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(回答先: Re:貯蓄過剰は全国民レベルの話ではないよね。貯蓄がない人が増えているのだから 投稿者 たかす 日時 2005 年 11 月 15 日 18:02:23)
ちょうど今、スレッドで紹介されている『日本を滅ぼす経済学の錯覚』を読み終わったところである。
著者である堂免 信義氏は、貨幣経済の本質的論理を名だたる経済学者よりも的確に理解しているひとである。
惜しむらくは、近代経済世界(資本制経済)に経済活動の目的性や基本論理を軽視していること点である。
そのために、現実の資本制経済が貨幣経済の本質的論理に矛盾する動きを続けている問題の説明が不足している。
『日本を滅ぼす経済学の錯覚』は、貨幣経済と近代的生産様式を基礎とした国民経済(国民総体)はどのように動くことで国民総体が豊かになれるのるかという視点で書かれている。
それは、国民経済は国民総体の生活向上に資するためにあるという前提に立っていることを意味するから、極めて“健全”な思想に基づいて書かれていると言えるだろう。
(そのために、現実として経済社会で活動している企業や家計の視点が乏しいように思われる。抽象的なマクロ論理が優位になりすぎており、リアルな活動主体である企業や家計の論理が軽んじられているように見受けられる)
『日本を滅ぼす経済学の錯覚』ほど「貨幣経済の本質的論理」についてわかりやすく説明された書籍を知らない。
いくつかあげたような難点が書籍の価値を損ねることはまったくなく、貨幣経済の基本論理を理解するための糧として、952円を支出し数日という時間を費やす意義があると思っている。
経済について興味があるかたは是非ともお読みいただきたい書籍である。
>Re:貯蓄過剰は全国民レベルの話ではないよね。貯蓄がない人が増えているのだから
『日本を滅ぼす経済学の錯覚』を読めば(半分ほど通読する必要はある)、「貯蓄過剰は全国民レベル」の話であることがわかるはず。
「貯蓄がない人が増えている」のは、所得の多い家計や企業が貯蓄(非消費)に励み消費ないし投資を減らしているのが根源的要因と、『日本を滅ぼす経済学の錯覚』で説明されている。
(マクロ的な貯蓄過剰が、貯蓄がない家計を増やしているという論理)
著者はマクロ的な視点や論理への志向が強いひとのようなので、国民経済全体で貯蓄過剰であれば全国民レベルとなるし、マクロ的説明としてはそれで問題はない。
>>社会全体の貯蓄は不変であるから、ひとりの貯蓄は他人の収入を減らす、そして、
>>借金は他人の収入を増やすことになる。だから、借金は経済を成長させる。貯蓄は
>>経済成長を阻害することになるという。
>君はサラ金屋か。
著書の書き方の問題もあるが、貧乏人が借金して消費に現を抜かすことを主張しているのではなく、企業が手持ち資金で足りない設備投資などを借り入れてでも実行しないと経済成長は低迷するという意味で書かれたはず。
>>ここから導かれる著者の結論は、平成不況の原因は貯蓄過剰、ということである。
>>そして、日本が抱える財政赤字の大問題、目前に迫っている国家破産の危機。これ
>>に対する著者の処方箋は……。
>貧困層を除く一部の人が、ですね。
著者の価値観(目的)は、国民すべてが豊かな(高級な)生活を営める国民経済を実現することである。
そのための著者のキーワードが、過剰貯蓄=阻害要因・借金=達成要因なのである。
財政赤字の処方箋として、相続税強化や累進所得税強化の政策(たんなる強化ではなく智恵を絞ったアイデアが欠かれている)も掲げられている。
著者の処方箋は、政治的問題はともかく、貨幣経済の説明と違って、経済論理として首をかしげざるを得ないものも多い。
それらも、著者のまじめさ(価値観)に由来するものであろと推察している。
また、国家破産の到来を確実視しているのも、一歩踏み込んだ考察が足りないゆえであろう。
共産党や社民党は、『日本を滅ぼす経済学の錯覚』を読み込んで、経済論理に即した経済政策の立案に役立てて欲しい(笑)。