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「2006年、日米経済繁栄共有!」【ホンマかいな?】ズバリ日米経済2006年-グリーンスパンの偉業(増田俊男の時事直言)
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投稿者 まさちゃん 日時 2005 年 12 月 14 日 20:39:40: Sn9PPGX/.xYlo
 

ズバリ日米経済2006年---グリーンスパンの偉業


06年1月31日、FRB(米連邦準備制度理事会)議長グリーンスパンは退任する。彼が勤めた18年間は、まさにアメリカ経済の歴史そのものと言える。彼の癖は「長話」。特に議会証言は長時間にわたり、居眠りをする議員も多いそうだ。しかしマーケット(市場)はグリーンスパン議長の一言一句に注目する。なぜなら、長い話のどこかに「お宝」が隠されていて、その隠された議長の真意を的確に「察知」した者がマーケットで有利になれるから。

04年3月3日、私は日本の財務省、金融庁、日銀、法務省の一部の幹部の方々の朝食会に招かれ、「グリーンスパンの気持ちについて」と題してお話をする機会を得た。その頃は円高の真っ最中で、政府日銀は円売り・ドル買い介入を繰り返していた。当時、私はアメリカの住宅関連の大プロジェクト(カリフォルニア・ニューポートビーチ)に関係していたので、アメリカの不動産市場に大きな影響を与える金利動向に敏感であった。また、私はグリーンスパンがアメリカに住宅ブームを起こして世帯の資産増と、その消費波及効果を狙っていることを知っていた。

そのため、グリーンスパンは03年末まで急激な利下げ政策を採り、FF金利(実効金利目標)を1%まで下げたのである。1%とは、インフレ率を考慮すると、日本のゼロ金利に負けないほどのマイナス金利である。このマイナス金利政策は功を奏し、住宅と車の販売が急速に伸び続けていた。資金は低い金利から高い金利の通貨へ移動するのが原則だから、アメリカの低金利政策のリスクはアメリカからの資金逃避である。資金が逃避すると株や不動産価格が下がり、不況に陥る危険がある。

そこでグリーンスパンは、低金利下にありながら資金をアメリカへ惹き付ける戦略を考えたのである。彼がまず大量資金保有国である日本にターゲットを定めたのは当然である。グリーンスパンはG7等の国際的発言の機会を利用して、主要国が「市場原理に従って行動する」ことをしきりに訴えたのである。つまり、為替介入はすべきでないとも受け取れる発言であったが、結果は、アメリカの低金利政策による日米金利差縮小から、国際資金がドルから円へシフトし急激な円高・ドル安相場となった。市場に従うことを主張するグリーンスパンは、不思議なことに04年3月まで盛んに介入を続ける政府・日銀を非難することは一切なかった。私は、グリーンスパンが言う「市場に従え」は「円高・ドル安」のすすめであり、決して政府・日銀の為替介入を牽制するものではない。むしろグリーンスパンの真意は、暗に日本の為替介入を期待していると「推察」したのである。

政府・日銀は03年から04年にかけて約34兆円の為替介入を行い、政府はドル買いで得たドル(現金)で米債を買い続けた。アメリカは低金利政策により住宅産業を伸ばすことで消費を増大させる一方、日本の膨大な介入資金を米国債に誘導し、アメリカから逃避する資金をオフセットするばかりか、国内住宅ローン資金補給に活用したのである。こうしてグリーンスパンはクリントン政権末期のリセッション(不況)の危機を見事に脱し、NYダウが7700ドルから10700ドル台まで跳ね上がるほどの好況へ導いたのである。


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時として変わるグリーンスパンの真意

04年まで、アメリカの消費は順調に伸び、雇用増大も続き、さらに新築住宅数は年間200万戸を超えるようになってアメリカに好況感が満ち溢れてくると、グリーンスパンはインフレの足音を感じ始めた。04年の当初からグリーンスパンと同様に私も、このままでは必ず05年はインフレになると確信していた。グリーンスパンはマネー戦略の大御所として、また私はアメリカの不動産ビジネスに密着していたことからインフレ危機への共感があった。だから04年3月3日の朝食会で「今日からは、たとえ1ドル100円になっても絶対に為替介入してはいけない」と日本の金融・財政幹部に強く主張したのである。

私の考えがグリーンスパンと同じであったことは、政府・日銀が会合直後1兆円の逆介入(ドルが上がっているのにドル買い実施)をしたとき、グリーンスパンが日銀の介入を激しく非難したことによって証明された。以後、いかなる円高に際しても政府日銀は介入しなくなった。04年3月までのグリーンスパンの「市場に従え」は「円高、ドル安期待」であり、3月以降の「市場に従え」は日本に対する「介入するな」だったのである。


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長期金利を下げる利上げ戦略

04年6月になると、NYダウは11500ドルをうかがう水準まで高騰し、いよいよインフレの危機が目前に迫ってきたので、グリーンスパンはインフレ抑制のための利上げ政策に転向した。6月から隔月小刻みに0.25%ずつFF金利を上げ続けた結果、日米金利差拡大からドル高、円安基調になり、04年までの政府介入資金をはるかに上回る資金が05年にかけて、日本の民間金融機関や個人投資家から米債や米国住宅抵当債券を求めてアメリカへ移動した。米債券市場への過大な資金流入は、インフレ阻止のための断続的利上げにもかかわらず米長期金利を利上げ開始当時(2004年6月)より低い水準に抑える働きをしたから、高金利政策下の長期金利安となり、米住宅ブームは続行し、消費を支え続けた。こうして06年に向かって、米経済はインフレを抑えながら繁栄を持続しているのである。


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2006年、米経済リスク

グリーンスパンは低金利、高金利政策を巧みに使いこなして米経済をクリントン政権末期の不況を繁栄に導いた。グリーンスパンの金融政策は、言うなれば日本を始めとした国際資金を利用して自国の繁栄を求める戦略であった。そこには「国際資金はアメリカのモノではない」というリスクがある。グリーンスパンは06年1月末の退任前に、他人資本に立脚したアメリカのリスク経済を自立経済に変える準備を整えようとしている。ブッシュ政権はグリーンスパンの政策を支えるために「雇用促進法」(約8000億ドルの米企業海外所得を2005年末までに米国に送金し、雇用促進をもたらす設備投資に投下することを条件に本来35%の事業税を5.25%に減免する)を立法化している。これは海外の米(自己)資金の帰還を促進させることにより、利上げ政策終焉後の国際資金流出をオフセットしながら、設備投資増と雇用増大によりさらなる経済成長を狙おうとする戦略である。

06年初旬でアメリカの利上げ政策は終わり、日銀の量的緩和政策が解除に向かうと日米金利差が縮小するから、現在の為替相場は逆転して円高、ドル安になる。ドル安による米製品の国際競争力(外需)増大で住宅ブーム減速による国内消費減をカバーする。このように06年の為替はドル高、円安の逆転と共に、グリーンスパン後の米経済は自立型で安定的成長となる。日本経済は700兆円(個人預金)の眠れる潜在投資資金の支えで高騰を続ける株価の経済相乗効果で繁栄が持続する。2006年、日米経済繁栄共有!

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