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私達は、こんな問題意識をもっています。         【東京ファーマーズマーケット 2005】
http://www.asyura2.com/0510/hasan43/msg/289.html
投稿者 hou 日時 2005 年 11 月 04 日 18:31:04: HWYlsG4gs5FRk
 

http://pp.gnavi.co.jp/tfm/whats/index.html

私たちは、日本の食文化や農業に次のような想いを抱いています。答えは一つではないと思いますが、今回のイベントを通じて、様々な立場の多くのみなさんとともに学び合い、一緒に考え、日本の食文化と農業の未来ために建設的なメッセージを発信したいと考えています。


○広がる生産者と消費者の距離

量販システムの拡大とともに専門的小売業が減少したこともあり、生産者と消費者のコミュニケーションを支えていた「小売のプロ」が小売の場から姿を消しました。その結果、生産者と消費者との距離が大きく乖離し、生産、品質、調理方法などに精通した小売のプロを通じて、消費者が食材について学び、生産者が消費者の本当のニーズを学ぶ機会が失われました。


○つくられた食情報

その結果、販促目的の「つくられた情報」が氾濫し、それがあたかも消費者ニーズであり、生産者からのメッセージであるかのような錯覚をつくりだしています。「つくられた消費者ニーズ」によって生産者は無意味な生産・調整作業のために労力を費やし、「つくられた生産者ブランド」によって消費者が無意味な安全のためのコストを負担するなど、無駄なコストとリスクを生産者と消費者が負担するという状況が生まれているのです。


○失われる食文化

また、カロリー・カットに偏ったダイエットや栄養成分の摂取だけに重点を置いたサプリメントに過度に依存する健康ブーム、簡易さ手軽さだけを追求するファースト・フード・ブーム、安全性への過剰反応による安直なオーガニック・ブームの一般化や女性の社会進出の進展と男性の家事への参加の遅れによる家庭での料理機会の急激な減少にともない、日本人独特の繊細で豊かな味覚と「食を楽しむ」という本来の食文化の原点の喪失につながり、無機質な食生活の一般化が進んでいます。


○失われるナチュラルなライフ・スタイル

こうした傾向は、食材選び、食材の調理、食事と会話という三つの時間とそこに存在する三つのコミュニケーションを楽しむという食文化の原点の喪失を意味しています。つまり、本当に食を楽しむためには、一定の体力と心身の健康、文化・歴史・芸術・生産・調理などに関する一定の知識と体験、幼い頃から育まれた繊細で豊かな視覚、嗅覚、味覚などの豊かな感性、そしてともに楽しむことのできる友人や家族が必要です。いま、こうした食文化の基礎となるナチュラルな生活スタイルが完全に失われようとしています。


○農業のネガティブ・イメージ

従前からの市場流通システムの中で、生産者は、自らつくった生産品の再生産価格を決め、販路を開拓することの重要性を忘れ、その結果、自立したビジネスには当然必要な経営能力が低下、過度な他者(行政・政治、市場)依存体質が蔓延するようになりました。農地保全、環境保全への使命感を喪失し、宅地への転用・売却による収益を期待する資産として農地を考える人も多くなりました。こうした結果、農林水産業は気象条件や市場相場の変化に過度に左右される「不安定で儲からない仕事」であり、知的な経営能力を必要としないいわゆる3Kと呼ばれた肉体労働中心の「魅力のない仕事」であるというイメージが定着してしまったのです。


○農業の自立のためにできることはたくさんあるはず


農家、農業就業者の現象とともに農地面積も減少を続けている農地の非流動性や生産者価格と消費者価格の格差の増大に見られる流通の非合理性などの日本農業の抱える問題の原因の多くは、法制度の欠陥よりも、法制度の厳格な運用が杜撰化し様々なシステムが疲弊してしまったためだと考えられます。つまり、法制度の厳格な運用や法制度改革はもちろん進めなければなりませんが、現在の法制度下でも、生産者、消費者を中心に多分野の民間企業や個人が協力し、農業のビジネスとしての自立のために民主導でできることはたくさんあるのではないでしょうか。


○豊かな食生活とは?

いまや「旬の食」や「食文化の地域ごとの特色」を感じることが難しくなりました。こうした季節感、地域性のない食生活は、食料市場の国際化と農業の工業化によりもたらされた「豊かさ」の一つだということができるでしょう。しかし、その豊かさを享受するために私たちは膨大なエネルギー資源を消費していることも確かです。私たちがめざすべき農業の未来とは閉鎖的施設内栽培による農業の工業化、つまり多分野の企業の農業進出なのでしょうか、それとも生産者が加工、流通、販売へ進出し、土耕を基本とした生産者たちが企業化し経営能力を高めていく農業の自立なのでしょうか。私たちがめざすべきほんとうの「豊かな食生活」とは、果たしてどのようなものなのでしょうか。


○農業ビジネスにかける若者たち

就業者人口の異常な高齢化や農地の荒廃が急激に進む状況を眼前にし、今後の数年間が日本の農業と食文化の正念場であるという危機感を私たちは持たざるをえません。しかし、その一方で、多くの苦難を乗り越え経営者としての自立を果たした元気な生産者が増えているのも事実です。また、彼らの姿を見て農業ビジネスの明日に夢をかける若者たちが増えているのも事実です。


「農林水産業から日本を元気にする国民会議」では、こうした問題の解決のために、ビジネス・モデルの構築と実践というかたちでの取り組みを進めて来ました。そうした取り組みの中で、前述した課題を解決する一つの契機とすべく、今回の事業を企画立案したところです。生産者、消費者、シェフの皆様方とともにつくりあげる今回の事業を通じて、生産者が消費者の思いをとらえ、消費者が生産者の思いと生産現場を知るという、生産・消費相互間のコミュニケーションの重要性が再認識されるとともに、広く国民のみなさんに私たちのメッセージを発信し、こうした問題についての理解を深めていただければ幸いだと考えています。また、農林水産業から日本を元気にする国民会議の設立一周年記念事業としてこのイベントを位置づけています。多くの皆様のご参加とご協力をお待ちしております。

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