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(回答先: トロイカ体制に変調も=誤発注、旧興銀勢に痛手―みずほFG 【時事通信】第一勧業、富士、日本興業の旧3行の勢力争いに影… 投稿者 Sちゃん 日時 2005 年 12 月 09 日 23:39:12)
産経新聞社
http://www.sankei.co.jp/news/evening/10iti001.htm
平成17(2005)年12月9日[金]
みずほ証券誤発注 買い残し分損失90億円超
ジェイコム株売買停止
準大手証券のみずほ証券が大量の誤った売り注文を出したジェイコム株について、東京証券取引所は九日朝、終日売買停止にすると発表した。停止期間は、みずほ証券からジェイコム株を買った投資家に引き渡す決済のめどがつくまでとしており、売買再開は白紙状態だ。みずほ証券は誤発注に気づいた直後から買い戻しを進めたが、買い残しは「市場に大きな影響があると思われる」(天野富夫・東証常務)ほどあるとされ、少なくとも九十億円を超える損失になるとみられる。
みずほ証券は福田真社長らが八日深夜に会見。誤発注の経緯について、発注を担当した社員の単純ミスで、一株六一万円の売り注文を出すところを、株数と価格を入れ違えて発注したと説明した。直後に誤りに気づき、三回にわたって注文取り消しを試みたが、作動しなかったという。
みずほ証券は数分後に四十六万七千株を買い戻し、その後も買い集めた。買い戻し総数について公表していないが、売買成立した株数をすべてみずほ証券によるものと仮定しても計五十六万四千株にしかならず、まだ四万六千株以上が市場に残っていることになる。
みずほ証券は八日、損失は最少で二百七十億円とした。しかし、ジェイコム株は八日、初値(六七万二〇〇〇円)を付けた後、誤発注によりストップ安(初値の一〇万円安)からストップ高(同一〇万円高)まで乱高下した。みずほ証券が、まだ市場に残る四万六千株を買い戻すだけでも一株あたり最大で二十万円、計九十二億円の損が出る計算だ。今後、買い戻しを進めることでさらにストップ高が続けば、そのたびに五十億円近い含み損を抱える恐れがある。
注文の取り消しがうまくできなかったのは、東証の定めた作業手順とみずほ証券側の手順に食い違いがあったためという。みずほ証券と東証のどちらに責任があるかについて、横尾敬介みずほ証券副社長は「完全にどちらに非があったとはいえない」と述べた。
みずほ証券の会見に引き続き、九日未明に会見した東証の天野常務は誤発注を取り消せなかったことについて「(東証側に)手続き上の瑕疵(かし)はない」と断言、みずほ証券と食い違いをみせた。誤発注の公表については「取引所が手口(売買注文の内容)を明らかにすることはできない。みずほ証券がするものと認識していた」と述べた。
≪「架空の株」プレミア価格で代替≫
八日、みずほ証券が起こしたジェイコム株の大量誤発注は、市場を大きく混乱させた。みずほ証券は、刻々と動いていく市場のなかで、どうすることもできずただ立ちすくんだ。今後、売ってしまった架空の株を買い主に引き渡して取引を決済する必要があるが、大量の架空の株を引き渡すことは現実的に不可能で、解決には多額の資金が必要になりそうだ。
発端は八日午前。みずほ証券は法人顧客からジェイコム株一株を六一万円で売りたいと指し値で電話注文を受けた。担当者が東京証券取引所に発注するための端末に入力する際、誤って値段と株数を逆にしてしまった。
このとき、画面には警告表示が出たが「設定を厳しく設けているので、警告が出ることは珍しくない」(みずほ証券の荒尾耿介エクイティグループ・グループ長代行)ため、警告を無視して午前九時二十七分東証に送信。
同九時二十九分、担当者は他の社員の指摘で誤りに気づき、取り消し要請の入力を開始した。しかし、三回繰り返しても取り消せなかった。九時三十二分、東証が各証券会社に設置した端末から取り消し入力を試みたが、できなかった。
東証によると、取り消しができなかった原因はこうだ。
みずほ証券の注文は一円での売りだったが、これに買いが殺到し、注文は値幅制限下限の五七万二〇〇〇円に変換された。みずほ証券は五七万二〇〇〇円の売り注文を取り消すべきところを、一円の注文を取り消そうとしたため、プログラムは反応しなかった。
この間、東証側は対応をせかしたが、みずほ証券は「今やってます」と返答。東証は待ち続けた。そのうち、みずほ証券は発注取り消しをあきらめ、九時三十七分買い戻しに動いた。東証は誤発注に直接起因する混乱は収束に向かったと判断した。
今後、みずほ証券はジェイコム株を買った投資家に株を引き渡す決済をしなければならない。みずほ証券は株を買い集める必要があるが、ジェイコム株は売買停止中で市場での調達は不可能だ。ほかにジェイコム株を持っているところから買い取る必要があるが、発行済み株式は一万四千五百株しかなく、これも無理。みずほ証券は買った投資家をこの週末にも特定して、交渉し、市場価格にある程度のプレミアムを上乗せして株の代わりとして引き渡す可能性が高い。
◇
【用語解説】空売り
実際に保有していない株式を、証券会社などから借りて売却する取引。信用取引で使われる手法で、一定期間後に市場で同じ株を買い、売った値段と買った値段の差額を決済する。株価が下落すると予想される場合に活用され、実際に株が値下がりすれば利益が得られるが、反対に株価が上がると損失が出る。みずほ証券が保有していない大量のジェイコム株を誤って売ったのは、信用取引ではないが、事実上の空売りとなる。ジェイコムの発行済み株式総数を上回る売り注文をしたため、どう決済するかが焦点となる。