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アナリスト 「フィアットの設備稼働率は、世界全体で72%・イタリアで61%だ。 過剰すぎる。」   【日経ネット】
http://www.asyura2.com/0510/hasan43/msg/308.html
投稿者 hou 日時 2005 年 11 月 05 日 23:13:19: HWYlsG4gs5FRk
 

フィアットジャパン
http://www.fiat-auto.co.jp/

トヨタ、GM、フォード、フィアット株価
http://finance.yahoo.com/q/bc?t=my&s=FIA&l=on&z=l&q=l&c=TM%2CGM%2Cf&c=%5EDJI

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djAWI8293.html

マルキオーネCEO、フィアット立て直しへの戦い
 イタリアトリノ(ウォール・ストリート・ジャーナル)イタリア自動車メーカー、フィアット(I.FIT,NYSE:FIA)のセルジオ・マルキオーネ氏が最高経営責任者(CEO)に選任されたのは、17ヶ月前だったが、破綻への道を進んでいると多くの人々から思われていた同社に活気を吹き込んだ。

 マルキオーネCEOは、成果を上げられない管理職を追い払い、負債を削減し、株価を上場来の安値から今年9月にはここ3年の最高値にまで上げた。ただ、その後少し下げてはいるが格付け機関はフィアットに楽観的な見通しを示した。アナリストの中には「バイ」の投資判断を示すものもいるくらいだ。

 同社ADRのニューヨーク市場3日終値は8.29ドル、5月の安値からは43%高の水準だ。ミラノ市場では、4月に安値4.60ユーロ(当時5.76ドル)をつけたあと、9月には融資者に巨額融資の株式転換を受け入れさせて7.77ユーロに達した。その後自動車業界全体に懸念が広がる中、6.95ユーロに下げたが、株式の時価総額は86億ユーロだ。

 変化をもたらしている最大の要因は、水ぶくれした経営構造に加えた「過激な外科手術」とマルキオーネCEOは述べた。「それがなかったら直せなかった」。

 しかし、良い話の陰には長期的な懸念材料も潜む。業界専門筋は、コストのかかる欧州で利益率の低い小型車製造を中核事業とする会社を永続的な形で立て直せるものかどうかには首をかしげる。この疑問はゼネラル・モーターズ(NYSE:GM)、フォード・モーター(NYSE:F)、フォルクスワーゲン、ダイムラークライスラー(NYSE:DCX)など、欧州で自動車を販売する他の企業にも示唆するものは多い。もし、フィアットが生き延びれば、自動車価格を下げ健康度が高い他の自動車会社から市場シェアを守るというリスクがある。

 投資銀行サンフォード・バーンシュタインの主任自動車アナリスト、ステファン・チータム氏は、「自動車会社の大きな問題は、敗者は生き残れないということだ」という。同氏の意見ではフィアットは立て直せない。「ライオンとヌーの野生映画を見ているようなものだ。フィアットはのろのろ動くヌーの1頭だ」。

 それほどは悲観的にみない向きもある。JPモルガン・チェースの投資判断は「オーバーウエート」。株価目標は8.50ユーロと現在の水準より22%高の場所に置く。「長期的な業績回復見通しはまだ不透明ではあるが、しかし、少し前には短期的な見通しももっと不透明だった」との見方を示した。(JPモルガン・チェースはフィアットと業務上の関係がある)。

 フィアットはイベコ・トラックからスポーツ・カーのフェラーリまでを製造する大手複合企業だが、2004年6月のマルキオーネ氏のCEO就任以来大きく変わった。

 フィアットは2003年度に20億ユーロ、2004年に16億ユーロの損失を出したが、これは主として自動車部門フィアットがもたらしたものだ。フィアット部門の損失は2003年が約21億ユーロ、2004年が約20億ユーロだった。CNHトラクターやイベコ・トラックなど健全な部門をむしばむ形になっている。

 マルキオーネ氏は、フィアットは「管理過多で指導不足だった」。できの悪い管理職が一つの職務で失敗してはそれを他にたらい回しするが会社は辞めなかった、と述べた。フィアットの階層的な管理構造を平たんかした。さらに成績のあがらないものに断を下しはじめた。

 同氏はほんのわずかしかない手元のカードを有効に活用した。フィアット・グループは、2000年の合弁会社の契約に関連してGMにフィアットを買い取らせるオプションを持っていた。GMはこのオプション問題で、フィアットを無理に買い取らせるのなら従業員を解雇して会社を閉鎖すると示唆、結局、今年1月に和解金15億5000万ユーロ(当時約20億ドル)をフィアットに払って折り合った。この資金でフィアットは生命維持装置をはずすことができた。

 マルキオーネCEOは、いろいろと手立てを尽くしているものの、自動車部門の構造的問題を隠せるものではない。自動車部門の売り上げはフィアット・グループ全体の43%を占める。フィアットのイタリア国内の販売台数の7割以上が低利益率の小型車だ。フィアットは今年ニューモデルを市場に導入した。しかし、競合する他の欧州メーカーもニューモデルを発売、戦いは厳しい。

 フィアットにはコスト構造上の問題も抱えている。他の業界各社の多くと同様、生産能力過剰の問題だ。アナリストの推計によると、フィアットの設備稼働率は世界全体で72%、イタリアで61%だ。

 「マルキオーネ氏ができなかったことの一つが工場閉鎖だ」。組合との闘争が起きるから、と自動車業界コンサルタントのマルコ・ビコッチ・ピチ氏は語る。

 マルキオーネ氏は、大規模な工場閉鎖は「非合理的で短絡的な発想」という。本当のコスト問題は製造のラインに立っている従業員ではなく、こういう業界で必要とされる、エンジニアリングとか法律業務とかの周辺の付随業務だ。こうした間接業務が販売台数200万台規模のものを抱えているという。しかし、もうそんなには販売できないと同氏は言う。フィアットの販売台数は1990年代後半は240万台だったが、昨年は180万台になった。

 不可能な回復を成し遂げた会社の例もある。間近な例では、カルロス・ゴーン氏が率いた日産自動車だ。マルキオーネCEOは、先行きは厳しい、しかし、5年たてば自動車部門で収益性のある会社上位25%に入っているだろうと語った。

 (11月4日付Heard On The Streetより)

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