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(回答先: 人・物・金・情報 そして 第5の経営資源 【知の経営】 投稿者 hou 日時 2005 年 10 月 23 日 01:10:36)
幾つかの地域で人材が足りないのは事実。
ただ人材が足りないのは明かで、
http://mitsui.mgssi.com/compass/html/0102/toku_03.html
【地方と中小企業の再生における課題と対応策】
○ 中小企業再生支援協議会の機能について各県毎で実態は違うと思う。
○ 日本全体では、約5,800件の相談件数があり、うち約360件は計画策定完了、約760件は計画策定途中。全体としてはかなり良いパフォーマンスだが、各県個別に見れば件数にも差違がある。少ないところでは、個別に事実状況、取組の姿勢等をヒアリングし、専門家の常駐やよい人材を選定するよう地域の中小企業再生支援協議会(以下「協議会」という。)の母体である商工会議所と連携しながら能力向上を図っている。
○ 県の協議会の方から、東京から専門家を派遣できないかという相談があったが、地域によっては人材不足があり、それを何か中央でカバーする仕組みが必要ではないか。
○ 幾つかの地域で人材が足りないのは事実。人の問題を内容で分けると2つあって、1つは常駐する専門家で計画策定を支援する方々。もう1つは、案件ごとに個別のチームを作るので、そのチームとして集める方々。後者に関しては、短期的に東京から連れてくることができるが、常駐専門家の場合は難しい部分がある。商工会議所のネットワークや、東京の公認会計士や税理士の方などを地域に1年、2年行ってもらうようなことにも取り組んでいる。
○ 事業再生講座の税理士の講師陣や全国事業再生税理士ネットワークの中で、協議会の委員になったという例は聞いたことがない。協議会の案件をチェックすると、課税が起こるという誤りが散見されたが、どういう基準でどういう方を選んでいるのか。
○ 完了した360件の中で、結果としてうまくいかなかった事例について、如何なる理由でうまくいかなかったのかを検証しないと、抜本的な解決にならない。
○ 協議会には、常駐専門家が日本全国で179名(4月1日現在)おり、出身としては銀行関係出身の方が92名、中小企業診断士35名、公認会計士16名、税理士14名、信用保証協会10名、弁護士7名、企業出身5名といった形になっている。
○ 常駐専門家の選定は、協議会は産業再生法に基づく手続に則り、47のうち大半は商工会議所に、残りの大半は県の支援センターに設置されている。協議会の設置機関である商工会等が人材選定の責任を負うため、そこが中心となったネットワークを使い人材を捜している。仕事のかなりの部分が銀行間調整等なので、銀行出身者が多く、それを士業の方等が一緒になって事務局を構成している。
○ 協議会の制度は始まって未だ2年なので、大半が再生計画を進めつつあるという状態。うまくいかなかったケースは、例えば、支援計画は強制力を持たないため、相手の企業が計画に則った形で企業再生を実行しなかった場合と聞いている。今後過去の事例のフィードバックをしたいと考えている。
○ 税理士の先生は、協議会の個別チームのアドバイザーとしてというよりも、債務者企業側に付いていることが多い。
○ 東京の協議会ではこの2年間で約20社前後を完了。うまくいかなかった案件はない。ただ、モニタリングの中でうまく行かない危険性が出てきた案件は1割から2割程度ある。可能な限りモニタリングして、経営者を呼んで手直しをすることに注力している。
○ オーナーの意識の問題は重要で、計画をまとめる段階では金融団を前に決意表明するが、喉元過ぎれば甘くなるという傾向が強い。色んな角度からのガバナンスをかけていく必要がある。
○ 再生される場合、会社の規模が上場会社かそれに準ずる規模であるので、東京・大阪に偏る。金額的小さい案件は債権売却が多い。再生ファンドにとっても小さな会社だと採算が合わないのではないか。地方でロットのまとまる案件でないとなかなか難しい。
○ 専門家人材を求めているのは債務者企業ではなく金融機関。地方の中小企業で再建計画を作れるところなどまずなく、金融機関が再建計画を作っている。その時にメインバンクが作った再建計画で他の銀行に同意を求めるのは難しいため、専門家の知恵や第三者の目が通っているというエビデンスが必要。地方では金融機関の人材がそもそも弱いという問題もある。
○ 中小企業とひとくくりにしているが、零細企業に近いところは地銀も直接再生に取り組むことはしない。そういう企業でリスケだけでは無理な場合は、再生ファンドに債権を売却するしかない。その時一番問題となるのは、金融機関の引当金の問題。地方企業の再生は、地域金融機関が健全でない場合には専門家やファンドが何を言おうがが案件は出てこない。備えができている金融機関はデットアプローチもできるし、金融機関の人材も育つ。
○ サービサーの立場から地方の中小企業の経営者に資産売却やDPO等のアドバイスを行っているが、私的整理ガイドラインのアドバイザーのような高いレベルの専門家はそんなに必要ではないのではないか。
○ 地方・中小の再生を旗印として行っているファンドもある。ファンドは財務リストラは得意だが、事業リストラはその業に詳しい人材を探している。業容が小さいためにそういった方を債務者が雇えない場合もあるが、その場合他の案件で得たノウハウを活用しながらファンドがやっている。産業再生機構のアウトプットを利用させてもらうこともある。
○ 再生で最も困るのは金融機関交渉。協議会が機能していないのは、地銀が債権売却、債権放棄はしないというためではないか。そうした場合、デットアプローチは使えない。その地域の金融機関に、売る気、売る体力、売る準備があるのかという問題。
○ 協議会の常駐専門家は、地域経済社会に浸かっているので大胆な一歩を踏み出すことができない点と、携わった案件が少ないという点がある。ある程度経験を重ねていけば、短時間で判断できる。非常勤の専門家が、各県の協議会の案件をスムーズに進めるためにアドバイスをすることが必要。
○ 人材に関しては、ターンアラウンドマネージャーとリストラクチャリングアドバイザーを類別するべき。前者に関しては、それぞれ公認会計士、弁護士、税理士、金融機関等の業界団体の協力をもらうべき。後者は、早期再生の継続型のアプローチの場合は経営者の退任を求めないのでいいが、債権放棄を伴う計画の場合の経営者人材は不足しており問題。これまでは口コミで引っ張ってくるケースが多かった。東京、大阪等に人材は集中しているので、紹介機関の育成も必要がある。
○ 私的整理ガイドラインの案件では、メガバンクは債権放棄ではなく債権売却をしたいというニーズが圧倒的。問題は開示債権であるということで、債権放棄を伴い抜本的にやった場合にはその他要注意先にしていいことになっているが、基準金利という問題があるためなかなかクリアできない。今まで2、3%で取引していたものが、債権放棄して中身が良くなっても開示債権であると結局今まで以上にロスが膨らむということが起こっている。従って、債権売却は一番経済合理性ありという事態が起こり、これが中小企業の再生の中で一番の問題。
○ 産業再生機構の中にも弁護士、会計士、税理士もいるが、それらの方々は自分自身で結論を出さず、外部の専門家を雇って報告書を取る。そういう意味で、今後内部の専門家の方がアレンジャー的な役割を果たし、実際の作業は外に依頼するというのも1つの方法。ネックとなるのは報酬。
○ 監査法人では、地方の大規模な再生案件について東京から事業再生専門の人員を投入してやっている。事業再生の案件に関して経験がないと、適切な判断をくだせない。
○ 銀行にとって債権放棄というのは極めて重い。その事業がコストと労力をかけて私的整理ガイドラインで再生すべきものは限られていて、何でも銀行が債権放棄すべきというのはとんでもない話。コストに見合わない場合には、法的整理を選択するか、債権売却で処理する。私的整理の対象となる企業は圧倒的に東京・大阪に多く、必然的にそういった人材も集中してくる。
○ 銀行が債権放棄ではなく債権売却を選択した方が、再生を進めやすい場合もある。サービサー等が債権を買う段階で債権の購入原価が下がっており、その原価を上回って利益が出るところで調整すれば、完全な経済合理性だけで債権者調整ができるので、色々なしがらみがある銀行よりもやりやすいこともある。サービサー間でも競争は激しく、再生を目指すサービサーも出てきている。
○ もともと債権放棄をして、メイン銀行として企業を再生していくというのは構造的にやや無理があると思う。逆に売却をして、まったく新しい目で債務者を見た方が自然なのではないか。いくつかのファンドが地方、中・小型の案件に特化して、競争が生じてきているので、その中でかなりのものが消化されていく。
○ 債権を厳しいサービサーに売られると困るのであれば、競争原理が働く。厳しいことをされれば、次はそこには売らないということになるのではないか。
○ 人材の面は動きつつある。更生会社や再生会社の担当者が経験を生かし独立するようになっており、案件を紹介してくれと言われている。ただ人材が足りないのは明かで、国がそこを育てていくということは必要。
○ 最も問題なのは、地方の小さな案件の調整を誰がやるのかということ。金融機関からの委託で、場合によってはRCCや協議会、またはファンドなどが調整を行う状況が生まれつつある。
○ オーナーさえ変えればうまくいくという案件があるが、オーナーに退任を迫るというのはかなり難しい仕事であり、協議会やファンドはどのように行っているのか。
○ 協議会は中立な立場で調整するため、オーナーへ退任してもらうには忍耐と努力が必要。話し合いしかない。実際の例では、3、4ヶ月間、毎朝オーナーに電話で説得を続け、やっと最後に了解を取り付けたこともある。
○ オーナーの問題は過去の経営責任よりも、その人で今後やっていけるかという視点で見ている。スポンサーがつく場合は経営者に辞めてもらわないと経営体制を組めないが、そうでない場合、オーナーは事業再生にそもそも踏み出さず、金融機関が資金で追いつめないとわかってもらえない。リレバンの真骨頂というのはオーナーに辞めてもらうことと、事業再生に踏み出してもらうこと。これはリレーションシップがちゃんと築かれているかによる。
○ RCCの債権買取は全国一斉にやる必要はないと思うが、特定の地域に着目すると、公的な力が入らないと先に進まないところがあると思うので、期間限定、地域限定でも考えるべき。
○ 信用保証協会が問題となることがあるが、信用保証協会の保証付き債権は、金融機関は債権放棄の対象外として考えている。金融機関としては非保全の部分についての債権放棄という考え方。代位弁済されてからという場合は別。
○ 政府系金融機関については、直接の債権放棄以外の案件が多いのでこれまでのところまとまっている。
○ 政府系金融機関が多い場合や信用保証協会の保証付き債権が多い場合にはそもそも案件に取り組まない。債権売却や債権放棄はしないところが多いとデットアプローチによる再生はできない。債権売却をしたり、DDSという形で再生に協力はしてもらうところもあるが、対応に若干の温度差がある。
○ 信用保証協会部分については、ファンドは譲渡を受けられないことになっており、ネックとなる。RCCの53条買取ではできたと聞いているが、そこが可能になれば、再生の可能性が上がる。
○ 政府系金融機関全般の対応は、何が何でも反対というわけではない。政府系金融機関はきちんとした手続における債務免除を求めるので、厳しい注文をされる場合もあるが。今後は特に企業再生の円滑化を図るための税制措置の制度整備がなされたので、強調すれば政府系金融機関もきちんと対応するのではないか。
○ 政府系金融機関は、特殊法人会計で決算をやっているところと、民間並み決算をするところがある。民間ベースであれば、引当を積んでいるので債権放棄する時にロスは出ないが、特殊法人会計ベースであれば債権放棄をする段階でロスが出る。この点は債権放棄をするかどうかの意思決定に関わる。
○ 政府系金融機関の中には抵当権で第一順位を取っているところもあり、100%保全されているため債務免除をお願いするに至らないケースが多い。そうでない場合は、メインが民間金融機関で債権を売却してくれないという問題は確かにある。
○ 政府系金融機関も地方に出先があって、再生に関して理解がある方ばかりではない。
○ 外資系ファンドでも私的整理の枠組みでやることは可能性としてはある。一番心配しているレピュテーションで、ファンドがゴネているが故に、私的整理ガイドラインがまとまらないというのは怖い。
○ 外資系ファンドに関しては、現実はそうでもない部分はある。
○ サービサーが私的整理ガイドラインの対象債権者として入って合意してもらったという事例もあり、ケースバイケースである。
○ 従来、私的整理ガイドラインは全銀協がベースでやっていて、公的な金融機関はオブザーバーにすら入っていなかったが、これからの私的整理ガイドラインの拡充の議論の際にはオブザーバーとして参加することになったので、協調していく。
○ 政府系金融機関は、伝統的に金利は安いが担保は第一主義というのが多く、担保ポジションについては他の民間金融機関と非対称な形になっていて、交渉がまとまりにくい。シンジケートローンなどに入っていくことで、担保ポジションをプロラタにしていくなど、そういった慣習は変えていくべき。
【今後の事業再生の在り方について】
(早期再生の課題)
○ 早期再生としてM&Aは重要。地方の中小企業だと抵抗感もあるので万能ではないが、例えば、創業者の代替わりの時に、そもそも悪くなる前に引き継ぐこともできる。
○ 上場会社の場合に敵対的買収に規律効果があるという議論と、かえって日本的経営が失われる、企業価値が損なわれるという議論がある。後継者がいない中小企業が、円満に然るべき対価をもらって事業をどこかに承継してもらうということがある。
○ 中小企業でも営業譲渡を望むケースが多いが、相手方を見つける機会がほとんどなく、全国的なネットワークがないとなかなか難しい。政策としてM&Aのマッチング事業を積極的に展開して頂きたい。
○ 地方の中小企業のM&Aの場合は、まず地方銀行に話がくる。売りたいという話が漏れると取引先との関係がまずくなるので、銀行に話がきた後にスムーズに機密性を保ちながら相手を探す。内閣府の方でやっているM&A研究会では、成功例の紹介等、ネットワークが育ちつつあるという捉え方で紹介がなされていた。
○ ファンドではM&Aの紹介だけはやっていないが、会社に投資等をして、一旦会社を抱えきれいになった後で、元気な会社に買ってもらうという、繋ぎ役のようなこともやっているので、ある意味その業界のスポンサーまでの繋ぎ役としての位置づけでの仕事はやっている。
(私的整理及び法的整理の課題)
○ プレパッケージの関係で「お台場アプローチ」は活用されていないのかという趣旨の質問があったが、実際に活用した弁護士の方もいるようである。
○ 事業再生の話をする時には、債権者間調整の観点でどう物事を進めるかということについて語られることが多いが、企業再生ということを考えると、その後の新しい再生プランを信頼性のあるものとして作り上げることが一番重要。それが翻って入り口の債権者間調整を適切な形でしやすくする効果がある。
○ 産業再生機構が注目されたのも、単なる財務リストラだけでなく事業をどう再生するかについて力を注いだため。それが高い対価で出口が得られるということに繋がる。ただ、産業再生機構のようにコンサルタント等の専門家がプールされている集団はないので、これから事業計画を組む時に、その領域で能力のある人にどうたどり着くかというのが難問。
○ 事業再生実務者協会や、税に関しては全国事業再生税理士ネットワーク等を活用すべき。
○ 地方の例で、沖縄で再生のノウハウや知識の習得のために再生研究会を発足された。非常に前向きな動きで、その中での人材育成に期待している。そういう意味では、全国的なネットワークに展開できるように地方の弁護士会、公認会計士、税理士会とも連携して展開すべき。事業再生実務者協会としても、ターンアラウンドマネージャーのような人材をできれば何らかの形で守秘義務を厳守した上で、プールしていきたい。
○ 全国倒産弁護士ネットワークという組織があり、例えば北海道では弁護士に限らず他の方々も集めて「再生塾」という名前で何度か会合を持ち、非常にステディな活動をしている。そういう草の根のようなことが広がっていけば良い。
○ 実際の案件では、バランスシートの再生よりも事業の再生が最も難しく、うまくいかないケースもほとんどがそこである。計画策定する際には、そこは中小企業診断士等にお願いをしている。登録している方がたくさんおり、それぞれの得意分野や状況に合った方を紹介してもらい選んでいる。
○ 再生計画には営業利益より上の部分と下の部分という2つの要素がある。上の部分は業界の知識を持った方が適切に評価しないと、ちゃんとした計画が立てられない。計画を作る時には業界の専門家と数字を扱う専門家、幾つかの専門家の共同作業でやる必要がある。特に業界の知識を持った方がどこにいるのか、データーベース、ネットワークのようなものがあれば良い。
○ 私的整理で各金融機関に債権放棄をお願いする時には、ある程度スポンサーが固まっていないと、事業再生の絵が描けない。スポンサーがどういった形で支援するかというのがあって金融支援額が出てくる。法的整理に移行した場合も、そのスポンサーに優先権を与える形にすべき。オープンビットで全ての候補者にデューデリをさせてということになると、時間もかかり、企業の痛みも大きくなる。
○ プレパッケージ型は非常に大事だが、必ずしもマジョリティというわけではない。プレパッケージについて、なぜそんなリスクを弁護士が取らなくてはいけないのだという意見もある。企業価値の毀損の観点からプレパッケージが良いということであれば、声を大にして、そういう批判が起きないようにすれば、弁護士のマジョリティもそちらに従う。
○ ファンドとしても、プレパッケージでスポンサーの依頼がきて、スポンサーとして経営者人材を探すが、後になってオープンビットだと言われると、お願いをした経営者候補の方にも失礼にあたり、非常に困る。いつの時点でスポンサーになれるのかという点は非常に悩む。事業価値の毀損の最小化と公平性はトレードオフで、公平性を最大化するのであれば全てオープンビット、事業価値の毀損を最小化するためにはプレパッケージでスポンサーを決めておくことになる。そこはプレパッケージでスポンサーを決めるべき。
○ プレパッケージでスポンサー候補を決める時には、競争が確保されず匿名で指名するような形だと、本来はもっと高い金額で出資等を受けることが可能だったのに、それが得られなかったということになる。色々議論した中では、オープンビットにしなくても、何社かに当たり守秘義務協定を結んだ上でデューデリをさせ、競い合わせれば適正な競争が働くということだった。どこまで競争の範囲を広げるかが問題だが、オープンにした途端に危ない会社と広まってしまう可能性もあり、大変難しい問題。
○ できるだけ早くスポンサーを巻き込んだ事業計画を立てることが、再建プランの質を高めるという意味でも重要。債権の支払は一時停止できても、事業は止められない。申立をする日にも事業価値の毀損は起きており、裁判所に行くときにはその後どうなるのかについて、例えば申立企業の人達がお客さんに説明できるということは非常に重要。
○ 再生には、時間が足りない中で内密に事業再生プランの策定作業をいち早く始めることが重要。従って、必ずしも複数のスポンサー候補を募らなくても、スポンサーが一名でもいる場合、それに第三者の専門家からのフェアネスオピニオン等があれば十分機能すると思う。実際上場企業のM&Aにおいても、取締役会が提案を判断する時、1社から提案があったから他に3社聞いて、その上で一番値段が高くなければいけないということはない。通常はインベストメントバンクや監査法人等の専門家がオピニオンを書く。適正レベルにあるということが客観的に担保されれば、問題ないのではないか。
○ 弁済額を最大化するためにスポンサー間で過当競争を煽ることがあると、その後の再生プランに無理が生じる。債権者から見た破綻処理ではなく、事業再生という視点を持ち込むのであれば、最後の1円まで取りに行くということではなく、ある程度迂回ルートを設定してゴーサインを出すということは、社会的にも十分受け入れられる話ではないか。
○ 通常、スポンサーは一人出てくれば万歳で、何社も手を挙げて公平な競争というのはあまりない。例えば中堅・中小企業であれば、最初に手を挙げた人がやるということを法的に担保しなければ回らないのではないか。
○ 金融機関は複数のところに内々に声をかけてある程度のビットをしてもらうということは可能のようで、そんなときのフェアネスオピニオンというのは、手順についての点検というイメージ。