姿を思い出す。今は、普通の店で簡単に手に入るほど普及した。「何となく健康そうだから」というイメージで食べてもらうのでなく、産地・流通・研究機関など関係者を挙げて、一層の啓発に努めてほしい。
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/column/0603/05.html
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