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多額の赤字を抱える新交通システム「桃花台線」の存続への道が険しさを増している。いったんは存続の方向が見えたものの、前提となる新システム導入のための費用が当初見込みより大幅増となることやシステム開発の遅れなどの問題が次々に判明。愛知県は今年度中に存廃を決める方針だが、週内に開かれる小牧市などとの連絡会議では議論の「仕切り直し」を余儀なくされそうだ。
「廃線になったらどうやって通えばいいか」(名古屋市内の大学に通う女子学生=18)。「赤字なら仕方ない。車で春日井駅まで行って乗り換えるだけ」(岐阜市へ通勤する会社員=61)。名鉄小牧駅に接続する桃花台線小牧駅。桃花台線を利用する地元住民は複雑な思いを抱えている。
一九九一年、愛知県や小牧市などが出資する第三セクターとして開業した桃花台線の現在の利用客数は予想を大幅に下回る一日約三千五百人。六十億円を超える累積赤字を抱え、経営難に陥っているのが現状だ。
同線について、県の有識者会議は今年三月、愛知万博(愛・地球博)会場で運行したトヨタ自動車の「IMTS」技術を応用した新システム「磁気誘導式バス」への移行による存続の可能性を提言した。
これを受けて、県は、来年度に運転資金が枯渇することもあり、「遅くとも年度内に結論を出す」(神田真秋県知事)とした。
だが、十月を過ぎても、県や小牧市などの話し合いは「ほとんど進展していない」(関係者)状況だ。
採用予定だった磁気誘導式バスの導入については車体の開発費などが膨らみ、当初予定の十八億円を五億―六億円上回る模様。さらに、新システム自体の開発も進まず、二〇〇八年度の導入目標が最低でも一年ほど遅れる可能性も出てきた。トヨタ幹部も「まだ実験が足りない。今のままで商品化は難しい」と話す。
一転、廃止となった場合でも問題は残る。高架部分は道路にあたるため、撤去費約百億円は設置者である県の負担。さらに、国からの補助金八十九億円の返還などの課題もあり「進むも退くもイバラの道」(県幹部)だ。
費用について、県は「地元が主体的かつ積極的にかかわることも存廃の判断の大きなポイント」と小牧市にできるだけ負担してもらいたい考え。一方、小牧市では県が桃花台ニュータウンと一体として開発した経緯もあり、「県が責任もって負担するのは当然」という声も根強い。
どちらにしても、振り出しに戻りそうな同線の存廃論議。沿線に住む主婦(41)は「桃花台線があり、もっと便利になると言われたから住んだのに。約束違反ですね」と厳しい表情で話した。
【図・写真】利用客数が伸び悩む桃花台線(愛知県小牧市
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