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「為替」 バーナンキ発言で米債券利回り低下、ドル軟調118.71円まで下落／ニューヨーク外国為替市場概況
「バーナンキ発言で米債券利回り低下、ドル軟調118.71円まで下落」ニューヨーク
概況 2005年11月16日（水曜日）−株式会社フィスコ 平松 京子 片山 善博
[ニューヨーク外国為替市場概況]
*07:33JST 「バーナンキ発言で米債券利回り低下、ドル軟調118.71円まで下落」
【ロンドン市場概況】
15日のロンドン外為市場では、ドル・円は、118円81銭から118円90銭で小動きの
後、ユーロやポンドの下落（ドル買い）をきっかけに119円00銭のオプションバリア
ーを試す動きが強まり、上抜け後ストップロスのドル買いが続き、119円40銭まで上
昇した。
ユーロ・ドルは、ショートカバーのユーロ買いで1.1693ドルから1.1714ドルまで
上昇後、11月ZEW景気期待指数が予想を下回ったことを受けてユーロ売りに転じ、
1.1654ドルまで下落した。ポンド・ドルは、イギリスの10月消費者物価指数が予想
をやや下回ったことをきっかけにポンド売りが優勢になり、1.7398ドルから1.7319
ドルまで下落した。
ユーロ・円は、香港などからの買いで138円98銭から139円22銭まで上昇後、ユー
ロ・ドル、ドル・円の動きに挟まれて138円86銭から139円18銭でもみ合いになっ
た。ドル・スイスは、全般的なドル買いを受けて1.3157フランから1.3228フランま
で上昇した。
【経済指標】
英・10月の消費者物価指数（EU基準）：前年比+2.3％（予想+2.4％、9月+2.5％）
英・10月の小売物価指数：前年比+2.5％（予想+2.6％、9月+2.7％）
英・10月の実勢インフレ率：前年比+2.4％（予想+2.4％、9月+2.5％）
ユーロ圏・7-9月期のGDP速報値：前期比+0.6％（予想+0.5％、前期+0.3％）
独・11月のZEW景気期待指数：38.7（予想44.0、10月39.4）
【要人発言】
独欧州経済センター（ZEW）
「ECBの利上げ観測の高まりが、独景気見通しの圧迫要因になっている可能性」
【ニューヨーク市場寄付】
ドル・円：119円26銭、ユーロ・ドル：1.1665ドル、ユーロ・円：139円11銭、ポン
ド・ドル：1.7336ドル、ドル・スイス：1.3221フラン
【ニューヨーク市場概況】
15日のニューヨーク外為市場では、ドル・円はNY連銀製造業業況指数などの良好な
経済指標で一旦119円34銭まで上昇したものの、バーナンキ次期FRB議長候補が公聴
会でインフレ目標政策を示唆し、現在よりもタカ派色が弱まるとの市場憶測で債券
利回りが低下した事から118円71銭まで下落し、118円90銭前後で引けた。
ユーロ・ドルは1.1653ドルからアジア中銀の買い観測やショートカバーを受けて
1.1730ドルまで上昇し、高値圏で取引を終えた。ユーロ・円は一旦138円96銭まで下
落した後139円38銭まで反発した。ポンド・ドルは1.7310ドルから1.7387ドルまで上
昇した。ドル・スイスは1.3242フランから1.3160フランまで下落した。
【原油市場】
原油相場は反落。原油消費量の多い米北東部は温暖な気候が続いており、「明日の
週次原油在庫は6週連続で大幅に増加する」との観測を受けて売りが優勢となった。
例年、原油在庫は11月に入った辺りから減少する傾向にあるものの、今年の在庫推
移は依然として増加傾向にあり、供給懸念が乏しい事から売り圧力が強まりやすい
状況にある。NYMEX原油先物価格（12月限）は下落基調を続け、結局56.98ドル（前
日比1.2％安）で取引を終えた。次の重要な下値メドは今年7月の安値56.10ドルとな
っている。
米週次の原油在庫統計の事前予想：前週比+200万バレル、前回+442万バレル
【オプション動向】
ドル・円スポット相場は、「当面、日本の金融政策変更なし」との憶測が広がり、
金利差拡大に伴って2003年8月以来の119円43銭まで上昇した。市場の予想通り、緩
やかに上昇を続ける相場を受けたオプション市場では、120円を目指す展開に短期変
動率で1ヶ月物は上昇するものの中長期での動意は乏しい。1ヶ月物は7.900％から
8.000％へ上昇、3ヶ月物は8.075％から7.975％へ低下、6ヶ月物は8.125％で昨日と
同水準、1年物は8.200％から8.250％へ上昇した。
リスクリバーサルでは、120円を目指す動きに円コール買い意欲は若干弱含んでいる
ものの115-120円のレンジ取引との観測も多く、大きな動きには繋がっていない。25
デルタ円コール・ドルプット、1ヶ月物は+0.300％から+0.25％、3ヶ月物は+0.45％
から+0.40％へそれぞれ縮小、6ヶ月物は+0.725％で昨日と同水準となっている。
【株式市場】
NY株式相場は下落。朝方は前日比変わらず水準で始まった後、小売りの米ターゲッ
ト(TGT)が売上予想を引き下げた事が嫌気されて引けにかけて下落幅を広げる展開と
なった。しかしながら、NY連銀指数などの経済指標が予想以上に強かったほか、原
油価格が続落した事から下値は限定的。セクター別では、ヘルスケア機器・サービ
スと医薬品・バイオが上昇する一方、小売セクターや自動車・同部品が軟調。ジョ
ンソン&ジョンソン(JNJ)は医療器具メーカーのガイダント(GDT)と当初の提示額より
40億ドル少ない215億ドルの買収で合意に達し両社とも上昇した。また、アマゾン
(AMZN)はAT&T(T)に替わってS&P500銘柄に採用されるとの報道で上昇。一方、小売り
大手のターゲット(TGT)は11月の売上予想を引き下げた事で大幅安。ダウ構成銘柄で
は、ファイザー(PFE)はコレステロール低下剤のリプターの安全性を疑う調査結果が
明らかとなり下落。また、ホームデポ(HD)は予想を上回る決算を発表したものの、
売りに押された。結局ダウは10.73ドル安の10686.44、ナスダックは14.21ポイント
安の2186.74で取引を終了した。次期FRB議長のバーナンキ氏の公聴会で発言を受け
て長期金利が低下したことも、相場の下支え要因となっている。
【経済指標】
米・10月の生産者物価指数（PPI）：前月比+0.7％（予想±0％、9月1.9％）
米・10月のコアPPI（食品＆エネルギー除く）：前月比-0.3％（予想+0.3％、9月
+0.3％）
米・10月の小売売上高：前月比-0.1％（予想-0.7％、9月+0.3％←+0.2％）
米・10月の小売売上高（自動車を除く）：前月比+0.9％（予想+0.2％、9月+1.4％←
+1.1％）
米・11月のNY連銀製造業業況指数：22.8（予想16.0、10月12.1）
【要人発言】
モスコウ・シカゴ地区連銀総裁（投票権有）
「インフレ、インフレ予測を抑える事が適切な政策」
「今のところ、更なる緩和的政策解除の可能性が高い」
「米経済から多くの中だるみは除去された」
「住宅市場の下落はある程度の影響を消費に与えよう」
「住宅市場、エネルギー価格の動向が景気のリスク」
「ハリケーンによる影響は緩やかなもの」
「製造業は歴史的水準から若干下回る」
バーナンキ次期FRB議長候補
「政策は長期的な価格抑制が基本である」
「グリーンスパン米FRB議長の政策を継続する事が最優先課題」
「グリーンスパン米FRB議長のリスク管理法を指示」
「金融政策は一貫性を持ち、柔軟である事が必要」
「堅調な経済には低インフレ予想が基本」
「インフレ目標政策にはいくつかの利点がある」
「インフレ目標政策導入には更なる研究が必要」
「インフレ目標政策は現在の連銀政策に一致している」
「政治的には完全に独立していく」
「政策の透明性を作っていく」
「強い経済成長はインフレを引き起こさない」
「低いインフレの基では更なる成長が可能」
「連銀の役目はインフレを低く安定させる事にある」
「いずれ経常赤字は縮小させる必要がある」
「中国人民元政策は米国赤字の是正に繋がる」
「中国は人民元の柔軟化に更なる努力が必要」
「中国の更なる人民元改革を必要」
「世界の貯蓄が低金利を助けている」
「米国経済は強く、来年度は更なる成長を予想」
「主なインフレリスクはエネルギー価格の高騰」
「コアインフレはかなり低く推移している」
「海外投資家のドル保有に大きな変化はみられない」
「柔軟な人民元は中国の利益にかなう」
「通貨変動性は経常赤字の縮小に貢献」
ファーガソン米FRB副議長
「連銀は資産価格に注目すべき」
カルアナスペイン中銀総裁
「リスクに気付かない事は安定性への脅威となりうる」
【ロンドン市場始値-ニューヨーク市場終値】
ドル・円 118.88 119.43 118.71 118.9
ユーロ・ドル 1.1695 1.1730 1.1640 1.1719
ユーロ・円 139.13 139.38 138.86 139.35
ドル・スイス 1.3169 1.3243 1.3156 1.3168
ポンド・ドル 1.7380 1.7398 1.7305 1.7354
株式市場：
NYダウ 10697.01 10741.99 10664.27 10686.44
ナスダック 2198.46 2204.69 2181.92 2186.74
債券市場： （始値） （終値）
米国債30年物 4.798 4.749
米国債10年物 4.604 4.559
先物市場：
NY金先物 469.0 470.8 467.7 469.0
NY原油先物 57.60 58.40 56.90 56.98
シカゴ日経平均先物 14100 14125 14050 14075
（フィスコ） - 11月16日7時37分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051116-00000003-fis-brf
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。