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日刊ゲンダイ2月7日号
元トップ営業マンがあかす
食品添加物の現場 連載11
安部司
http://gendai.net/
添加物だけの豚骨スープのつくり方大公開!
食品というより工業製品
前回、即席麺のスープは「白い粉」を混ぜ合わせるだけで作れるといった話をしました。
「豚骨をまったく使わないとんこつスープなんて……」
そうがっかりした読者もいるかもしれません。
「ラーメンスープ」というからには、鶏ガラや豚骨、野菜などからだしを取った「しょうゆスープ」「味噌スープ」「とんこつスープ」などを最初に作り、それを濃縮加工して粉末にしていると思っている人が圧倒的に多いはずです。
しかし、そうとはかぎりません。そんなことをしていたら、安く製造して低価格で売ることはできません。いちいち本格的にスープを作っていたら、値段は何倍にも跳ね上がってしまうでしょう。では、安い値段でスープを作るにはどうすればいいか。そこに登場するのが「魔法の粉」、添加物です。
私も過去さんざん即席麺のスープを開発しましたが、たとえばとんこつスープなら次のように作ります。まず、塩を2・5〜3・5c用意します。使うのは安い焼き塩で十分。これに「化学調味料」を加え、本能をくすぐるうまさのもとである「たんぱく加水分解物」を入れます。風味を出すための豚骨エキス、チキンエキス、さらにガーリックパウダーやホワイトペッパーなどの「香辛料」を微妙な配合で加えていきます。
ゴマや乾燥ねぎも入れます。もうひと口飲みたくなるようなさっぱりした後味にするために「酸味料」、とろみをつけるために「増粘多糖類」なども入れます。そして、塩辛さを消すための「甘草エキス」を加えれば、とんこつスープの出来上がりです。液体スープなどは一滴も使いません。すべて「白い粉」だけで作れます。
これでは「食品」というよりまるで「工業製品」です。かつて私が添加物の専門商社に勤めていたころ、担当していたある大手食品メーカーの営業マンは、「白い粉を大量に混ぜ込む製造工程を見てしまったら、とても食べる気にならない」と言っていました。
「わたしら、村の工場で作ったものは食べんよ」
「ふるさと手作り味」と称して、田舎の直売店で観光客に漬物を売っているおばあちゃんの中にも、そう言い切る人がいました。
「だって、ウチで食べる漬物にあんな粉は入れんもん」
自分たちは食べないような食品を消費者に提供していいものでしょう
か。 (つづく)
ラーメンスープもこれでできあがり!
しょうゆスープ
食塩
グルタミン酸ナトリウム
5'-リボヌクレオチドナトリウム
たんばく加水分解物
しょうゆ粉末
チキンエキスパウダー
昆布エキスバウダー
オニオンパウダー
ガーリックバウダー
ホワイトペッバー
ジンジャーバウダー
乾燥ねぎ
ゴマ
とんこつスープ
食塩
グルタミン酸ナトリウム
5'-リボヌクレオチドナトリウム
たんぱく加水分解物
豚骨エキスパウダー
ガラエキスバウダー
野菜エキスパウダー
しょうゆ粉末
昆布エキスパウダー
脱脂粉乳
ガーリックパウダー
ジンジャーパウダー
オニオンパウダー
ホワイトペッパー
甘草
リンゴ酸
ねぎ
ゴマ
※メーカーによって若干の違いがあります。(「食品の裏側」から)
あべつかさ
1951年福岡県生まれ。山口大学理学部卒業後、添加物および食料商社勤務を経て食品研究所を設立。消費者、流通業者、メーカーを対象にセミナーを開催。現在自然海塩「最進の塩」研究技術部長。著書に「食品の裏側」(東洋経済新報社)
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