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【パリ=奥村茂三郎】スペイン通信最大手のテレフォニカは31日、英携帯電話サービス大手O2(オーツー)を177億ポンド(約3兆6500億円)で買収することで合意したと発表した。携帯電話では加入者数で1億1600万と、英ボーダフォンの(1億6500万)に次ぐ欧州2位になる。欧州通信業界では、国境を越えた企業再編機運が再び高まってきた。
テレフォニカはスペインと中南米が基盤で、固定、携帯双方を手掛けている。携帯専門のO2は英国、ドイツ、アイルランドが主な事業基盤で顧客数は約2500万人。両社の市場の相互補完的な関係が、今回の大型M&A(企業の合併・買収)につながったとみられる。
テレフォニカによると、買収後も「O2」のブランドをそのまま使い、営業の拠点も英国に置く。テレフォニカは同日発表した声明で「欧州で最大級の市場であるドイツと英国で、影響力のある市場シェアを得られる」と利点を強調。固定電話と携帯電話などの業務と地域のバランスが改善するとも述べている。O2も「株主価値の向上に資する」と、買収受け入れの理由を説明した。 (21:01)