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● amazonのレヴュアーの全員が最高評価。
私も読んだだけど、目から鱗が落ちたかんじ。
でもどこかで読んだような文章。 気のせいかな。。
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単行本: 264 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 光文社 ; ISBN: 4334933645 ; (2005/10/01)
過剰な貯蓄は国を滅ぼす害悪だ!
日本人なら誰でも、貯金は素晴らしいと教わってきたはずだ。しかし、カネを貯めこめば貯めこむほど、市中に出回るカネは減るから、経済全体が縮小されていく。
その昔、江戸っ子は宵越しのカネは持たないと言われた。その江戸っ子が、ある日全員で儲けた金の5%を貯金したとする。翌日は、全員稼ぎが95%。翌日も5%ずつ貯金していけば、なんと10日で当初の6割以下にまで経済が縮小してしまうのである。
これが現在の日本の不況の根本原因だ。なのに、あいかわらず多くのエコノミスト・経済学者はとんちんかんなことを言っているし、そもそも言ってることが全員違う。本当に正しい原理は何なのか?
本書は、経済学が根本で誤解(錯覚)している点を指摘し、新たな視点で経済構造を解明する。
誤った常識から目覚めたとき、日本が抱える経済の諸問題は解決され、人々はより豊かに暮らすことができるのである。
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我々日本国民は著者の経済理論を応援しようではないか!, 2005/10/16
レビュアー: vivekatrek (プロフィールを見る) 大阪府枚方市 Japan
本書の“輸出入の本来の目的は「交易」”(p.155)、“いいことずくめでない自由貿易”(p.158)、“自由貿易を貿易戦争にする現代技術”(p.168)、などを読むと、米国経済の根本課題が当時のアナリストの予想外の所にあることを指摘した『貿易は国を滅ぼす』(ラビ・バトラ著1993年)を思い出した。
ラビ・バトラの主張は、“米国国民の生活水準の低落を招いた元凶は、自由貿易の拡大である。自由貿易の拡大は、製造業の労働生産性を損ない、一般労働者の実質的所得を低落させる。つまり、一国の経済的繁栄は、貿易の拡大ではなく、国内の製造業の発展によって行われるのである。従って、ある種の保護貿易主義こそが米国経済再生の鍵である。関税率を1973年以前の状態にまで引き上げ、国内の製造業を外国からの輸入攻勢から保護した上で、競争を活性化させることが米国経済を復活させる最善策である。”というものである。
こうしたラビ・バトラの直感に、本書の著者は理論的解明を与えたと言える。著者の理論が基本的に正しいことは、ラビ・バトラが直感では気づかなかった広汎な課題を捉えることに成功しており、しかも課題の深堀ができたお陰で検討すべき価値ある対策方法を明確に示し得たことである。
経済を分かりやすく説いた小室直樹が絶賛した上記ラビ・バトラの著書を上回る本書の登場によって、日本が経済で新たなリーダーシップを取ることが可能になる。
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日本経済に対する鋭い洞察力。強くお勧めです。, 2005/10/15
レビュアー: みちのく太郎 (プロフィールを見る) 神奈川県 Japan
経済素人の私でも、最初から最後まで興味深く読めた。
「貯蓄→投資」ではなく「投資→貯蓄」なのだという主張は大いに納得。経済現象・国家財政への見方が変わりました。素人とは思えない日本経済に対する鋭い洞察力。超一押し本です。
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自分の頭で考えることの大切さ, 2005/10/15
レビュアー: kenkouhoushi 神奈川県川崎市
〜著者はその際立った聡明さで関係者の間では知らぬ人のない存在である。
その彼が全知全能を傾けて書き上げた本書が面白くないわけがない。
本書の爽快さは、経済学という一見確立された学問領域も、素朴な疑問から出発して一歩一歩筋を追って考えて行くと意外にも錯覚に満ちあふれいることを解き明かした、その<理屈>の力にある。
そして、その錯覚が今まさ〜〜に日本を底なしの国家破産に引きずり込もうとしていることが述べられるくだりでは身震いを覚えるともに、著者によって意外な、しかし筋の通った解決策が提示され、一種さわやかな感動を与えられる。
権威によらず、自分の頭で徹底的に考え抜くことの価値をあらためて認識させられた書物であった。
一部の説明が過度に単純化されていたり、制限付きで成り立〜〜っていたはずの<理屈>がいつの間にか普遍的なものとして扱われるなど、読んで行く途中で首を傾げることもあったが、何度も繰り返し頁を繰っているうちに、次第に本質が理解できるようになった。
いい加減なところで妥協せず、自分が納得しながら読み進むなら、その思考プロセス自体がいつの間にか読者に考える力を与えてくれる、そんな不思議な本でもある。
〜〜経済学者の側からの反論をぜひ聞きたい。〜
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近年最高の経済関係書(だと思います), 2005/10/05
レビュアー: programmerd (プロフィールを見る) 千葉県市川市
「赤字国債の大量発行で日本経済が崩壊する!」いわゆる国家破産本の主張では、国債発行額が国民金融資産を上回ったとき、すなわち担保となる原資が底をついたときに信用不安が始まると説いている。だから、債務総額が実際いくらなのかがいつも問題になる。しかし、このもっともらしい言説は、国民の金融資産がそもそもどこからやってきたのかを説明していない。金融資産(貯蓄)とは何か?国債とは何か?これまでの経済学(特にマクロ経済学・財政学)はこの本質的議論を置き去りにして、数字のやりとりだけに目を奪われていたのではないのか?
著者の主張は極めて明快で、国民の金融資産は、赤字国債などの財政出動が転移されたものであり、よって、国民金融資産が国の債務と相殺し消滅するのはまったくの道理なのである。問題なのは、お金が金融資産として滞留し、流通過程を通して新たな信用創造を産まないこと、すなわち金融資産の持ち過ぎが、経済成長を阻害していることなのである。
それでは、赤字国家からの脱出に希望が見えるのか?著者は、新規需要を創造することはもちろん、日本の公共機関やその外郭団体が有する不透明で信用創造を伴わない、私的蓄財同然の事業と体質を見直すことを足がかりに、国家財政の均衡を図るべきとする。また、流通していない金融資産に高率の税(相続税等)をかけ、お金を返すべきところに返すことを提唱する。
経済学の素人が書いたとは思えない明晰さにより読後は爽快だが、日本救済の処方箋については、著者のように楽観的になれない。なぜなら、財政改革の端緒とは、詰まるところ正しい経済観念の普及と民心の改革を求めるものであり、結局はそこを乗り越えるのが一番難しいと思うからだ。
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● 次はbk1のレビューから。
読んでみると案外当たりも多い光文社のペーパーバックス。
本書はなぜ日本の経済が停滞し現在に至るのか、そしてそれに対してどう解決すべきなのかを考えさせてくれる一冊である。昨今、日本経済の現状をレポートしている書籍には事欠かないが、財政赤字が雪だるま式に膨らんでいるのになぜ個人の金融資産が増え続けているのか。一方で景気は回復したと言われているのになぜ貯蓄ゼロの世帯は増え続けているのか。それに言及し、分析をしているものは意外と少ない。
単純に増税したところで、今の財政赤字が生まれるしくみを根本的に変えないことには本質的な問題の解決はない。ただそれをどう解決していくのか現時点の政府からは見えてこないのが現状であり、郵政改革を行ったところで財政赤字の解決には繋がらない。今後日本経済を立て直すためには勢いやイメージにだまされるのではなく、国民の一人一人が今何が起こっているのかを理解し、どうすべきなのか考えていく事が必要になってくる。本書はそれを考えてみるにあたって非常に分かりやすく解説し、考えさせてくれる一冊ではないだろうか。
() at 10/31 09:53
美しい日本をつくろう
k−kana
2005/10/26 20:52:58 評価 ( ★マーク )
★★★★
いつもの習慣で「あとがき」をまず読む。ここには著者の思いが直截に書いてあるはずだ。しかし、本書には思いもかけないメッセージがあった。著者は「美しく豊かで安全な日本をつくる」ことが願いだという。そのために、まずは経済を自分の頭で考えることが必要だと。それにしても、著者は生粋のエンジニアである、経済学へどのようにアプローチするのか興味深い。
第一に、「貯蓄は善」とする常識への疑問からスタートする。「経済にとって貯蓄は危険なのではないか」というテーマだ。社会全体の貯蓄は不変であるから、ひとりの貯蓄は他人の収入を減らす、そして、借金は他人の収入を増やすことになる。だから、借金は経済を成長させる。貯蓄は経済成長を阻害することになるという。明快な主張だ。
さらに、「貯蓄→投資」(貯蓄が投資に向かう)という錯覚があるという。逆に投資を起点とすること。投資活動により貯蓄が自然に増えるだから、本来「投資→貯蓄」と考えなければいけない。貯蓄そのものが投資であり、貯蓄と投資は別のものではない。最初に「貯蓄ありき」ではない、と断じる。投資の結果が貯蓄になる。これは人間の行動に基づいたもので自然発生ではない。
ここから導かれる著者の結論は、平成不況の原因は貯蓄過剰、ということである。そして、日本が抱える財政赤字の大問題、目前に迫っている国家破産の危機。これに対する著者の処方箋は……。
著者の主張のバックグランドには、経済世界が、あたかもデジタル・コンピュータのように、整然と機能するという前提条件があるように思える。投資が――経済が人間活動であるがゆえに、特に短期的な視点からは――途中で脇道にそれて埋没したり、時間がとんでもなく掛かってしまったり、意図的にひどく歪曲されたりとか、きちんとした生産活動に結びつかないといったケースが多いのではないか。このような現実世界の阻害要因は個々それぞれにメカニズムがあるということか。
著者の壮大な意図――経済学の基本的な過ちを提起したい――にもかかわらず、本書は「美しい日本をつくろう」という「警世の書」となっている。