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七日(火)のNHKラジオ第一「ビジネス展望」(月〜金;朝6:43〜6:55)で、内橋克人さんが、GPI(Genuine Prosperity Indicator)(英語はたぶんこれで合っています)という概念を紹介しておられました。
GPIは、GDP(Gross Domestic Product=国内総生産)に代わる概念として
NHK放送文化研究所の小宮山康朗さんが提唱している概念だそうです。
ビジネス展望で内橋さんがおっしゃっていたことを概括的に説明しますと、こんな感じです(録音したわけではないのでメモに頼って書きます。表現等、内橋さんが使われた表現とは違っていたりすると思いますがご了承願います):
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(前略)
GDPは、例えば、耐震偽装マンションを建てる際にも、壊す際にも、カウントされる。
耐震偽装マンションというものは、住民に不安を与えるものであるが、それにもかかわらず、GDPに計上されてしまうのだ。
このように、GDPは、幸福度、豊かさの指標とは言えない。
こうした問題点をもつGDPに代わる指標は、多く研究されている。
そのうちの一つに、GPIという小宮山さんが提示した指標がある。
NHK放送文化研究所が出している刊行物の一月号にGPIに関する小宮山さんの論文が載っているので是非読んでほしいと思うが、
小宮山さんはGPIを三つの視点から定義づけている。
一つは、人々の生活から幸せを奪う要素は排除(マイナスに計上)するということ。
例えば、犯罪的経済活動など。
二つ目は、豊かさを高めない消費は控除するということ。
例えば、治安の悪化による警備サービス消費の増加は、マイナスに計上する。
三つ目は、隠れた豊かさを計上するということ。
例えば、家族への貢献。
GDPでは、保育園による保育サービスは計上されるが、親による保育は計上されない。
GPIは、親による保育も計上する。
また、(驚くべきことに、)
1984年〜92年の一人あたりGDPが年平均(?)で4.1%拡大しているのに対し、
同じ年を一人あたりGPIで測ると、0.3%の縮小になる。
最近(?)では、
一人あたりGDPがプラス1.5%成長であるのに対し、
一人あたりGPIではマイナス0.1%の成長である。
(中略)
関心のある方は、是非、小宮山さんの論文を読んでみてほしい。
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ということです。
小宮山さんの論文のサマリーを下に載せておきます。
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「GDP神話」を超えて
〜「豊かさ」を伝えるための新たなアプローチ〜
2006年1月「放送研究と調査」
「GDP」(Gross Domestic Product=国内総生産)、その伸び率である「経済成長」は、家計の消費、企業の生産活動・設備投資、そこから波及する所得・雇用の拡大、景気拡大といった国民の「豊かさ」に関わる総合的な経済指標として毎回その発表が注目され、マス・メディアが大きな紙面や時間を割いて伝えるニュースとなる。「GDP・経済成長は『経済の豊かさ』を評価するための重要な指標」とする捉え方は、広く一般に浸透していると言えよう。
だが「GDPの拡大・力強い経済成長」などをもって「良いこと」「期待されること」「豊かさが拡大すること」などという捉え方は一面的であり多くの問題を見過ごすことにもなりかねないとする指摘がある。特に「豊かさ」の分析・評価を専門とする経済研究者たちは、経済社会の豊かさに関して、GDPで捉えられていない諸要素が多く存在すること、成長をもたらす経済活動の結果が生活者にとっての豊かさを高めず、むしろ奪うものでもGDPでは「プラス」に評価されてしまう場合があることなどを明らかにしている。そして、GDPではなく「生活者」の視点で豊かさを評価し直し広く一般に示してゆこうとする新指標が経済研究者らによって試みられており、マス・メディアはこうした試みを参考に「豊かさ」について取材を深めることを通じて、GDP・経済成長・豊かさに関する報道に広がりや厚みを加えたものとし、視聴者・読者への貢献を高めることが可能である。―本稿はこれらについて明らかにするものである。
尚、本稿の中では、アメリカにおいて開発されて、今、日本でも自治体や経済研究者に注目され、試算も始まった新たな「豊かさ指標」を紹介しつつ、そうした指標が示す考え方を取り込むことによって「豊かさ」に関する捉え方がいかに変わりうるかについても具体的示す。
主任研究員 小宮山康朗
http://www.nhk.or.jp/bunken/book/geppo_sum06010105.html