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[2006年02月14日付]
パンは小麦粉で焼くものとの常識が変わりつつある。米粉でもおいしいパンが焼けるようになった。米粉の利用を研究する静岡文化芸術大学の米屋武文教授は「小麦粉でできるものは何でも米粉でできる」という。米粉利用は、米の消費拡大につながり、日本の財産の水田を守ることになる。従来の和菓子への利用だけでなく、パンや洋菓子への利用も働きかけたい。
米粉パンは、小麦粉と同様のパンが焼けるように微細粒粉を使うもの、上新粉を使う方法、小麦粉におかゆを練りこむ方法などに大別される。また、微細粒粉を使うにしても、それだけで焼く方法や、膨らみやすいように小麦グルテンを添加する方法、あるいは小麦粉を配合したものまでいろいろある。
米粉パンの開発は、新潟県が先陣を切った。以降、近畿地方で主に普及、いまや全国的な展開になってきた。特に学校給食での導入が目立つ。完全給食実施の公立小中学校で、年に何回か米粉パンを導入した学校の割合が今年度、埼玉県では100%になった。栃木県では74%、茨城県では56%になった。愛知県でも約4割の600校に上った。宮城県では、来年度から完全給食実施の565校で米粉パンを導入する。
一般のパン店でも米粉パンを扱う店が増えた。東北地方では、米粉食品を扱う店を紹介する冊子もできた。こうしたことで米粉パンの認知度も高まり、農水省の調べでは「日常的に買っている」「日常的には買っていないが今後も買う」人が2割に増えた。
このように全国的な取り組みになったのは、地産地消運動の高まりが背景にある。また、新たな食料・農業・農村基本計画にも「米粉パン等の粉体利用を促進する」と盛り込まれたこともあり、行政の力も入っている。
米粉パンは、小麦粉パンに比べ「もっちりして日本人に好まれる」など独特な味わいがあるため、「子どもたちに好評」(埼玉県学校給食会)だ。問題は小麦粉に比べ価格が高いことだが、同給食会は「給食費の範囲内でやっている」。一般の店の価格は、農水省の調べでコッペパンが120円程度。小麦粉パンより20〜30円高いが、もともと質が違う。たんぱく質は米粉の方がはるかに良い。食感も独特で味わい深い、との評価を受けている。そうした価値を知って食べるべきものであり、価格だけで判断するものではない。
学校給食での一層の導入が当面の課題だ。幸い子どもたちに好評だから、関係機関・団体は推進してもらいたい。埼玉県学校給食会は、児童・生徒の健やかな成長、地域農業の振興の両面から当然の取り組みと位置付け、「農業団体と教育関係機関、指定パン工場、学校給食会などが心を一つにすれば導入できる」という。こうした意欲的な県や店が続いてほしい。
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/column/0602/14.html
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