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トヨタ奥田会長も15%を主張 消費税率が上がるほど儲かる“輸出戻し税”
▼ 輸出メーカーは軒並み恩恵 ▼
ほとんど知られていないことだが、輸出で利益を上げている大企業は、消費税の還
付によってさらに利益を膨らませている。このカラクリは「輸出戻し税」というもの
だが、まじめに税金を払っている中小・下請けにとっては、いかにも不公平だ。
一般に企業が税務署に納める消費税は、商品を売った際に受け取った消費税額から、
材料や部品を仕入れた際に支払った消費税額を引いた分である。
しかし、輸出製品は別だ。商品を買ってくれた外国人から日本の消費税は取れない
から、消費税は〈輸出売り上げ×0%〉でゼロ。一方、部品などの仕入れにかかった
消費税は〈輸出売り上げ×5%〉となる。ゼロから売り上げの5%分の消費税を引く
のだから消費税額は常にマイナスで、逆に税務署から払い戻しを受けることができる。
これが「輸出戻し税」である。
輸出額トップのトヨタはどれくらいの戻し税があるのか。同社広報部は「税制に沿
って処理している。個別の数字は公表していない」というので、関東学院法科大学院
教授の湖東京至氏に試算してもらった。
「トヨタの年間の課税売り上げは3兆6881億円(総売上高の40%)。『課税売
り上げにかかる消費税額』はこれに5%をかけた1844億円。一方、課税売り上げ
に対応する仕入高は3兆239億円で、これに5%をかけた1512億円が『国内仕
入れにかかる消費税額』です。この差額332億円が、トヨタが本来税務署に払うべ
き消費税分ですが、輸出戻し税が2296億円あるから差し引き1964億円の還付
を受ける。支払う消費税を上回る戻し税によって税務署には1円も納付しないですむ
のです」
もちろん、戻し税はトヨタだけではない。ホンダ、日産自動車、ソニー、キヤノン、
松下電器、東芝などなど輸出で好調な企業は軒並み戻し税でウハウハ。湖東氏の試算
では輸出上位10社の還付金は年間7727億円。輸出企業全体では消費税収入の1
8%(2兆円)にもなるという。
この輸出戻し税は消費税率がアップするほど還付金はどんどん多くなる。トヨタの
奥田会長が「消費税15%」を主張するのは、まさか戻し税のためではあるまい。
中小・下請けは税金を払い、輸出大手は払い戻し。これってどう見ても不公平であ
る。
(NikkanGendaiDailymail Business2005.10.27.より一部抜粋)