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ヒルズvs.ミッドタウン 東京「六六戦争」の行方 【AERA編集部・後藤絵里】
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投稿者 愚民党 日時 2005 年 11 月 24 日 07:25:31: ogcGl0q1DMbpk
 

ヒルズvs.ミッドタウン 東京「六六戦争」の行方
(2005年11月14日号)

 ライブドアに楽天に村上ファンドと、話題の企業満載の六本木ヒルズ。その強力なライバルが、全容を現し始めた。1年後に開業する「東京ミッドタウン」だ。

   ◇

 「オフィス棟の4分の3は契約完了。残りも契約一歩手前の『濃い』交渉に入ってます」

 森ビルの六本木ヒルズから北へわずか600メートル。防衛庁跡地の建設現場で、三井不動産ビルディング営業二部の山村知秀さんは「満室開業」に自信をみせる。

 東京ミッドタウンは商業施設やオフィス、マンションから成る複合再開発ビルで、三井不動産にとっては「後にも先にも最大のプロジェクト」(山村さん)だ。

 今月8日には、ライバルであるヒルズの森タワー40階の会議室をレンタルして、今年2回目の記者発表会を開き、マンションやホテルの詳細を説明する。「ミッドタウンの全体像がよく見えるからです」(広報部)というが、何とも大胆な戦法だ。

 三井不動産が7月に公表した入居予定企業の名前は関係者を驚かせた。早々と内定した富士ゼロックスと富士写真フイルムに、ヤフーが加わったのだ。しかも一気に10フロア前後を借りる大口契約。ヤフーといえば、03年4月のヒルズ開業当初から入居する新興IT企業の代表選手で、ヒルズの顔ともいえる存在。事業規模で見れば堀江貴文氏のライブドアや三木谷浩史氏の楽天とは桁けたが違う。契約が決定すると、三井側には驚きと喜びが広がったという。


 賃料改定に戦々恐々

 当のヤフーは、「業容拡大で社員が増えたので入りきらない分を移すだけです。数年後にはあと1万坪以上必要になる。広さを確保できて、電気系統やセキュリティーも確実、という点でミッドタウンにしました。本社機能はあくまでもヒルズです」と説明する。

 ヤフーはこの2年で急成長した。ヒルズ入居直前の03年3月に単体で約600人いた社員は今年3月に約1300人に。今も毎月50人規模で中途採用している。入居当初は25〜27階の計3フロアだったが、今は5.5フロアを使用。それでも足りずに、今年汐留地区の別のビルに増床した。

 「本来はヒルズにすべて納めたいのですが、まったく空きがないそうで……」(ヤフー管理部)

 ヒルズに入るITやサービス系の新興企業には、積極的なM&Aで成長を続ける企業が多い。成城石井やam/pmを買収したレックス・ホールディングスは規模拡大に伴い、5月に森ビル所有の港区の別のビルに移転したが、その跡地は既存テナントの借り増しですぐに埋まった。森ビルによるとタワーに入居する約40社のうち16社が増床したという。現在の入居率は100%で、入居待ち企業もある。テナントの旺盛な成長が入れ替えも促すヒルズならではの現象で、これがミッドタウンの商機にもなった。ヤフーは昨年から増床できる場所を探していたが、ある日、ミッドタウンの営業担当が直接訪ねてきたという。

 2大対決を盛り上げるのが、市況の改善による賃料の上昇だ。生駒データサービスシステムによると、中央区や港区など都心にある設備のいい大型ビルの今年9月の空室率はわずか1.7%。7〜9月竣工の3棟はすべて満室稼働で、「需給はかなりタイトな状況」だという。

 こうなるとオーナー側は強気だ。森ビルは今年、ヒルズの新規テナントに対して10%程度の賃料引き上げを決めた。既存テナントにも引き上げを示唆している模様だ。都心で大型オフィスビル建設が集中し、供給過剰が「2003年問題」と騒がれた年に開業したヒルズは、低い賃料水準でスタートせざるをえなかった。賃料などの契約内容は森ビルと各テナントが厳しい守秘義務契約を結んでいるため正確な実態はつかめないが、ある小口のテナントの賃料は1坪3万円台後半。開業当初は契約期間の長さや借り床面積に応じて一定期間の賃料を免除する「フリーレント」の仕組みもあり、業界内では、「平均すると古株で大口なら1坪2万円台後半〜3万円台前半」と試算されている。

 その賃料水準も最近は「フリーレントなしで4万円台半ば」(業界関係者)まで回復しているというから、契約更改を控えるヒルズの既存のテナントは戦々恐々だろう。ただ、強い需要を見越してか、ミッドタウンも賃料を割安にしている気配はない。もちろん「賃料が同じなら新しいビルの方がいい」という考え方もあるが、移転となると内装の原状回復が必要で、テナントはその費用を負担しなければならない。それでも、ヤフー以外にも一部移転を検討している企業があるといううわさは絶えない。

 二つの再開発は共通項も多いが成り立ちは大きく違う。ヒルズは既成の密集市街地で400件以上の地権者を調整し、竣工までに17年かけた息の長い開発だ。ミッドタウンは01年に巨大な防衛庁跡地を三井不動産を含む企業コンソーシアムが落札。04年の着工から3年たたずに完成する。

 

 回転ドアは設けず

 当然のことながら、後発のミッドタウンはヒルズを意識した。例えば高さ。現場を案内してくれた担当者は誇らしげに、「あちらより10メートル高いんですよ」。

 緑化対策でヒルズが日本庭園や水田を設ければ、ミッドタウンは開発区域の4割を緑地帯にし、ジョギングコースまでつくる。自動ドアはすべて左右開閉式。ヒルズ開業1周年のときに死亡事故が起きた回転式は一つもないという。

 集客のかぎとなる商業施設では、ヒルズは「オンリーワン」を掲げて高級ブランドや東京初進出のテナントを誘致し、深夜上映もする映画館も入れて遊び場としての要素もちりばめた。タワー内の会員制クラブでは、経営者たちがワイン片手にビジネスを語りあう。そうした「華やかさ」に対し、ミッドタウンの商業施設のテーマは「上質な日常」。現在テナント選定の真っ最中だが、「周辺に住む人たちの生活の質の向上を考え、パンやワイン、生鮮三品など普段使いの店に力を入れる」という。


 セレブ対エリート演出

 一方で関係者の一人は、「オフィス棟はジーンズよりスーツ姿が多くなる」。つまり、ホリエモンのTシャツとは一線を画します、という意味だ。

 事業部長の市川俊英さんは、「違い」をこう総括する。

 「ヒルズは修学旅行生も訪れる一大観光スポットですが、うちは落ち着いた大人の街にしたい。オフィスと飲食ゾーンの動線を分け、商業店舗数も半分に抑えました」

 「先輩」ヒルズは余裕たっぷりだ。

 「あちらがどんな街になるのか見えないけれど、ヒルズは文化の発信拠点になるという思想を明確に打ち出し、実際にそう動いています。新しさだけが街の魅力ではないはず。我々は時間をかけて街を発展させていく」(辻慎吾タウンマネジメント部長)

 マーケティングコンサルタントの西川りゅうじん氏はこう語る。

 「ライブドアや楽天も以前は無名に近いベンチャーだった。森ビルも港区発祥のベンチャー企業で、ヒルズの開発自体がリスクを負った事業だった。ヒルズはアントレプレナー(起業家)の聖地であり、各界の著名人が織りなすセレブ文化の発信地となった。対するミッドタウンはよりビジネスエリート系。双方の魅力の相乗効果で、大人の社交場だったかつての六本木が復活するかもしれません」

 (AERA編集部・後藤絵里)

http://www.asahi.com/business/aera/TKY200511160228.html

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