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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu105.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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どんな展開で世界のファンドバブルが崩壊に向 かうか
ファンドバブルの崩壊は、どんな意味を持つのか?
2005年10月28日
◆世界の不動産と株バブル 10月25日 ビジネス知識源
http://blog.mag2.com/m/log/0000048497
(前略)
■2.ユーロ高ではなくドル安だった
90年代末から2000年春まで、米国のIT株に向かっていた西
欧の投機マネー(年40兆円レベル)は、米国バブルを恐れ、20
0年春以降、西欧へ回収されています。ユーロに回帰した投機マネ
ーはユーロの内部で投機を生みます。
2000年の1ユーロは100円前後でした。西欧がドル債券と米
国のIT株を売ったため、米ドルは30%は下落しています。同じ
ことですが、ユーロは30%上がった。
円は、財務省の為替調整策で、米ドルに事実上リンクしているため、
今、1ユーロが140円前後です。しかし、店頭物価の感覚で言
えば、1ユーロは100円相当でしょう。
今回、スペインのホテルで夜原稿を書き、考えているときの発見は、
今は、1ユーロ=140円でユーロ高ではなく、通貨ではドル安
と円安と評価せねばならないということでした。
通貨は、国の経済を総合的にあらわす指標です。
ユーロの30%から40%の過剰評価のため、スペイン・イタリア
・フランスの物価は、日米から見れば、30%は高い。
しかし2桁の失業率に見るように、ユーロ諸国の経済は強くない。
海外へ行くとこうした視点が得られるのが収穫です。(注)失業率
と物価上昇率が、その国の経済の、もっとも重要な指標です。
世界の3大通貨についての判断は、以下です。
(1)財政赤字を、各国GDPの3%以内に押さえるという緊縮型
の通貨政策をとっていたユーロ。
従って、財政赤字を原因とする通貨価値の下落はなかった。
(2)国家としての経常赤字で、8000億ドルの米国。
従って価値を保ったユーロに対しドルの価値が30%下落。
(3)政府財政(国+地方)で、年71兆円の赤字を出す日本。
従って、ドル安につれ、ユーロに対し30%価値が下落。
マクロ指標を大きく見れば、以上の判断ができます。と言っても、
今回気がついたことに過ぎません。
わが国にいるときは、圧倒的に米ドルを基準に通貨を見ています。
西欧に行けば、彼の地の経済と照らしながら、ユーロを基準にして
米ドルと、極東の円が相対的に見えます。(中略)
▼共産主義崩壊以降の世界
90年代から現在までの世界は、中国と東欧を含む旧共産圏が自由
経済化されたことによって、日米欧から、低賃金を求めた工場投資
が起こり、日用財での価格低下がありました。
日用財の過剰生産と輸出経済が旧共産圏諸国で起こったと言ってい
い。そのため、円・ドル、ユーロのマネー価値は上昇しました。
日用財の生産コストに対し、マネー価値は上昇しました。これが、
冷戦後の90年代でした。冷戦終結の果実は、物価の下落でした。
80年代までの世界のインフレ経済が、急転換したのが冷戦終結以
降です。
【世界】
90年代の世界の商品経済は、デフレ含みだったのです。
しかし、商品と資源が上がらない代わりに、株と不動産は上がった。
増えないGDPの割りには、[金融資産と金融負債」は、ますます
大きくなっていまス。誰かの金融資産は、別の誰かの金融負債で
す。
高騰した不動産と株に対しては、マネーの価値は下落したことにな
ります。つまり株、債券、そして不動産インフレでした。債券のイ
ンフレ、また低金利に債券が価格を維持することを低金利と言いま
す。
資源と商品は価格が下落し、株、債券、不動産が上がったのが世界
経済です。
【日本】
そうした中で、不動産、株、店頭商品の価格が、同時に、もっとも
下がったのが日本です。
日用財963品目は、92年から年率では約5%下落し、現在は5
3%の価格になっています。つまり店頭商品価格は半分になった。
住宅地は半分以下、商業地は5分の1に下がっています。
株価は、ボトムでは70%も下がっていました。
▼転換点か
04年から、世界の原油を含む商品先物価格は、高騰しています。
消費財の価格がさほど上がらず、資源価格が上がっているのが現在
です。
資源価格の急騰を、世界インフレの先駆けた兆候と見るか、ヘッジ
ファンドの投機が起こっていて、また下落する一時的なものと見る
か、判断の分岐点はここにもあります。
■6.国際資金移動
約10年の、国際資金移動を振り返れば以下です。
これが、世界に投機経済を生む原因になっています。
▼世界の不動産と株の高騰原因
(1)90年代:
日本のバブル崩壊とドル買い(ドル債券投資)
↓
(2)90年代後期:
西欧のドル買い(ドル債券投資+直接投資)
↓
(3)米国株の高騰
2000年3月までの、米国IT株バブル
米国の株価時価総額は、2200兆円レベルへ高騰
↓
(4)2000年から、西欧諸国は、ドル債券売り
ユーロへ回帰→ユーロ高へ
200年4月からナスダック株の崩落
↓
(5)2001年9.11のデフレショックを避けるため、米国は
低金利策をとる。
米国の住宅価格高騰が始まる。
↓
(6)2003年、日本の財務省は、米国のイラク戦費供給のため
30兆円のドル債券買い
↓
(7)インフレを恐れる米国FRBの短期金利上げにも関わらず、
日本と中国のドル債券買いのため米国長期金利は上昇しなか
った。
↓
(8)2004年から原油価格と商品先物価格高騰。
OPECは急増した貿易黒字を、西欧・米国の金融機関に預
けた。
↓
(9)2001年から、米国ファンドと西欧ファンドの一部資金が
日本の、不良債券資産(ゴルフ場:不動産)と、PBRの低い株
へ流れた。日本の株も、03年をボトムに上がった。
都心部の不動産も下落を止め、一部では高値になった。
米国のIT株で膨らんで、西欧に回収されたマネーの向かう先のひ
とつが、イギリスを含む、西欧の不動産でした。英国、フランス、
ドイツ、イタリア、スペインの不動産価格の高騰です。
スペインを含む西欧の不動産価格は、需給要因からではなく、マネ
ー要因で高騰しています。
西欧の賃金の上昇(生産性の高まり)を原因に、より高質な住宅を
求める需給の要因から、住宅価格が上がっているのではない。
膨らんだマネーが投機されるバブル経済であることを示しています。
スペインのような経済小国ほど、膨らんだマネー経済の影響は大き
い。スペインでは、銀行と観光は2大産業です。
(1)西欧の賃金の上昇率は低い。経済成長率も低い。
東欧への生産基地移転のためです。
西欧にとって、中国に相当する低賃金国が東欧です。
(2)日本と同じ小子化(合計特殊出生率1.15人)にも関わら
ず、住宅は高騰。ファンドの投機資金が流れ込むためです。
本稿では、世界のファンドバブルが崩壊するかどうかは「神のみぞ
知る」と、判断を留保しました。
確定的なことは、いずれ、ファンドバブルは崩壊せざるを得ない。
長期的に見れば確定です。
根底の理由は、世界のGDPに比べ、マネー総額の増加が大きすぎ
るからです。そのために、マネーの向かう先で急騰してインフレを
起こすものが、次々に出る。
しかし、問題は「その長期がいつか?」です。
何をきっかけに、どんな展開で、世界のファンドバブルが崩壊に向
かうか、ファンドバブルの崩壊は、どんな意味を持つのか?
▼均衡価格の歪み
株価にせよ不動産価格にせよ、現在価格は、均衡価格です。
買う人はもっと値上がりすると思っています。売りにまわる人は、
売る必要に迫られているか、またはいずれは下がると思っています。
両者の思惑が一致した点が、今の資産価格(均衡価格)です。
その均衡価格が、歪んでいるのかどうか、不均衡があるのか、その
判断が問題になるところです。
分岐点での将来見通しは、いつも、半々に分かれます。
分かりやすく具体的にいえば、日本の株価では、
(1)IT株として象徴的な楽天の8900億円の総時価は高く歪
んでいるのか、
(2)西欧の不動産の象徴とも思えるマドリッドの住宅8000万
円も高く歪んでいるのか、
(3)あるいは、そうではないのかという判断です。
皆さんは、どう判断しますか?
米国でもっとも高くなったNYマンハッタンの一部では、不動産価
格下落の兆候が見えます。以下、次稿で考察を深めます。
(私のコメント)
世界のマネーの動きが今どうなっているか、素人にはなかなか分かりませんが、ドル、ユーロ、円で見るとユーロ高でドル安と円安が現状でしょう。だからユーロを持っている大金持ちやファンドマネージャーは、ユーロ高を生かして世界各地の株や不動産を買いあさっている。円やドルは日米の政府が大幅な財政赤字で信用を失っているからですが、日本の財政赤字は国内でまかなっているのに対して、アメリカの財政赤字はアジアからの投資でまかなっている形になっている。
90年代はドル安の回避先として円が買われて円の独歩高になりましたが、現在はユーロがドル安の回避先になっている。EUも決して好景気ではなく二桁の失業に悩み低成長なのですが、ユーロ高バブルで不動産がバブル化している。スペインのマドリッド郊外の住宅が8000万円では日本人もびっくりの価格であり、それが上海にも波及して5000万円のマンションが投資用として売りに出されている。
このように世界的に株や不動産が急騰を続けているのに、一般諸物価が安定しているためにインフレ感はありませんが、それはなぜだろう。それは90年代に入って旧共産圏が自由化したために安い労働賃金で商品が供給されるようになったからですが、そのために安い物価と資産インフレが同居して、80年代後半の日本のような状況が世界各国で現れている。
そのために世界各国は日本のバブル崩壊の状況を学んで、バブル崩壊を避けるために懸命の努力をしている。今から見れば日本のバブルは潰すべきではなかったというのが正解なのですが、当時の日本のエコノミストを始めとしてテレビのコメンテーターまで「バブルを潰せ」の大合唱だった。ところが現在のアメリカにしてもヨーロッパにしても中国にしてもバブルだからバブルを潰せというバカなことを言うエコノミストはいない。ところが日銀の三重野総裁はその馬鹿なことをやってしまった。
今から大蔵省や日銀を責めても仕方がないのですが、日本のエコノミストを始めとして経済学のレベルの低さは26日の株式日記にも書いたとおり、リフレ政策が世界の常識なのに未だに日本では構造改革派が主流を占めている。90年代にアメリカの政府要人から構造改革せよと強制されたからですが、実際に行われたのは銀行を潰す政策だった。その結果不良債権として処分された不動産は二束三文でハゲタカに売られた。
今現在のファンドマネージャーは投資の運用先に苦しんでいるようですが、株や不動産のみならず石油や金なども買いあさっている。しかし巨額になりすぎたファンドマネーはいつかは破裂するだろう。そして本当の大金持ちたちは現金のまま置いといて世界のバブルが崩壊するのを待っているのかもしれない。各国の政府はバブルが崩壊しないように懸命の努力をするのだろうが、世界経済の鎖がどっかで切れたら連鎖的にバブル崩壊は起きるかもしれない。その鎖の一番弱いところが中国だ。
中国で始まるバブル崩壊は投資をしてきたアメリカやEUにファンドの破綻をもたらすだろう。不動産はどんなに高くても次の買い手が現れるうちは回転が利いていきますが、回転が一旦止まると不良債権の山が出来てしまう。だからバブルになる前に投資を抑制すべきなのでしょうが、巨額なファンドマネーはそれを許さないからバブルはどうしても発生してしまう。
中国ではすでにバブルが崩壊し始めていますが、だから小泉首相が靖国神社を参拝したところで、中国はそれどころではなく経済対策に追われているようだ。このことは19日にも書きましたが日本のメディアは中国のバブル崩壊の事はあまり触れようとしない。NHKも昨日は「クローズアップ現代」でIBMのパソコン部門を買い取った人物を紹介していましたが、世界に進出する中国企業という放送をしている場合ではないのですが、親中国のNHKだから仕方がないのでしょう。