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(回答先: 北海道共和国議論 「北海道はこんなに税収があったのか。」 【共同通信社経済部 伴武澄】 投稿者 hou 日時 2005 年 10 月 27 日 22:37:50)
http://www.dokokyoso.jp/index1.html
北海道人事委員会は10月13日、道議会と知事に対し、道職員の本年度の給与等についての勧告と報告を行った。本年度官民較差にかかわる部分に加え50年ぶりという抜本的な「給与構造見直し」を行った。
1. 今年度の給与改定については、北海道の官民較差はこれまでより広がっている(△4.23%)としながら、人事院勧告に準じて
(1) 月例給を0.3%引き下げ、扶養手当を500円削減し、期末勤勉手当を0.05月分引き上げる。ただし、引き上げの実施は来年6月期より。そのうち、0.03月分は勤勉手当の差別支給の原資とする。
(2) 行政職員は、人事院提示の行(一)俸給表、教員は、全人連が日本人事行政研究所に作らせた「参考モデル給料表」を使用。
(3) 本年度削減分については、今年4月に遡り、12月期末手当で「調整」する。
2. 50年ぶりの抜本的な「給与構造見直し」に係る部分は、「1」の本年度改定を行った上で、人事院勧告に準じるとして
(1) 俸給表をさらに平均で4.8%(小中4.7%、高校4.9%)削減し俸給カーブをフラット化する。
(2) 1号俸を4分割し、勤務実績に基づく昇給制度を導入する。枠外昇給制度は廃止。号俸増設については、最高で3号俸増設。
(3) 「地域手当」の支給。異動手当は検討課題
(4) 実施時期は、06年4月1日、5年間の経過期間を置き、2010年4月1日から完成した形で実施。
(5) 経過期間中の4年間は昇給号俸を1号俸抑制。
3. そもそも、官民較差マイナス4.23%という数値がどこから出てくるのか。昨年はベア中止、賃金カットをした企業を反映しても、マイナス0.63%(1昨年1.21%)であった。本年度9月に発表された北海道経済部の道内企業経営環境調査によると、上半期の企業の業況は、「前回と比較すると、『好転が継続』がわずかに増加し、『悪化』『悪化が継続』がわずかに減少している」、「春闘では約3,000円の賃上げが行われた」としている。今年10月1日より最低賃金が3円引き上げられたことを合わせ考えると、この較差の大きさには到底納得がいかない。比較の数値は1.7%の道独自削減前のものであること、また、比較項目から通勤手当をはずし、管理職手当と寒冷地手当を含めたという調査方法の変更があったことは、官民較差を広げるために策を弄したと言わざるを得ない。さらに、06年4月から使用する俸給表の平均マイナス4.8%は人事院作成の行(一)に合わせたものであるが、東北・北海道ブロックの官民較差基準に北海道を合わせる道理はまったくない。
4. 公務員給与の削減は、そのまま地方の経済に大きく影響する。道雇用経済研究機構の1,370億円〜1,440億円のマイナスの経済効果が出るという試算も報道されたが、地方切り捨ての「構造改革」で苦しむ地方の消費購買力をさらに低下させ、疲弊させるとともに公務員給与の引き下げは民間賃金の引き下げに拍車をかけるものである。
5. 来年4月から実施される「給与構造見直し」は、「地域による格差」「役職による格差」「評価による職員格差」など三重の格差拡大を広げるものであり、絶対に認められない。俸給水準を全体として下げ、人事院勧告と同様に札幌に「地域手当」をつけるとしているが、それ以外対象とならない北海道では、単なる「賃金引き下げ」である。民間賃金が高いところにつける「地域手当」は、都市部でも地方でも同様のサービスを行っている公務員に格差をつけるものであり、「同一労働同一賃金」の原則に反するものである。
また、年功型賃金をやめ職務・職責に応じた賃金とするため、昇給カーブをフラット化し、中高年層の引き下げ率を大きくし、級間の重複を減少する号俸構成の見直しを行った。これでは、昇格しないと賃金が上がらないしくみであり、中心となって支えているベテラン職員を冷遇し、切り捨てるものである。さらに、勤務実績を的確に反映させるとして、現在の号俸を4分割し、普通昇給と特別昇給を廃止して、「査定昇給」を導入し、成績率による差別を強化するため全員の勤勉手当から0.015月分を原資として、上位の成績区分にあてるとした。公務職場で不可欠なチームワークを妨害する「成績主義」を強引に導入することは言語道断である。
6. 公務員給与の削減は、そのまま地方の経済に大きく影響する。道雇用経済研究機構の1,370億円〜1,440億円のマイナスの経済効果が出るという試算も報道されたが、地方切り捨ての「構造改革」で苦しむ地方の消費購買力をさらに低下させ、疲弊させるとともに公務員給与の引き下げは民間賃金の引き下げに拍車をかけるものである。
7. 北海道も財政難を理由として、1999年から連続7年間、勧告に上のせした独自の賃金削減を行ってきている。その原因は職員の人件費にあるのだろうか。94年には、8,090億円であった道職員の給与は、10年後の2004年には、7,640億円に減少している。3ケ年間の1.7%独自削減最終年度に、マイナス勧告と、さらなる道独自の削減提案が予定されているとなると、一体これまでの削減は何のために行われたのか、我々と道民への説明が必要であろう。
1997年に出された「財政健全化方針」でも明らかであったように、「景気対策」と称し、ムダな公共事業を増やし、その財源のための道債発行により借金をふくれあがらせたことにその原因がある。この点は、第三者機関である北海道人事委員会が厳しく指摘すべきところだが、行政当局の責任には一切言及していない。それどころか、「職員においては、・・・厳しい状況を十分認識し、行政に対する道民の期待と信頼に応えるため、職員一人一人が全体の奉仕者として責務を深く自覚し、全力を挙げてその責務を果たすとともに・・・」と「要望」するなどとしているのは極めて問題である。そこには、「公務員バッシング」に乗じて賃金引き下げを正当化し、道職員と道民を分断し、アウトソーシングにより民間企業に公のサービスを委ね、国民サービスを切り捨て、財界にすり寄ろうとする政治的な意図が見え隠れしている。
8. 高橋道政は、「赤字再建団体の回避」をかかげ、道職員と道民にのみ犠牲をおしつけようとしている。急務としてとりくまなければならないことは、財政赤字の根本原因と責任を明らかにし、将来にむけての借金をさらにふくらませる新幹線工事など、無駄な大型公共事業をやめ、教育・社会保障などへの投資や第一次産業の振興など道民本位の経済振興によって財政再建をはかることである。
私たちは、公務員の団体交渉権の制限や争議権の禁止の代償機関としての道人事委員会に対し、その存在意義をかけて、道職員と道内教職員の生活実態と切実な要求にもとづく賃金改善の勧告を行うことを求めてきた。しかし、国準拠といいながら、それを下回る勧告内容と、冬を前に灯油代が高騰しているにもかかわらず削減勧告の凍結すら行わないこと、そして、道教委の「教育職員の時間外勤務に係る実態把握」で月30時間余にものぼる「サービス残業」が明らかであるにもかかわらず「報告」のみにとどめ、是正すらしない姿勢に満身の怒りをこめて抗議する。
今後、知事・教育長との年末確定闘争において、公務・民間労働者および道民との幅広い共同の力により、「地域給」「給与構造見直し」を許さないとりくみを強化するとともに、道民の雇用・生活・平和を守る道民本位の道政をめざして総力をあげてたたかうものである。
2005年10月13日
北海道公務・公共業務労働組合(北海道公務共闘)地公連絡会
北海道高等学校教職員組合
全北海道教職員組合
北海道自治体労働組合連合 中央執行委員長
執行委員長
執行委員長 伊藤 英敏
小林 幹二
東原 勉