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http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20060106it05.htm
研修医の労働環境は2004年に始まった新制度で改善されたとされるが、依然、7人に1人は週90時間以上の激務を強いられていることが、筑波大付属病院の前野哲博・助教授らの調査でわかった。
90時間を超えると急激に強いストレス症状が出ることも判明、研修医に限らず、勤労者の労働環境のあり方を考えるうえでも貴重なデータとなりそうだ。
調査は03〜04年、全国46か所の大学病院、医療機関で働く研修医910人を対象に行われた。労働時間、睡眠時間、自由時間や感じるストレス度などを記入してもらう方式で、研修開始前から開始9か月後まで追跡できた445人の回答を分析した。
9か月後の時点で、回答者の平均労働時間は74時間だったが、15%は90時間以上だった。これは、休日なしで1日平均約13時間働いている計算になる。
「うつ症状」「疲弊感」などのストレス反応を測る数値も、90時間以上の人は急激に高まり、それ未満の人たちに比べ40%も悪化した。特徴的なのは、90時間未満は時間が増えてもストレス度に変化がないのに、それを超えると労働時間の増加に比例して度合いが高まったこと。
労働時間が増えると、最初は自由時間を削って対処するが、90時間以上になると睡眠時間を削ることになる。その結果、患者にやさしく接することができなくなり、医療ミスを起こしやすくなることもわかった。
一方で、仕事における「自由裁量の度合いが高い」「達成感がある」「同僚、上司の支援がある」という人は、90時間以上働いていてもストレス悪化を示す数値が低かった。
前野助教授は「過酷な労働条件はストレスが高まり、医療の質の低下を招く。研修医の労働時間を80時間に制限している米国のように上限を定めることも必要。研修医の達成感、裁量度を高める指導体制の充実も急務だ」と分析している。
(2006年1月6日13時44分 読売新聞)
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