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http://bewaad.com/20051209.html#p01">リフレ派の問題点
「インフレになれば金利がその分上昇する。デフレは実質金利を押し上げるのでよくないが、インフレ率が0を超えても実質金利は変化しない」というフィッシャー効果によるインフレ無効論については、「フィッシャー効果は予想インフレ率に対応するものだから、現実のインフレ率を反映しない」とした上で、「大恐慌からの回復過程では予想インフレ率が長らく実際のインフレ率を下回ったために金利が抑制された」と安達さんは説く。当然ながら、21世紀の日本が同じ道程を歩む保証はない。
結局のところ、インフレ率が安定すれば長期的には予想インフレ率と実際のインフレ率は一致し、リフレ政策による景気回復効果は失われる。ただし、物価指数は統計作成上の問題から、実際の物価よりも1%程度高く出る傾向がある。また金利は0%を下回らない下方硬直性があるため、政策マージンを少なくとも1%は確保しておくべきである。……というわけで、フィッシャー効果が現れリフレ政策の効果が消えたら、2%程度のインフレ率を目指すことになる。
リフレ政策で失業率が低下するのも同じような話。賃金は下方硬直性があるので、簡単には下がらない。デフレで9割の国民は生活が改善するのは、このためだ。1割の負け組だけが悲惨な失業や賃金切下げへと追い込まれる。逆にインフレ傾向が明らかとなっても、賃金はそう簡単には上がらない。無論、人手不足は即座に解消する必要がある。労働需要が逼迫すれば否応なく給与は上昇するが、現在はデフレ不況の最中なので失業者が大勢おり、当面は賃金が据え置かれる。
しかし、今後貯蓄投資バランスにおける貯蓄超過が老齢人口比率の増加により減少することを考えると、リフレ局面終了時のインフレ率安定期には注意が必要です。金利が高止まりとなる要因として考えられるのは、
1.リフレ局面において歳入増加率を下回る歳出増加率に抑制できず、民間資金需要の高まりと競合してクラウディングアウトが生じること。
2.資本流入に係る障壁が存在し、1により金利が下がらない場合に国際的な裁定が機能しないこと。
の2点でしょう。これらを回避するための施策の必要性を否定するものでは全くありません。
(コメント)
投資した資産が高値になれば資産と負債のプライマリーバランスの引当金を無くすことが可能になるが、投資した資産が安値になれば、投資が赤を生むことになる。規制緩和で金利が安くなっても、銀行からの借入れ需要は起こらない。日銀は0金利下での操作の無効性を訴えていた。レート差でのインフレ期待の投資で世界の投資マネーを集中させることによって、債券インフレがおき、ようやく株価最安値からの脱却が可能になった。つまり、中央銀行の金利操作のみでは安定的な経済成長が望めないことが判明された。
しかも、通貨差を狙った投資は公定歩合操作だけでは資金移動(金利が高い方へ移動する)が市場経済における高止まり、安止まりを防ぐことは可能にならず、公的資金投入(オペ)によって、通貨の高止まりを防ぐことになり、この資金がそのまま投資に繋がり、株の市場を拡大させた。
ならば、金利操作ではなく、金融資産を多量売却することによりインフレを抑えることのほうが有効なのではと考える。クロス取引の活性で資産を膨らますことを目標とする投資家が多いが、買いと売りを同時に繰り返すことにより、消費にかかる税金が免除される。ただ、債券を膨らませ、プライマリーバランスを正常化させていることになり、500兆円規模に拡大した経済成長から税金は生まれにくく、雇用も増える見込みは極めて薄い。
金利操作はインフレを防ぐつもりが、資産購入の際に実質金額を押し上げることになり、引当金が企業運営を圧迫させる。護送船方式を廃止したのならば、公定歩合操作も廃止すべきであり、日銀の金融引き締め、緩和も日銀の信頼回復のために見直すべきだと考える。債券を膨らませることが目的の株価高騰なら、弾け飛ぶ可能性が高い。
急高騰後に90年バブルが弾け、この時は金融緩和が引き金だった。つまり、FRBの意向を無視すると手痛い仕返しがくることを学んだ。金利操作の覇権こそが失いたくない権利であり、資産インフレが起こると高掴みをしたくない投資家が買い入れを控え、需給ギャップが生まれる。金融関連では、金利操作で取れる内に利益を吸い上げておき、バブルが弾けた後に備えておくのが常識なんだと理解し、バブルは必ず弾けることも定説である。
心からのリフレ信仰者はいないこということも考えられる。投資した資産が利益を生まないデフレを信仰している訳ではなく、安く買って高く売りたいのは商売人の鉄則である。金融が資産を安く仕入れ高く売ろうと考えるから、インフレやデフレが起こるのであり、モラルハザードは鉄道などの大型融資の焦げ付きから端を発し、アメリカでは貸し倒れリスクが金利高を常套としている。
クロストレードが活性の市場において、一般家計への資金還元は極めて微量だろう。
http://blog.goo.ne.jp/nagase72/e/41684647b58d24ca478729e6f21acd48